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店長の心の叫びが聞こえた

 私は現在、都内で飲食店のホールスタッフをしている。去年の4月、第一波の緊急事態宣言から今年の3月は、全くシフトを入れてもらえなかった。一年経った今年4月にようやく復帰できるかと思いきや、緊急事態宣言から名前を変えただけの時短要請「まん延防止等重点措置」が発令されたのだ。毎日報道番組がこぞって感染者数や重傷者を報道しているが、街中はほとんど元の日常を取り戻しているし、渋谷では「マスクを外そうデモ」がたびたび行われている。

 今日、店長がインスタに怒りのストーリーを投稿した。「この茶番はいつまで続くんだろう」ニュースサイトのスクショの上にこの文章を載せていた。時短要請に振り回される飲食店の心の叫びが漏れたのだろう。真面目に従わないと都庁に報告され、営業停止になるかもしれない―—。都内では現在、役員の方々が見回りをしているらしい。本当にお勤めご苦労様である。どうやらこの新型コロナウイルスというのは夜行性なのだろう。深夜に食事している人々を中心に感染しているデータがあるからこうした対応をとっているのだろう。実際厚生労働省の深夜宴会に参加した役員は、見事クラスターを発生させたようだし。……冗談はここまでにしよう。少なくとも店長と私は、無駄に飲食店を縛る要請と街中とのギャップに辟易しているのである。確かにインフルエンザウイルスが死滅寸前になるまで国民は手洗いうがいを徹底してるが、コロナ感染は増えていく。「コロナはただの風邪」理論を唱えている方々は今すぐ改めていただきたい。どこかのツイッターユーザーが『ATフィールドを貫くロンギヌスの槍が普通の槍なわけがないだろ』と言っていたが、まさにその通りである(店長に懇願されて劇場版を履修し始めた)確かに新型コロナはヤバいものだ。しかし街中は緊急事態宣言前の日常を取り戻しつつあるし、少しずつ外国人が見かけたりするようになると、なぜ私たちは真面目に従わなくてはいけないんだろう、と疑問に思ってしまうのだ。この感情は我々飲食業界に関わらず、看護師さんも多いのではなかろうか。自分の周りと世間とのギャップが大きすぎて、疲弊している。骨折や盲腸でも診察が後回しにされるほど医療崩壊寸前で外出を控えるよう呼びかけられているのに、延期されたオリンピックはゴタゴタしながらも開催ムードだし、この国で本気でコロナを怖がっている人は、今どこにいるのだろう。

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