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ベーシック・インカムとネバー・ランド

思ったんだけどさ、わが邦の全国民のお金を、ひとりひとりに同じようにわけることができたら、最高じゃない?ベーシック・インカム推進派のしようと思っていることがそれなんだろ?なんでそれができないんだろうね?最高だったら、とっととやればいいじゃん。えっと、フィンランドはもうやってるんでしょ(テキトー)

ベーシック・インカムっていうのは国民に毎月お金を配ることだ。要するに人が生まれた時から死ぬまで年金をもらえるような社会の仕組みである。働きたくない人にとっては”すばらしい新世界”てなものでサイコーの初期設定に思えるだろう。なお、もちろん働くべき人、インカムを受け取らない層もいて、その人達にはエリートとしてバリバリ活躍してもらう。

動画では岡田斗司夫がベーシックインカム導入による懸念や期待、影響の度合いについて詳しく解説してくれているが(たちいった内容は動画を見てもらうとして)、ひとついえることは、白昼堂々の、メガトン級の「能力差別社会」になるってことだ。そのエグみを一息で説明すると、社会の公平性が著しく毀損されたとしても、国家とハイソのホメオスタシスを最優先する、ということになろうか。

お金をたんまり貯金しているお金持ちがいる。そのとなりに、素寒貧なわたしがいる。もし仮に(仮にだよ?)わたしが道玄坂の性感マッサージ店で痛い目にあって、全財産をすってしまったとする(あくまでフィクションですよ、ノンフィクションじゃないですよ)

その話を聞いた役所が金持ちに「おい、あいつ可哀想だから、その貯金、あいつに半分配れ」と命令したら、彼はどうなると思う?…わたしが無事でいられる保証はないが、しかし、政府としては、これはこれで立派に「公平」を行使したともいえる。じつは我々の社会の公平とは、このバカげた喩え話に、遠からずも近からずな側面がある。

いうまでもなく、金持ちの本心としては「嫌・公平」だ。あたりまえ。けれども、国家に属している以上、誰何人にも人間の生きる権利が保証されている限りにおいて「脱公平」は許されない。

だったら、ベーシック・インカムの「生きながら死んでいればいい」世界で、ジャルジャルの夢なし大学生みたいに、死ぬまで、ぼーっと突っ立ってもらっていた方が、金持ちとしては(自分達を脅かす可能性が限りなく低くなるので)ありがたい。実際、確信犯的にそう考えているIT社長やら、セレブリティやらがいる。

ベーシック・インカムというのは、まちがっても、あらゆる人間を豊かにする思想ではない。そんな虫のいい話、あるはずないだろ?

推進派は「ベーカム実現した暁にはお前らに月7万やるよ」と確約するが、約束が果たされることは決してないだろう。だってさ、1億人超を世話するインフラや医療福祉を、どうやって今のままで維持するんだよ?って。めちゃんこ金も人的リソースもいるのに…

早晩、金がまわらなくなるに決まってる。そのうち、7万円のかわりに、オイモ券とか、お魚券とかが届くようになるかも知れぬ。その隙に、働ける”ライセンス”を授与されてる国民だけ、しれっといつのまにか社会の上部構造にシフトしている。だんだん煮詰まってくると、俺たちは、オイモ券のためにボランティアという名の重労働に奉仕させられるハメになるのだろうか…

見える、見えるぞ…
漆黒のネバー・ランドが…

この話、何かに似てるな?と思ったんだけど、そう、ブラック企業の経営者だよね。あいつらも息を吸って吐くように「うちにきたら1千万やるよ!お前の好きなやり方で働いていいから」みたいな嘘を平気でつくもんね。だったら、最初っから「俺んとこは、俺が王様で、お前は奴隷だからな?」と率直に宣言する楽天三木谷みたいな社長の方が、ついていき甲斐があるってなもんだ。

前に、ホモ・ネーモって人がコメントを書いてきて、レスポしたことがあったんだけどさ、

記事名:「ブルシット・ジョブ」についてチャットGPTと議論してみた

ここで、はからずも自分の思想を語っていたのだ、わたしは。

なんで、みんな労働問題で悩んでいるのか?っていうと、「ビジョン」(将来)がないからだ。そんなものは、もうとっくの昔に、誰も見れなくなってしまってる。わたしだってハードコア・ブルーカラーだし。「毎日が疎外です」ってメッセージがプリントしてあるTシャツ、探してるもん。

今、マルクス研究者の斎藤幸平が知的アイコンになってるし、デヴィッド・グレーバーのあのコンクリートブロックみたいな本(本田圭佑や菅野完も持ってる)が、若者たちのバイブルになってる。

社会のシステムについていろいろ考え直さないといけないタイミングに来ていると思うんだよね。

わたしは、このさい、ベーシック・インカムではなくてベーシック・ワークを提唱する。国が、国民ひとりひとりに職を「配る」(通称”レッドペーパー”)のだ。すなわち職業選択の自由の撤廃。いらねーよこんなもん。

職の選定については国がAIのアルゴリズムで決める。定めるのは仕事の活動量だけ、それが満たされれば、国が賃金を支払う。やり方や渡世は職能に応じて自由にしてもよい。

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