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アナザーストーリーズ 運命の分岐点 金閣炎上 若き僧はなぜ火をつけたのか

2023年10月20日に、なぜ、若者が、金閣寺を燃やしたを検証する番組がNHKで放送されるようです。

三島由紀夫と水上勉、ふたりの作家が書いた本から若き僧の心理にせまる番組のようです。

なんと、私も三島由紀夫と水上勉、ふたりの本を読み、若き僧の心理にせまったnoteを書きました。

なんと、おったろうnoteであれば無料で読めるのです。

番組を見るまえに、noteを読み、おっ、同じことが書かれてたな、同じ点に注目しているナと答えあわせができます。

このnoteのアイディアは、酒井順子さんの『 金閣寺の燃やし方 』をみつけ、読むまえに自分で分析してみようと試み、そして書きあげたnoteです。

番組に酒井順子さんがよばれるのか、著書が紹介されるのか、番組の見どころのひとつではありますね。

ふたりの作家の本を読みくらべ、僧の心理にせまる試みは面白いと思います。

しかし、気になる点がふたつあります。

水上勉の知名度は、いかほどか。

三島由紀夫は、有名すぎるほど有名な自己のラストシーン。そして、海外にも轟く三島文学。美麗な文章を書く作家といえば、確実に名前のあがる作家であり、いまなお、燦然と知名度は輝いています。

三島由紀夫が光や熱とすれば、水上勉は影や陰のように感じられるのです。竹人形の公演をおこったり、精進料理のエッセイを書いたりなどなど活躍された作家ではあります。

私は、水上勉の精進料理エッセイに影響され、生活のなかに精進料理をとりいれ、あげくのはてにはブログ記事にまでまとめるほど影響をうけました。

番組のホームページには、水上勉の大量の草稿がみつかり、フィクションからノンフィクションへと変化したと書かれています。

水上勉の『 金閣炎上 』を完全にノンフィクションといえるのか、この点には疑問を感じました。

NHKが、水上勉をどのように評価するのか、紹介するのか見どころのひとつ。

さて、つぎに気になった点。そもそも金閣寺が燃えたことをどれだけの日本人が知っているのか。

室町時代に建てられ、応仁の乱も戦国時代も大戦すらも経験した金閣寺が炎上したことをどれだけの日本人が知っているのか。

水上勉の存在と金閣寺が炎上したことを最近まで知りませんでした、私は。

戦後に燃やされ、再建されたと知った金閣寺。私のなかでは、なんだか、しょぼいモノに感じられるようになりました。
てっぺんに鎮座している黄金の鳥の飾りの他は、半世紀ほど前に建てられたと知り、なんかシラケた気持ちになりました。
半世紀ほど前に建てられたものを見るために、日本だけでなく全世界から、あれだけの観光客がくるのかと。

たくさんの観光客がくる、拝観料をとる、金閣寺には金が集まる、このあたりを動機のひとつにNHKが数えるかどうか、これもまた見どころのひとつでしょう。

さいごにNHKのホームページには、放火の原因のひとつだと思われる(私も放火の原因のひとつだと考えている)和尚にもスポットライトをあてています。

三島由紀夫の『 金閣寺 』の影響から誤解されたままの半生を送られたと書かれています。水上勉もあまり和尚には同情していないように感じました。

さて、最後に、戦後すぐにおこった金閣寺放火事件は、いまを生きる私たちに関係ないと思われたかたも多いと思います。

暴論かもしれませんが、金閣寺を燃やした若者の精神はまだ生きています。私たちが生きるいまの日本にも、放火した若者の精神はくすぶり続けていると私は思うのです。

放火した若者の気持ちを私が言い表すのであれば、ルサンチマンです。
見捨てられ、人を羨み、日本に蹴りをいれたい若者や中年はおおいと思います。

金閣寺を燃やした若者の心を分析することは無駄ではない、と私は考えています。

そのあたりをNHKがクローズアップするか、どうか。

しかし、クネクネしていた松嶋菜々子さんの容姿は昔のままだなと。

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