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サッカーに適したロシアの快適な気候が、弱者を有利に導く可能性

 ワールドカップの現地観戦取材はこれが10回目。偉そうで恐縮ですが、過去の大会と比較できる立場なので言わせてもらえば、今大会は面白い。いつものワールドカップに比べて格段に。そんな気がする。

 わかりやすい原因は気候だ。ロシアの6月は暑からず寒からず、ちょうどいい。避暑地のごとく快適なのである。モスクワで言えば、朝は15度ぐらいで少しひんやりしているが、日中は25度ぐらいまで上昇。そこそこ暑い。日没は22時ぐらいなので急にひんやりしてくることはない。半袖シャツ一枚では苦しいが、ニットのサマーセーターなんかがあると重宝する。ナイターを観戦するなら、用心のために薄手のシャカシャカ(ナイロンジャンパー)を持っていけば十分だ。

 例外は、ポルトガルとスペインが3-3の熱戦を繰り広げたソチぐらいだろう。ロシア屈指のリゾート地は、まさに夏という感じだった。しかし、それでも試合開始時間(ポルトガル対スペイン戦は21時)が迫ると、どこからともなく涼やかな風が吹き始め、ニットのサマーセーターが必要になるくらい落ち着いた気候になる。好試合が生まれる条件が整うことになったのだ。

 今大会に出場した選手の多くが普段プレーしている欧州の一般的な国々より、おそらく快適で過ごしやすいと思われる。選手のモチベーションにそれが繋がっていると想像される。

 アップ梅雨でジトジトしているに違いない日本に比べると、天と地ほどの開きがある。

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