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そのサッカーを疑え!

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2021年12月の記事一覧

誰を選ぶか。どの名前を歴史に刻み込むか。「賞」の価値、権威、格式は選者の選択センスで決まる

誰を選ぶか。どの名前を歴史に刻み込むか。「賞」の価値、権威、格式は選者の選択センスで決まる

 2021年。スポーツ界を席巻した1番の話題は何か。アメリカの大手通信社=AP通信は、大谷翔平を今年最も活躍したアスリートに選んだ。その前の年(2020年)が大坂なおみだったので、2年連続日本人選手が受賞したことになる。日本のメディアではなく、アメリカの通信社から高い評価を得たことに何より価値を感じるが、全世界的にはどうだろうか。

 野球の認知度は欧州では低い。大谷翔平より、大坂なおみの方が勝っ

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選手交代5人制の時代に重宝する、左右両サイドでプレー可能なカンセロ的SB

選手交代5人制の時代に重宝する、左右両サイドでプレー可能なカンセロ的SB

 現在プレミアリーグで首位に立ち、チャンピオンズリーグ(CL)でも、ブックメーカー各社から優勝候補の本命に推されているマンチェスター・シティ。好調を維持するチームにあって、出場時間が最も長い選手はGKエデルソンになる。CLグループステージ最終週とリーグカップの2試合こそ、先発をアメリカ代表の正GKザック・ステッフェンに譲ったが、その他の試合(21試合)は出ずっぱり。最後尾を固める役を果たしている。

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バルサの敗戦に見る自前の組織で一流選手を育て上げる限界

バルサの敗戦に見る自前の組織で一流選手を育て上げる限界

 チャンピオンズリーグ(CL)グループリーグ最終第6週で、バイエルンに0-3で敗れたバルセロナは、あえなくグループステージで脱落した。本大会に出場しながらベスト16入りを逃したのは1998-99シーズン以来になる。

 それは、クラブの創立100周年にあたる年の出来事だった。その時、競り合った相手はバイエルンとマンチェスター・ユナイテッドで、この三つ巴の対戦は、実力伯仲のまさにスペクタクルな好ゲー

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権威あるバロンドールは人気投票に成り下がった? 時代に逆行するメッシの受賞

権威あるバロンドールは人気投票に成り下がった? 時代に逆行するメッシの受賞

 リオネル・メッシが通算7度目のバロンドールに輝いた。通算5度受賞しているクリスティアーノ・ロナウドに、受賞回数で水を空ける格好になった。「昨年(2020年)、選考が行われれば、ロベルト・レバンドフスキーが選ばれただろう」とメッシは受賞のスピーチで述べているが、筆者は今年、メッシが受賞したことに少なからず違和感を覚えている。

 以下は投票の結果、10位までに入った選手の顔ぶれだ。

 1位メッシ

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