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【自己紹介】これまでの日常とサヨナラするとき。

こんにちは。
日常キロク製作所です。

さよならする、家のキオクを、おまもりに。」をコンセプトに進めている
家の お守りBOOK 。

今日は、その制作に至る経緯を、
私自身の考えや経験とともに、書いていこうと思います。


1.過去への想い

小さい頃から、「過ぎ去った過去」への切ない気持ちに浸る癖があり、
廃れた空き家、廃墟や温泉街を目にしたり、昔のヒット曲を耳にしては、
自分が経験したものではなくても
今はもう存在しないけど、確かににぎわっていた、幸せだったその時
を想い、なんとも言えない気持ちに浸っていました。

当然、好きな教科は「歴史」。
ですが、決して詳しいわけでも得意なわけでもなく。
この重要文化財にも普段の暮らしがあったんだな、
教科書に載っているこの人にも、
朝起きて、ご飯を食べて…という日常が確かにあったんだ、というような
空想に浸れる、歴史の「雰囲気が好き」という程度です。
(その証拠に大学は第一志望で史学科を目指すも不合格でした。)

しかしながら、この「過去への想い」が、
私の人生の根底にずっと流れていて、今があります。

2.記録が趣味

記録して積み重ねています。

幼少期から、記録が趣味です。
人の話を聞くことは好きですが、話すことが苦手だった性格もあり、
悩み事も(悪口も!)嬉しかったことも、すべて日記に書き込んでいました。
積み重ねを感じないと不安になる性格も相まって、
記録に残すことで、「何もなかった」にはならない、
記憶は薄れても、記録は必ず残る、という安心感を、知らず知らずに求めていたのだと思います。

今や、日々の日記や手帳はもちろんのこと、読書記録、育児日記、
レシピ記録、旅の記録、通院記録、スクラップノート…など、
ざっと数えて14種類の記録を更新しています。
(全く苦になりません!)

3.引越しの寂しさ

私の人生で最初の「日常とサヨナラするとき」は
それまで住んでいた団地から戸建てに引越した、小学校卒業の時。
新居へのワクワク感より「今まで過ごしてきたこの部屋を出る」
ということの方が、ズシンと心に刺さりました。

その後も、
実家を出て一人暮らしをするとき、
初めて一人暮らしをした部屋を出るとき、
一人暮らしを卒業するとき、

当たり前の日常として過ごしてきた空間とお別れする寂しさが心に刺さり、でもふと気が付くと、だいぶ忘れてしまっている
その事実に、また悲しくなる。

そんな中、約2年前に、当時95歳だった祖母が、
大好きだった自宅暮らしを手放し、施設へ移ることになりました。
その時の寂しさ、あきらめに近い表情は、
今思い出しても胸が苦しくなります。
そんな大切な祖母の家も、
家族の家から離れているため管理しきれないこともあり、
解体することになりました。

私も思い出がいっぱいの祖母の家、
もうその空間の存在自体がなくなってしまう
という事実に耐え切れず、寂しさを紛らわせるため、自分で記録をまとめることに。

作っている時間の諸々、
写真を選ぶこと、まちを調べること、間取り図を書いているとき。
全部がとても愛おしい時間で、
作った後は「記録に残せた」「もう忘れない」という安心感に加え、
見返すたびに心もあたたまり、お守りのように、大切にしています。

家族にもとっても喜ばれ、
同じようなことで必要としてくれる人がいるかもしれない」と気づき、
一方で、記録がもう少し早く作れて、祖母に届けられていたら、
新しい環境での心のお守りになったり、
新しいお友達とのコミュニケーションツールにもなったかもしれない。
そんな後悔もあって、
制作サービスを考える大きなきっかけになりました。


4.学生時代の経験

古い建物を大切にする大変さも、身をもって経験しました。
大変だったけど、当時の山梨県イチ(?)お洒落なシェアハウスが完成しました。

両親が建築士だったこともあり
小さいときから家やまちに興味があって、
大学では都市計画について学び(理数系が苦手で建築学科は断念)、
まちづくり活動サークルに属して、空きアパートや町家の再生プロジェクトに携わっていました。
地域の皆さんや職人さん、プロのデザイナーさんが協力してくださり
なんとか、形になった時の喜びは忘れられません。
→ 当時の取材記事
 (共同総合研究所「共同の発見」2005.9 学生によるまちづくり) 

また大学が社会学科だった為、環境問題についても学ぶ中で
日本の不動産においてはスクラップビルドが
当たり前であることにも疑問をもち、
当時の夢は「歴史的建造物の保存再生に携わること、古い建物を大切にする社会にすること」。

就職氷河期ではありましたが、不動産の再生をメインとしていた会社に
運よく入社ができ、そこで社会人経験がスタートとなりますが、
理想と現実を思い知るスタートでもありました。

5.仕事としての経験

壊さざるを得ない建物、離れざるを得ない建物がある現実。

入社した不動産会社では、中古物件をリニューアル、リノベーションして転売する業務を経て(当然ながら収支が合わずに解体更地シナリオとなる物件も多数あり、一つ目の現実を思い知ります)
不良債権を扱う部署へ移動となり、
返済の滞った住宅ローンや事業ローンの担保となる不動産の査定や、
債権自体の精査を行う業務を約8年経験しました。

この業務では、金融機関から開示された資料のなかで、
債権者と債務者の交渉記録を読み込む仕事があるのですが、
様々な事情で、当たり前の日常を強制的に手放さなくてはならない状況でのやりとりに、何度も胸が苦しくなりました。
特に、小さい自転車や三輪車がとめてある戸建てを現地調査する際は、やりきれない気持ちに。

後半はもう少し、まちづくりの視点で不動産をみたいと思うようになり、
社会人10年目で転職。
都市再生部門へ配属された際は、密集市街地の改善業務に携わっておりましたが、
そこでも、不燃化促進のために、壊さざるを得ない建物があるという現実を知ります。
一方で、なかなか思い出に区切りがつけられず、壊さなくてはいけない現実を直視できない状況もたびたび耳にし、
記録に残すことで何か気持ちに区切りがつけられ、次の一歩を後押し
することができるのではないか…
空き家問題も深刻になる中、この記録制作を機に、
家族で「実家の今後」について話したり、整理したりするきっかけになるのではないか…
そんな想いも出てきました。

6.全部がゆるやかに繋がる

小さいころからの想いや、好きなこと、得意なこと、学生時代や社会人経験を通して感じたこと。

これらが、ゆるやかに繋がって、制作に結びついたのが
家の「お守りBOOK」です。
コンセプトは、「さよならする、家のキオクを、お守りに」。
おかえりなさい!から始まる一冊です。

ページを開くと、当たり前で大切だったあの頃に、
みんながいつでも帰ってこれる。
新しい1歩を、人も家も、笑顔で踏み出せる。

そんなこれからの人生を寄り添う「心のお守り」になりますように…。

段ボールで作ったプレゼンボード。心強い広報部長です。

貴重なお時間割いてお読みいただき有難うございました。

子供の体調不良が長引いて、熱が下がったと思ったら咳が出て、おさまったと思ったら鼻水が出て、やっと全回復したと思ったら違う感染症に…という看病メインの生活になっております。

皆様も体調ご自愛くださいませ!

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