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日本人の心に、お天道様

お天道様という言葉に、皆さんどういう感覚を持たれますか。

太陽ではなく、お天道様。
擬人化して、崇められていますね。

擬人化されていても、お日さまとはまた違います。

お日さまといえば、さんさんと降り注ぎ、光や暖かみを提供してくれる存在だと感じます。だけど、森羅万象を司る神というか、どの人の中にもある真実であるとか、そこまでの荘厳さは「お日さま」という言葉にはありません。 

まさしく、お天道様とは、どの人の心にもどこか共通して存在している真実や良心、ひいては世の中を司る神格化された存在なのだと思います。そして、日本人の心の中に、お天道様はいつもいるのだと思います。

だって、梅干しをお日さまにあてるかお天道様にあてるかで、こんなにも感じ方が変わるのですよ。

お日さまが梅干しを作ってくれる

お日さまの暖かさや光が、梅干しをふっくら、優しく美味しい味にする

お天道様が梅干しを作ってくれる

お天道様の暖かさや光のみならず、見えないパワーによる付加価値があると感じる。ふっくら優しく美味しい味になるとともに、滋味深く、栄養も豊富で、健康にも良いものになる。ただ光や熱を当てただけでは絶対に起こらない不思議なパワーにより、えもいわれぬおいしさとなり、これ以上ない健康食品になる

私はこのような違いを感じます。みなさまはどういう風に感じられるでしょうか。

日本人は昔から、お天道様という存在をどこかで心に留めてきました。
「お天道様が見ているよ」といい、誰に見られても恥ずかしくない行動をするし、またしなくてはいけないとどこかで思って生きてきたという事実があると思います。 

知らぬ場所で携帯電話を無くしました。そこには非常用のお札も少し入れており、クレジットカードまで入っていました。でも、そっくりそのまま、どなたかが拾って、駅に届けてくださいました。海外だと、絶対にこのままなくなっちゃいますよ。ええ。絶対に、です。 

お天道様という言葉を使う人は減ってきていると感じます。ですが、その言葉を使わない若い人なんかでも、きっと日本人であればおおよそ全ての人が、携帯を拾ったら届けてくれたと思うのです。 

せっかくなので、お天道様という言葉を使い、このような私たちの誇るべき感覚を言語化して話せるようでいたいものだと思いました。

※お天道様については、東城百合子さんも本を出されています。
「お天道さま、ありがとう」
サンマーク出版 東城百合子

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