ずっと泣いてたときのこと
小学校四年生のときに、私の一家は隣の市に住まいをうつした。築四十年近いぼろぼろのアパートから、ローンを一切組まずに、一軒家に引っ越した。
自分が、ついに転校生と呼ばれる人間になるのは、すこしおもしろかった。
ただ、隣の市に行っただけなのに、引っ越したところの学校の子たちはとても性格が悪い子たちだった。自分が今まで生きてきたコミュニティとは全くかけ離れた、ぎこちない冷たいところ。そういう印象があった。もともといたところでは優しく受け入れられていた自分ではダメなんだと思った。