#Reclaimthenight(夜を取り戻せ!):フェミニストプロテストに参加しました@ブライトン

こんにちは^^

更新率を上げていきたいと言いつつ、かなり久々の更新になってしまいました😅

今回は先月参加してきたプロテストのレポ&感想について綴ろうと思います!

忙しくてなかなか長い文章を書く気力がわいてこない生活ですが😓、最近はイギリスでロンドンをはじめ各地で頻繁にパレスチナに連帯するプロテストが起こっているのと(こちらに関しては体調不良や仕事の都合で一度も参加できていません…都合が合えば行きたいのですが!!!)、

ちょうど4年前が香港留学中に経験した大規模デモの転換点になったタイミングだったというのもあり、重い腰を上げて何とかいまこれを書きたい!!!という気持ちになったので、頑張って書き出してみます。

(結局全部書き終わるまで約1か月かかりました…😓)

#Reclaimthenight (夜を取り戻せ):プロテストレポ

"Reclaim the night"とは、夜道で起こる性暴力やストリートハラスメントに抗議し、安全な夜を取り戻す、というもので、性暴力サバイバーを支援する団体が始めた取り組みです。

今回はブライトンで行われましたが、イギリスの他の都市でも行われているようです!

この日は午前で仕事が終わり、ロンドンから電車でブライトンに移動し、最初に寄ったのは以前も一度行ったことのあるfeminist bookshopです。

この日はプロテスト参加者のために、開始時間のすこし前までプラカードを作るためのボードや筆記用具および作業スペースを貸し出してくれていたので、使わせていただきながら自分のプラカードを作りました^^


(ちなみに、このデモもフェミニスト本屋さんがインスタでシェアしていたのがきっかけで知ったのです!)

自分一人で来たのですが、後からこのスペースに来た人たちとおしゃべりしながらプラカードを作り、一緒にスタート場所(駅)まで向かいました。

駅に行くと主催団体の人たち、マーチの誘導をするボランティアのスタッフさんたち、抗議に参加するために集まった人たちがたくさんいて、スタッフさんからはチャント(デモ中に叫ぶ掛け声)が書かれた紙を貰いました^^

参加者の比率は若い女性がいちばん多かったですが、60代くらいの方や、男性もたくさん参加している姿が見られて、それぞれの参加者が自分の思いを書いたプラカードを作ってきて掲げていました。

駅から市街地~海沿い~海の近くの広場(ゴール地点)まで約1時間行進し、最後は主催団体の代表からの力強いスピーチで締めくくられました。



自分にとっての「夜を取り戻す」を考える

Reclaim the night (夜を取り戻せ)というスローガンを見た時、とてもいい言葉だなと思ったものの、夜を「取り戻す」とはどういうことだろう?と、いま一度考えてみました。

そもそもこの言葉を聞くまで、”夜(道)は自分(たち)のもの”という意識や”ストリートハラスメントや性暴力およびそれらへの恐怖によって、おびやかされている&制限されている、わたし(たち)の安全な夜(道)を取り戻す”という概念が、自分の中ではなかったことにハッと気づかされました。

性犯罪は100%加害者が悪い、被害者は悪くないとはちゃんとわかっていても、帰りがあまり遅くならないようにしたり、誰かと一緒に帰ったり、帰宅したら連絡し合ったりと、被害に遭うリスクに気を付けて行動をすることがほぼ当たり前のこととして、完全に自分に染みついているのを痛感した瞬間でした。

そして、自分にとっての「夜を取り戻す」とは何なのかについても考えてみました。

わたしにとって”夜を取り戻す”ことは、夜スマホを持たずに安全に家まで帰れることだなと、ある出来事を思い出しながら思いました。

実はヨーク大の院生だったころに、夜遅くまで図書館で勉強して寮に帰る道で、不審者に話しかけられた&ストーカーされたことがありました。

不審者が出現することなど到底想像できないような静かで落ち着いた雰囲気のキャンパスで、また歩いて10分もかからないほどの帰り道でこんなことが起きたのには衝撃を受けましたが、

この出来事によって自分が一番嫌だと感じた(今も感じている)ことは、この日以来、それまで普通にやっていた、遅くまで図書館で勉強することに不安が生まれてやりづらくなってしまったこと、また、勉強に集中するためによく使っていた、スマホを部屋においてパソコンだけ持って図書館に行くルーティーンを、万が一再度そのような事態が起きた時に大学のセキュリティスタッフや友人に緊急連絡できないことへの不安から、使えなくなってしまったことです。

加害者に屈したくないと思いながらも、恐怖とトラウマからこうせざるを得なくなったことは、ストレスやフラストレーション、怒りが募る経験でした。

わたしにとっての「夜を取り戻す」ことは、そう簡単にはいかないことですが、今回集まったたくさんの人たちと共に声を上げ、歩いたことで、少しでも自分の「夜を取り戻す」ことに近づけた気がしました🔥

プロテストは誰にもできることじゃない

わたしはこれまで、イギリスでのプライドイベントに参加したり、オンラインでの署名運動やハッシュタグデモなどにも参加してきましたが、オフラインのプロテスト(抗議活動)に直接的に参加したのは実は今回が初めてでした。

SNSでいいねをしたり、キャンペーンを拡散したりするアクティビズムは近年ポピュラーな方法になりつつあり、参加するハードルも比較的低く、問題を可視化し関心を集める上で効果的なやり方ではあるものの、slacktivismといわれることもあり、その効力は限定的であり、変革を起こすにはオフラインの活動が不可欠だとの批判もあります。

だから今回、自分のこれまでのslacktivismをより本格的なアクティビズムに発展させることができて、アクティビストとしてレベルアップできたと感じてすごくうれしくやりがいのある経験になったのですが、同時に参加してみていちばん感じたのは、いろいろな面で、

プロテストは誰にでもできることじゃない、ということです。

まず、大きな声でスローガンを連呼しながら、プラカードを頭の上に掲げながら一時間近く歩くのは、声がすぐ枯れてくるし、肩も痛くなってくるし、普段あまり歩かない人は足も疲れてくるだろうし、体力的に負担のかかるアクティビティであることは間違いありません。

ゆえに病気やけが、障がいなどのある方は参加する選択肢を持つことが難しいアクションだと思います。

それに、私はたまたまブライトンまでアクセスのいいところに住んでいて、SNSでこのイベントの情報を得られて、この日は仕事が午前で終わりの日だったから参加しに行けたものの、そうではない人たち、たとえば、都市部から離れたところに住んでいる人たち、SNSをやっていない人たち、夜や週末に働く人たち、家で家族のケアを担う立場の人たちなどにとっては、このようなプロテストに参加できるチャンスは限られてくるでしょう。

さらに、自分のすぐ隣を、無言・無表情の警官たちが歩いていて、常に監視されているのも、決して心地のいい状況ではありません。

もちろん、危ない衝突だとか、デモをやめさせようとしたり嫌なことを言ってきたり、撮影してきたりとかは全くなく、安全にプロテストを行えるように協力してくれましたが、

かつて見てきた香港デモでの強硬な弾圧の光景や、最近パレスチナのデモで警察が抗議者を撮影していたという話もちょっと聞いたりしていたのでどうしても少し不安な気持ちがあったのと、プライドイベントの時のような、レインボーのグッズを身につけて、行進を誘導しながらも市民と一緒にノリノリで楽しんでいる警官の様子とはあまりにも違ったので(そりゃそう笑)、緊張感を持ちました…😅

そして、一番の気づきは、プロテストしている最中は、いろいろな感情が揺れ動くということです。

はじめはこんなにたくさん人が集まるなんてすごい、嬉しい、心強い!!!というポジティブな気持ちでいっぱいでしたが、いざ行進が始まると、目に入ってくる光景はいいものだけではありません。

プロテストでは大勢が集まって大きな声を出し続け、公道を一部占拠しながら歩くので、当然周りからたくさんの視線が集まるわけですが、

応援するリアクションを送ってくれる人も多少はいましたが、それに比べると、あいつらは何を騒いでるんだ?😑とか、(特に渋滞している車からの)迷惑だな🤨、みたいな目線を感じるほうが正直多かったと思います。

そういうのに遭遇すると、自分がしていることの正当性について疑念が生まれてきました。

自分がやることは正しいことだ、社会にとっても他の人にとっても良いことをする、という思いがあって来たのに、果たして本当にそうなんだろうか、むしろ他人に迷惑をかけているんじゃないか、、、みたいな。

もちろん、いわゆる”make noise”することは運動において必要なことだと頭ではわかっていても、こういう自分(の行動)に対するマイナスな感情は、よほど強い意志のある人やプロテストに慣れている人でなければ多少なりとも出てくるものではないかと思います。

それでも最後まで歩き続け、声を上げ続けて無事にマーチが終わった時には、大きな達成感とやりがいを感じたし、勇気をもって参加して最後までやりきった経験がのちに他のデモに参加するために自分を勇気づける時間になったなと強く感じました。

次に参加する際はもっと自信を持って歩けたらと思います!💪


すべてのアクティビストにリスペクトを

今回のプロテスト参加を通して、今までいろいろな運動で闘ってきた人たちは、参加に伴うリスクや周りからのネガティブな反応、体力的にも精神的にも消耗していく自分自身に打ち勝つ勇気、強い信念、タフネスを持って闘いを続けてきたんだと思うと、今まで以上にリスペクトと連帯の気持ちが大きくなりました。

しかし、「プロテストはだれにでもできることじゃない」からこそ、”オフラインでアクションを起こしたくてもできない人たち”の存在も忘れることなく、そのような人たちの想いを排除せずに掬い取っていく姿勢も必要不可欠だと感じました。

これからも自分でできる範囲でオフライン・オンラインでアクションを続けながら、インターセクショナルなアクティビズムについて考えていきたいです。

デモに参加するために肩書きは必要か:フェミニスト/アクティビストの肩書きとの付き合い方

もう一つ考えたことは、デモに参加するために「フェミニスト/アクティビストだから参加する」といった理由はいらないのでは、ということです。

このデモだけではなく、これまでイギリスでプライドマーチに行ったり、最近のパレスチナに連帯する抗議活動に参加している人たちを見ていると、”フェミニストとして/アクティビストとして”強く抗議しにきた!賛同を示しにきた!というテンションで来ている人はあまり見かけず、大半はいち市民としてそのデモの目的に賛同するから参加しにきた、という感じに思います。

社会運動の歴史が長く、社会にカルチャーとしてかなり浸透していて、ゆえに運動参加のハードルが低く、日本と大きなギャップを感じる点です。

わたしはこのような側面を見ながら、フェミニスト/アクティビストという肩書(ラベリング)との付き合い方や、それを使う/使わない理由や影響などについて考えるようになりました。

私自身は、まわりにフェミニスト/アクティビストの仲間が少ないし、まだまだこのようなトピックを活発に語るのははばかられる風潮がある現状にプロテストしたいのと、自分がフェミニスト/アクティビストであることを誇りに思い、隠したり恥じたりせずにいたいという背景から、自分はフェミニストだ、だからこういう活動にも参加している、と言うほうなのですが、

実際、イギリスで市民運動に参加するときは正直わざわざ言わなくていい、というか誰も気にしてないポイントと思うので、特にその辺は強調せず他の人から聞かれたら説明する程度になってきています。

しかし、日本人の知り合いでは日本でもイギリスでも、そもそも「フェミニスト/アクティビストって何ですか?」って訊かれることのほうががむしろ多いレベルなので、名前を使うことは自分のしていることを知ってもらうために、また身近にそういうことをしている存在がいると気づいてもらえることは大事と思って、あえてためらわず使うことが多いのですが、

最近は自分自身をそのようにラベリングすることで、他者との間に線を引いているというか、自分をいわゆる"意識高い系"の人のポジションに置いてしまっているのではないか、という危惧も少しあります。

(実際、これを言うと皆リスペクトを示してくれるのですが、同じテンション/目線でトピックを語ろうとする人はなかなかいないので。。。)

自分が以前やった研究およびフェミニストの知人との対話での気づきで、(自分のネットワーク内で)フェミニズムに関心を持って取り組んでいる日本在住女性の多くは「都会在住」「高等教育を受けた」「海外で生活したことがある」などの、比較的恵まれたバックグラウンドが共通してあるという印象があり、もっと幅広い層の女性を包括していくにはどうしたらいいかと考えていたところなのですが、

もしもこのラベリングによって”私はあなたとは違う”と言っているような印象を他者に与えてしまうのであれば、果たして積極的に使うべきだろうか、、、という疑念もあります。

しかし、自分のしていることを他者(特に日本人)に伝えようとなると、そもそも「フェミニスト/アクティビストって何ですか?」って聞いてくる人にたくさん会う現状では「フェミニスト/アクティビスト」という言葉を出さないとちゃんと伝わらない、不十分じゃないかと思うこともまた多いです。

このあたりは今後も悩み続ける課題だなと思っています。

実際、「フェミニストである」と公言はしていなくても、女性の権利やジェンダー平等の問題に高い関心を持って勉強したり活動に参加したりする方は日本にいるわたしの知人でもたくさんいますし、中国などでもそういう女性は多いと聞きます。

では、その"フェミニストという肩書を使う/使わない"選択には、どのような理由があるのか?

それに対して自身でどう感じているか?今後(も)使いたい/使いたくないと思うか?

「フェミニスト」という肩書を使う/使わないことで周りへの影響、反応はどのように違うのか?

なども非常に気になるところで、次の研究テーマにするために今準備中です!!!

うまく進めることができればまたnoteなどで発信したいと思います!


最後まで読んでいただきありがとうございました :)

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では、近々また更新できればと思います!

Momoko

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