大森 武

情報科・数学科教員にして作家・旅人・芸人

大森 武

情報科・数学科教員にして作家・旅人・芸人

マガジン

  • 考え方の作法

    時代が大きく変わるとき、必要なのは「考える」こと。いま哲学ブームがふつふつと起きつつある。

  • アジアの風

    近代文明が西洋文明で、それが行き詰まっているとするならば、打開するのはアジアかもしれないな。

  • 学び方の彩り

    日本語で考え、英語で議論し、機械語で実現する。これが今どきの読み・書き・そろばんだろうと思うのです。

  • 統計とプログラミング

    統計の勘所とプログラミング的思考、そして数学の使い道について。「統計+数学+プログラミング=人工知能」と捉えよう。

  • お金と未来

    資本主義が限界に近づいてきて、これまでとは全く違う未来が開こうとしています。構想しながら備えましょう。

最近の記事

エスカレータで歩こう(お笑い編)

 東京臨海高速鉄道りんかい線・大井町駅のエスカレーターには「駆け下りは大変危険です おやめ下さい」と書いてある。これ、どうしろってわけ? いや、「駆け降りるな」と否定系で言うより肯定系で言いたいね。「普通に歩け」で良くね?  都営地下鉄新宿線の小川町駅のエスカレーターには「エスカレーター内の歩行は、思わぬ事故のもとになりますので、ご注意いただきますようお願いいたします」と書いてある。長いな。もっとシンプルに「注意して歩け」で良くね?  りんかい線・大井町駅のホームも、都営新宿

    • 哲学対話・シーズン2、はじまる

      試運転参加者3名 4/11(木)15:15〜16:15  前年度、私が中学3年を担当して、クラスの何人かと 哲学対話 なるものを始めた。新年度になって、中学3年生だったメンバーは高校1年になって、でも私はその学年の授業を持たないことになって、お互いに連絡をとりにくくなった。  「さて、どうしたものやら?」と思いながら、その状態をそのまま彼らに投げかけた。次の文面を10枚ほどコピーして、校内でメンバーの一人とすれ違った際に「みんなに知らせてくれぇぃ」と手渡した。  新学期

      • 21世紀まで残った最後の植民地

         今日(2024.4.21)「米議会がイスラエルに約4兆円の軍事支援することを決めた」ことを受けて、イスラエルのネタニヤフ首相がSNSに次のような文章を投稿したらしい。今日のNHKニュースから引用する。  この中の「西洋文明を守る」に注目しよう。ネタニヤフ首相はこの言葉がアメリカ人の心に(ひいては西洋人の心に)響くと考えているわけだ。  さて、いかなる文脈で「イスラエルへの軍事支援が『西洋文明を守る』ことになる」のか?  イスラエルが抱えている対立は、表向きは「西洋 VS

        • 横濱媽祖廟の女神さま、註生娘娘が素敵!

          (上の見出し画像は台湾の媽祖廟)  横浜中華街にある横濱媽祖廟に子宝の女神が祀られている。その名を「註生 娘娘」という。  さて「註生」の読み方は日本語のそれと同じだから問題無しとしよう。問題は「娘娘」の方だ。この漢字の訓読みは分かるが、音読みが分からない、知らない。  ところで、和製漢字の多くには音読みが無い。たとえば「枠、凪、込む」など。そのことから類推するに「娘」は和製漢字なのか。  音読みはもともと中国での読み方に由来するものだから、日本で作られた漢字に音読みが無い

        エスカレータで歩こう(お笑い編)

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        • 考え方の作法
          7本
          ¥1,000
        • アジアの風
          8本
          ¥1,000
        • 学び方の彩り
          9本
          ¥1,000
        • 統計とプログラミング
          9本
          ¥1,000
        • お金と未来
          6本
          ¥1,000
        • 感じる科学
          9本
          ¥1,000

        記事

          AI時代には考えることが娯楽になる

           産業革命以降、機械化が進んで、人々が肉体労働から解放されて、体を動かすことが娯楽になりました。そこに次の時代の価値観であるところの競争が組み込まれて、スポーツが生まれました。  さて、AIが普及すれば、今度は人は頭脳労働から解放されます。もちろん考える仕事がゼロになることはないでしょうけれど、今より大きく減ることは間違い無さそうです。  それと連動して減るもの、それは話し合うことです。これまでの頭脳労働社会では話し合って決めることが仕事をする上で大きな割合を占めていましたが

          AI時代には考えることが娯楽になる

          エスカレーターで歩こう(第3弾)

           東京臨海高速鉄道りんかい線・大井町駅のエスカレーターには「駆け下りは大変危険です おやめ下さい」と書いてある。この表記、私には「エスカレーターでは歩け」と読める。  都営地下鉄新宿線の小川町駅のエスカレーターには「エスカレーター内の歩行は、思わぬ事故のもとになりますので、ご注意いただきますようお願いいたします」と書いてある。この言い方、私には「注意して歩け」と聞こえる。  りんかい線・大井町駅のホームも、都営新宿線・小川町駅のホームも、だいぶ地下深いところにある。だからエス

          エスカレーターで歩こう(第3弾)

          いっきに三角関数の微分と積分

           数学Ⅱの範囲が一通り理解できている前提で、いっきに三角関数の微分・積分までやってしまうためのプリントを作ってみた。A4用紙1枚に収まって、授業1コマ(50分)の半分でやってしまえる。授業の残り半分で「いっきに指数・対数の微分と積分」をやって、授業1コマで数学Ⅲの全貌をざっくり見てしまおうという試みだ。  ところで、以下の話には、教科書の説明と異なっている部分や、直感に頼って厳密さを欠いている部分がある。つまりザツ、念のため。 ◯ $${y=\sin x}$$ 上の各点での

          いっきに三角関数の微分と積分

          いっきに指数・対数の微分と積分

           数学Ⅱの範囲が一通り理解できている前提で、いっきに指数関数・対数関数の微分・積分までやってしまうためのプリントを作ってみた。A4用紙1枚に収まって、授業1コマ(50分)の半分でやってしまえる。授業の残り半分で「いっきに三角関数の微分と積分」をやって、授業1コマで数学Ⅲの全貌をざっくり見てしまおうという試みだ。  ところで、以下の話には、教科書の説明と異なっている部分や、直感に頼って厳密さを欠いている部分がある。つまりザツ、念のため。 微分とは まず微分の意味を確認しよう。

          いっきに指数・対数の微分と積分

          ▽ 哲学対話×AI

            ▷ 哲学対話とAIの共通項   ▷ AIに対する漠たる不安の正体は?   ▷ 問いを通じて人とAIが共に創る未来

          ▽ 哲学対話×AI

          エスカレーターで歩こう(第2弾)

           東京臨海高速鉄道りんかい線・大井町駅のエスカレーターには「駆け下りるな」と書いてある。正確に言うと、ある場所には「駆け下りは大変危険です おやめ下さい」と書いてあって、別の場所には「駆け下り禁止」と書いてあった。それについては先日、投稿 した。  さて、今度は都営地下鉄新宿線の小川町駅のエスカレーターで似たような掲示を見た。そこには「エスカレーター内の歩行は、思わぬ事故のもとになりますので、ご注意いただきますようお願いいたします」と書いてあった。この表記、私には「注意して歩

          エスカレーターで歩こう(第2弾)

          ▽ 4年ぶりの海外旅行はラオスへ

           2019年冬以来の2023年夏だから、ほぼ4年ぶりの海外旅行だ。実はコロナ前最後もコロナ明け最初もラオスだった。本当は ミャンマー に行きたいのだけれど、今しばらく行けそうにない。   ▷ 4年ぶりの海外旅行はラオスへ   ▷ ラオス中国鉄道に乗る   ▷ ラオスで感じた懐かしさを考える   ▷ ヴィエンチャン女子の祈り  コロナ前のラオスは こちら をどうぞ。

          ▽ 4年ぶりの海外旅行はラオスへ

          パスポート VOID 記念 (3)

           娘が15歳になって(2017年)、5年有効の3冊目のパスポートが切れて、これから4冊目のパスポートを作ります。娘は作夏に続いて今夏もフィリピンに語学留学に出かけます。その準備です。  1冊目のパスポート では海外旅行に9回出かけて、9回とも僕と一緒に、しかもうち7回は娘と僕の二人旅でした。ところが 2冊目のパスポート では一緒に出かけたのは5回に減り、二人きりの旅は1回だけ。そして3冊目のパスポートでは、以下のように一緒に出かけたのは3回で、二人きりの旅は語学留学の1回だけ

          パスポート VOID 記念 (3)

          北陸新幹線延伸で不便になった

           私の実家は福井県鯖江市。メガネ産地として有名であることはさて置いて、最寄りの鯖江駅は2024.3.15まではJR北陸本線の特急停車駅だった。ところが2024.3.16からは第3セクター・ハピライン福井になって、この路線は2両編成ワンマンの各駅停車しか走らない。特急が(上り・下りそれぞれ)ほぼ30分に1本停まっていた駅だったのに、いつなんどき無人駅になっても不思議ではない、そんな駅になった。  実家から鯖江駅までなら余裕で歩けるが、北陸新幹線の新駅・越前たけふ駅へはとても歩け

          北陸新幹線延伸で不便になった

          問いを通じて人とAIが共に創る未来

           オンライン・イベント「問いを通じて人とAIが共に創る未来」(2024.3.13)を企画・司会して分かったこと・考えたことを「私の視点で」まとめました。AI解説ならびに ChatGPT デモをしてくれたのはこんちゃん(近藤 昇久さん)、心理的安全性アンバサダーのメンバーです。 技術面で気づいたこと まず初めに、こんちゃんの解説で気づいたこと、並びにはっきり言葉にしてもらってすっきりしたこと。 人間の顕在意識と潜在意識、それとAIの関係  このことから「だからAIにできる

          問いを通じて人とAIが共に創る未来

          パスポート VOID 記念(2)

           先日(2012年6月30日)、娘のパスポート申請に行ってきました。今夏の旅行のための準備です。娘が生まれたのが2002年6月、ちょうど10歳になりました。これまでに5年有効のパスポートが2回失効して、これが3回目の申請です。  今日(2012.7.1)は、娘の2冊目のパスポートが VOID(失効)した記念に、この5年間の海外旅行歴をまとめてみます。   国     入国 ~ 出国   目的地  お奨め指数 ビザ 備考 インド    07/08/14 ~ 07/08/24 

          パスポート VOID 記念(2)

          哲学対話とAIの共通項

           私、勤務校で 哲学対話を始めました 。興味を持ってくれた生徒たち何人かと放課後に集まって、1時間ほど対話しています。  哲学対話とは「日常で感じる問いに対して、考えたことや感じたことをみんなで話し合うもの」で、街場では「哲学カフェ」と呼ばれたりもしています。対面またはオンラインで、幼児から老人まで、いろんなテーマで、行われています。  今日は私が経験しながら考えたことをお話しして、「哲学対話とAIの共通項」へと話を進めます。  さて、対話は「聞く」ことから始まります(私は

          哲学対話とAIの共通項