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名作と呼ばれる本がつまらなかった話

それは、「老人と海」。言わずと知れたヘミングウェイの著書。

いわゆる名著とされている本の中でも読んだことのないものを読んでみようと、ここ最近図書館で借りまくっている。その規準で最初に選んだのが、この本だった。最初から文書がだるくて(かのヘミングウェイの文章をこんな風に言うのをお許しください)、それは翻訳のせいではなく、本のしょっぱなから、人との交流をこばむ老人の生活描写に何らかの彼の魅力を垣間見ることもなく、ひとりいつか大物を釣り上げるという妄想(?)の中沖へと出ていき、そして、大物の感触を感じて力を振り絞るシーンが続くのだが、まったくその格闘の様子が頭に映像として思い描けないのである。
(あくまで個人の感想です)

小説を読む時、登場人物(たち)の姿が立ち上がってきて、その物語の空間に自分もいるような気になり感情移入するのだけれど、しばらく読んでもそれが全くない。ダラダラと描写が続くだけで面白くないんですけど。

そんな時X(Twitter)で、「老人と海」を名作として崇めているのは日本だけで、本国アメリカでは駄作とされているというツイートをたまたま見かけた。こういう時によりにもよって、思っていることとピッタリの情報を目にしたりするのはよくある偶然なんだろうけれど。

ここは世間の同調圧力に負けず、「老人と海」は私の中ではそんなにいいかな?というカテゴリーに入れることになった。読んでいる最中、これは名作と言われている本なんだから、どうして読めないのかと妙なプレッシャーを感じながら無理やり読み進めてみたけどやっぱりダメで、途中で大きな音をわざと立てながらバタッと本を閉じた時の爽快感。みんながいいって言うから良いんだよね、は違うよね、やっぱり。

2冊目に手にしたのは新装版「かもめのジョナサン」。これも・・・。
五木寛之氏の翻訳で彼があとがきも書いているのですが、結構、本人の判断で翻訳をしている部分も多々あることを認めているので、その影響があるのかないのか原書で読んでいないので分からないけれど、これもいまひとつ。
なぜ、これがそんなに有名な本になったのか私的には不明。
でも、この本が面白いのは、翻訳をした五木寛之氏がこの本への違和感を書いていること。普通、あとがきはその著書を肯定的に評価するものだろうに、これはちょっと違う。それを読む価値はあるかもと思う面白い一冊。

次は、どの名著にしようか。


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