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Hello, デジタルネイティブ マーケター。DM使えてる?

おっ、キミか、ダイレクトメール(DM)について知りたいというのは。ようここを見つけたの。まあ時間は取らせないからちょっとゆっくりして行きなさい。だいたい、働き過ぎなんじゃよ普段から。

ここはな、おもしろDM研究所といって、巷のいろんなDMが日々届くんじゃ。それをな、DMには一家言あるワシ「DMセンセー」がブッタ切っていくんじゃよ。

この世には、良いDMもあれば、イケてないDMもある。キミにはその違いがわかるかな?

これが語れるようになるのに、そう時間は掛からんよ。ただな、理屈だけじゃダメなのよ。いろんな事例を具体的に見て、自分でも作ってみて血肉になるってもんじゃ。何だってそうじゃろ?

ワシをフォローしてその背中を見ておれば、違いのわかるマーケターになれるってもんよ。キラキラした横文字並べてイキってる連中もたくさんいるけど、さて、どんぐらいわかってるんじゃろうな。キミにはぜひ、”本物”になってほしいよな。


🟠紙のDMってオワコンじゃないの?

ワシのこと、みんなは「DMセンセー」と呼んでおる。ちょっと自己紹介しとこうな。知らんやつに偉そうに語られても、説得力がないもんな。

ただ、その前に、少々ダイレクトメールを取り巻く環境と、DMの価値について語らせてくれ。

ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングの世界にはもう20年近くおる。ダイレクトマーケティングってのは、DMに限らず、広告、メール、SNS、電話なんかも活用して、企業が直接生活者に物やサービスを販売・提供することな。

わかりやすいのは通販(物販)じゃな。昔は、通販なんていうと、怪しい物も多かったが、今や当たり前の世界じゃの。

ただ、ダイレクトマーケティングやってんのは通販だけじゃないぞ。Amazon PrimeやNetflix、ネットスーパー、保険、自動車販売、クレジットカード、ゲーム、アプリ…ありとあらゆる業種・商品のビジネスがやっておる。ていうか、ダイレクトマーケティングを一切やってないビジネスの方がすっかり少数派になったな。

紙のDMの価値

そんなダイレクトマーケティングの世界で、昔からブレずに活躍しとるのが紙のDMじゃ。時代とともにメールやらLINEやら、遠隔で情報を届ける手段が増えて、主流の座はデジタル媒体に譲っておるがな。今は今で、ちゃ〜んと生きとる。DMにしか果たせない役割と効果があるってことじゃ。

近頃じゃ、DMといえば、インスタなどの「ダイレクトメッセージ」だと思う人が増えたな。それくらい、デジタルコミュニケーションが生活に浸透しとるわけじゃ。

とはいえ、紙のDMなんてオワコン!となるかと思いきや、なんと、むしろ昔よりありがたみが増しているというから驚きじゃよ。

メールにLINE、ダイレクトメッセージ、会社にプライベートに...何でも金のかからんデジタルで大量にすっ飛んでくる時代。形や手触りのある紙のDMは、確かに金はかかるが、数が減った分注目度が上がっとるし、若い人なんか、自分宛に手紙が届いたことに感動しとるくらいじゃ。たとえ、ファッションブランドのセール案内でもな。

まあ、コミュニケーション手段なんてものは時代とともに変わって当たり前よの。もしかしたらキミもブラウン管テレビってのを見たことあるんじゃないか?今のテレビのなん倍も分厚くて小さく、映像もはじめは白黒だったんだから。だいたいが、スマホなんてものはワシが30歳超えてから登場したんじゃ。

そんなふうに手段は変わる。でも、企業と顧客のコミュニケーションの本質は、ビジネスというものが発明されて以来、なーんも変わっとらんのだよ。何かが欲しい人がいる。それを見つけて、叶える企業がいる。馬が合えば長く取引が続く。それだけ。

どんな手段で顧客と繋がるか、繋がるための最適な手段は何かというのは、企業の生命線だし、マーケターにとって重大な関心事じゃな。だからな、デジタルツールのことだけわかっておけばどうにかなるだろ、というのはおごりじゃな。

メールの限界

事実、コンシューマー向けのメールなんて、どんなに優秀なものでも、開封率は50〜70%が関の山じゃ。もっというと、メルマガなんて10〜15%なんてざらじゃよ。つまりな、どんなに凝ったメールを打ったところで、半分の人はそのメールの存在すら知らんのだよ。わかってる?

そもそも、メールにはまず、「パーミッションの壁」がある。「特定電子メール法」という法律で、「メール送っていいですか?」って聞かないとダメなんじゃ。ちゃんとやっとるか?それでOK(オプトインという)した人にしか送ってはいかん。この時点でメールを送りたんだけど「嫌だよ」という人が3割〜5割発生するんじゃ。その上で、さっき言ったように、送っていいよと言ってくれた人のうち、半分くらいしか開封してくれん。つまり、本当はメールでコンタクトしたい人のうち25%くらいしか、実際にメールを見ることはないわけ。どうじゃ、心細くなってきたじゃろ?

その点、DMは、まず絶対相手に届くわな。見てもらえるかどうかは届いてからの話じゃがな。「とりあえず相手の目に入る」威力の絶大さは、メールなど足元にも及ばん。


🟠DMセンセーのこと

CRMのプロじゃ

ワシはな、企業とそのお客さんが長〜く付き合っていくためのコミュニケーションのプロなんじゃ。CRM(Customer Relationship Management)とも言ったりするな。要するに、いかにブランドのファンとかロイヤルカスタマーを育てていくかがワシの仕事というわけよ。

思えば、DM全盛期から、デジタルが破竹の勢いでコミュニケーションメディアを席巻して主役を奪うのを目の当たりにして来たな。今では、メールなどのデジタル媒体とDMをうまいこと駆使しながら、コミュニケーションを綿密に設計して、効果検証しながら日々改善しとる。

これまで、健康食品や化粧品の通販企業から、最近流行のD2Cサブスクブランドまで、CRMを必要とするあらゆるブランドがワシの戦場じゃ。

実に面白いノォ、ダイレクトマーケティングの世界は。なんせ、脳味噌に汗かいて練りに練った企画で、どのくらいのお客さんが動いたか、数字で見えてしまうんじゃからの。派手なタレント使ったTVCM流して、商品が売れたら「俺のおかげ」ってやついるけど、本当?なんでそう言える?って質問には答えられんよな。ダイレクトマーケティングではそんなゆるさは良くも悪くも許されんのじゃ。この世界のクリエイティビティは数字で測られるんじゃよ。勝てば官軍、負ければ賊よ。

デジタル時代こそDMも使いこなせ

ワシはな、全日本DM大賞(日本郵政主催)や、世界最大のマーケティングアワード「ANA International ECHO Awards」でグランプリを受賞したり、審査員も務めた。世界中のいろ〜んなDMや、DMもデジタルも電波も活用したキャンペーンを見て、勉強してきたんじゃよ。DMに詳しいが、DMに限ったプロではない。デジタルコミュニケーションもやることで、よりDMの良さ、強みをクリアに理解して最大限活用しとる。その経験から、デジタルネイティブ世代のマーケターにこそ、その限界を理解して、紙DMについてもきちんと知って活用して欲しいんじゃ。


🟠キミのやるべきこと

良いDMとは?

さっきも言ったがの、この世には、良いDMもあれば、悪いDMもある。この良し悪しは、多くの場合「レスポンス率」という数字で判断される。レスポンス率というのは、DMを送った人のうち、何パーセントが反応してくれたか?を表す指標じゃ。DMは、送る相手に何かをして欲しいから送るわけじゃ。例えば、商品を買う、電話で問い合わせる、店に行く、QRコードを読み込んでWEBサイトにアクセスする、資料請求をする…といった反応じゃな。レスポンス率が高いものほど優秀な良いDMというわけ。

言っとくがな、綺麗でかっこよく作ればレスポンス率がいいと思ったら大間違いじゃぞ。人の心はそんな単純じゃない。いいな!と思うのはカッコイイ目を引くデザインかもしれない。でも、実際にその商品に金を出すかどうか検討する時には、ずっと冷静になろうとするもんなんじゃ。欲しいけど高い。衝動的に買ったら後で後悔するかも。この商品、本当に信じていいのか。天使と悪魔がせめぎ合うのは、キミも経験したことがあるじゃろ。そんな心理に、キミならどう働きかける?何を言って決心させる?

理論と実践

ダイレクトマーケティングが始まってから1世紀は軽く経っておる。その黎明期からDMは登場し、数々の成功と失敗からえた教訓を積み重ね、その手法は研ぎ澄まされている。デジタルマーケティングだって、そのノウハウの上に成り立っているんじゃ。「基本的に、こうした方がうまくいく」というセオリーはすでに確立されておる。だが、理屈が100%通用するならなんも苦労はせんな。現実には、商品、ターゲット、価格、時季、社会情勢などなどいろんな変数が絡み合っているからの。

だから、理論はしっかり理解した上で、一つ一つのケースごとに実験を行い、実地の知見を得ながら少しずつ改善を積み重ねていく姿勢がダイレクトマーケターに一番必要なことじゃ。

とはいえ、闇雲に実験するわけにもいかん。ビジネスには予算というものがある。限られたお金の中で、これならきっと相手を動かせるだろう!という可能な限り「筋の良い仮説」を立てて検証する必要に迫られる。

目を肥し仮説を立てよ

では、「筋の良い仮説」はどうしたら立てられるのか?

いろんなケースを見て引き出しを増やし、目を肥やすことじゃ。先人の事例に謙虚に学ぶことじゃな。自分が犯したかもしれない過ちを、誰かがすでに犯しているかもしれない。思いもつかなかったようなやり方を、誰かがすでにやって答えを出しているかもしれない。だから、ケーススタディはとっても大事なんじゃよ。

これからな、ワシがいろんなDMを紹介して、褒めたりダメ出ししたりしたる。それをよ〜く見るんじゃ。鵜呑みにはするなよ。参考にして、自分の頭で考えるんじゃ。時にはDMの受け手である一生活者として。時には、DMを作る担当者になった気持ちでな

わかったね。じゃ、とりあえずフォローするんじゃ。
あとは、個別の記事で待っとるぞ。





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