見出し画像

Jリーグが、セ・パ両リーグの顔ぶれが変わらないプロ野球界から真似したいこと

 川崎フロンターレが2年ぶりの優勝を飾った日、プロ野球は日本シリーズの4戦目を迎えていた。サッカー業界の人はこの日に、3連勝で迎えたソフトバンクに日本一の座に就かれては、そちらに話題をさらわれてしまうとばかり、巨人に一矢を報いることを最大限、期待したと思う。

 ソフトバンクはその願いも空しく巨人に完勝。4年連続日本一に輝いた。巨人に対しては、昨年の日本シリーズでも4戦4勝だったので、2年で8戦8勝したことになる。

 また、パ・リーグ対セ・リーグの関係で言えば、2013年以降、パ・リーグの8連勝中だ。

 なぜソフトバンクは強いのか。なぜ巨人は弱いのか。話題は対戦した両者の関係のみならず、セとパの関係にまで発展している。なぜパ・リーグは強いのか。セとパの実力差は、なぜどんどん開くのか……

 ネットを眺めれば、そうした記事で溢れかえっている。評論家が様々な意見を述べているのだが、それに目を通すほど、そもそも論が頭をもたげてくる。

 セ・パ両リーグが、長年にわたりそれぞれのリーグに分かれて戦っていれば、何らかの隔たりや、偏りが出るのは当然ではないか。両リーグが均衡を保とうとすれば、通常のシーズンにおいて18試合行われている交流戦の数を大幅に増やすとか、各6チームの顔ぶれを毎年入れ替えるとか、Jリーグのように降格制度を設けるとか、何らかの手立てを講じる必要があるのではないか。

 しかし球団数12に対し、セとパという2つの枠組みに各6チームが分かれる現在の体制を見直すべきだとする、踏み込んだ声は聞こえてこない。手を加えるべきではない聖域。守るべきプロ野球文化と捉えているように見える。そう考えると、現在起きている議論が不毛の議論に聞こえてくる。

ここから先は

1,645字

¥ 140

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?