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撮りためた写真からAIを使って"斬新な写真"を選んでもらう試み

SNSにはびこる「バズる」写真。でも、その多くは似たような構図、テーマ、スタイルで、どれもありきたりなものに見えませんか?“映え”や“いいね”を追求するあまり、写真の多様性が忘れられようとしているのです。

この問題に取り組むため、私はAIを使って、オリジナリティ溢れた“斬新な写真”を見つけ出す試みを行いました。このAIはPythonを使って実装されています。

この記事作成にあたり、サークルの後輩に1000枚ほどの写真を提供して頂きました。ありがとうございます。

仮説: VAEという異常検出AIを使う

VAEとは正式名称を変分オートエンコーダといい、異常を検出することができる異常検出AIとして知られています。

異常検出AIは、多くの正常なデータから外れた異常なデータを検出するもので、生産ラインでの製品の品質チェックなどに使われています。

我々は、ありきたりで正常な写真からは外れた、つまり異常な写真こそが斬新なのではないかと考え、異常検出AIを使って斬新な写真を探します。

左:異常検出AIの主な使い方 右:今回の応用方法

方法

後輩が撮影した写真1,182枚を異常検出AIに学習させ、異常度の高い/低い順に並び替え、斬新/ありきたりな写真とします。

ちなみに、後輩はよく鉄道と航空機の写真を撮るそうです。

結果

さて、後輩が撮影した写真を異常検出AIに学習させてみます。AIを育てるというのは大変で、学習には数時間を要しました。以下は、異常検出AIが判断した"ありきたり"な写真と"斬新な"写真になります。

"ありきたり"と判断された写真


"斬新"と判断された写真

斬新な写真には被写体が際立つものが、ありきたりな写真には被写体が無いか見えづらいものが多く集まった印象です。鉄道は様々な構図や場所があるのに対し、航空機は同じ場所から同じような構図で連写して撮るため、鉄道の方が斬新な写真が多い傾向にあると考えられます。

とはいえ、本稿での方法は必ずしも人の感覚とマッチしないこともあります。例えば、後輩が写真展に出していた渾身の1枚が「ありきたりな写真」に分類されていたりしていました😅確かにその写真はのっぺりとしていて他の多数の写真と類似しているかもしれませんが、被写体の構図がとても強くて、かたくまとまっている印象を受けます。このような印象を、異常検知AIはすくい取ることはできないようです。

今回は後輩の撮影した写真のみで試したので、後輩にとってありきたりな写真と斬新な写真という軸での分類となりました。SNS上などで写真を広く集めれば、より広汎な「斬新な写真の検出」を行えるかもしれません。

詳しい内容

このAIはPythonで学習されています。詳しくは以下の記事を見て下さい。


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