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コースを外れたら面白いことが待っている。

いつもの繰り返しの毎日からふと解放されたくなる時がある。そんな時は、ロードバイクで少し遠くに行くことにしている。家から片道30㎞くらいのお出かけ。

Google mapにカフェでも公園でも何でもいいので、とりあえず目的地をセットする。Google mapが教えてくれる道順でもいいけれど、大体の方角に向かってしばらく走って、もはや全く土地勘のないエリアに入ってくるとここからが楽しくなってくる。

面白そうな路地や、あの先には何があるんだろうと思うような鬱蒼と草木が生い茂る中にある道にわざと迷い込んでみたり、偶然三叉路なんかに出てしまった日には、どの道を走るのかというすこぶる重大な決断に迫られたり、ウォーターボトルの水がなくなって、でもコンビニも自動販売機も全然見当たらなくて、このままずっと水が飲めなくて倒れてしまったらどうしようとかドラマチックなことを想像したり、知らない場所で日が暮れそうになってくるとちょっと不安がよぎったり、そんなちょっとしたサバイバル感がたまらない。

思いがけない風景にも出会う。小さな裏山に突然美しい水田が現れたり、林の中をちょっと覗くと見たことのない花が咲いていたり、道をたずねた地元の人にお菓子をもらったり、途中で素敵なカフェを見つけたり。

自転車で走るだけなのに、普段の自分の生活とは違う景色と時間の流れの中に入り込んでしまえる無造作なこの移動が、自然とウキウキした気分になれる。地図を無視して、自分の感覚を頼りにコースを外れて走る。

寄り道をしたり、迷ったり、ふとあの角を曲がってみたり。そうして初めて面白いことに出会えるんだと思う。人生と同じ。振り返ればいつもそうだった。


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