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「へなちょこ」は、変なお猪口から生まれた。

へなちょこ。
「へなちょこ野郎」とか、「へなちょこプレイ」とか、良くない意味合いで使われますが、
最近はコンプラ的にあまり使われないかもしれませんね。
「へなちょこ社員!」とか言ったら、
即コンプラ委員会に通報されそう。。

辞書にもきちんとのってます。
「へなちょこ」w

《へな土でつくった猪口の意》未熟な人や役に立たない人をあざけっていう語。「あんな—に何ができる」

goo辞典

「へなちょこ」。実は明治時代の記者「野崎左文」達が言葉にしたところから、始まったとされ、
野崎さんが記事にしてます。

前号の「猪尾助の由来」といふ記事を読んでふと思ひ出した儘茲にヘナチヨコの由来を白状する。
それは明治十四五年の夏の事で当時風雅新誌の社主であつた山田風外氏とおのれ等四五人で同年神田明神に開業した今の開花楼に登つて一酌を催した。
其時銘々の膳に附けて出した盃は内部がお多福外側が鬼の面になつて居る楽焼風の気取つたものであつた。
是れは面白い盃だ先づ一杯を試みやうと女中に酒を注がせるとこは如何にジウジウと音がしてブクブクと泡が立つた。
イヤ是れは見掛によらぬ劣等な品物だヘナ土製の猪口だからヘナチヨコと呼ぶべしだと呵々大笑したのが抑もの始まりで、それから以後外見ばかり立派で実質の之に伴はぬものを総てヘナチヨと呼びヘナチヨコ料理屋、ヘナチヨコ芸者、ヘナチヨコ芝居などゝ盛んに此の新語を用ひたのが忽ち新橋の花柳界に伝はり又落語家円遊などが高座で饒舌るやうになつた為め終に東京一般の流行言葉となつたのである。
此のヘナチヨコなる語は今でも猶屡々耳にする事があるのに其の名付親たる当時の四五人の連中は過半故人となり活き残つて居るのは風外翁とおのればかりとは座ろに今昔の感に堪へぬ。

『集古』庚申第二号(大正9年4月25日発行) 野崎左文

へなちょこが生まれた「開花楼」には、
なんと!跡地の看板があります。

へなちょこ誕生の地

「へなちょこ」誕生の地にもなってるw
めちゃくちゃ、へなちょこな看板にして欲しかったけど、普通の看板。

「へなちょこ」は漢字で書くと、「埴猪口」
野崎さんが書いたように、埴土で作ったお猪口なので、埴猪口。
「へなちょこ」の起源は、変な「お猪口」だったんですね。埴土ってのは、粘土をたくさん含んだ土のことらしいです。

粘土(ねんど)を多く含んだ、水底にある黒い土。あら壁を塗るのに使う。

Oxford Languages

唐津焼は、土づくりから絵付けまで、
全ての工程を作家さんはやっていて、
どんな土がヤキモノに適した土なのか等、
土の特性を見極めるプロフェッショナルです。
唐津の街中で飲んでいると、唐津焼の作家さんによく出会うので、もしお隣に座る機会があれば、是非会話をして頂くのも、唐津観光の楽しみかもしれません。

ちなみに、僕もヤキモノを習ったことがあり、
まだへなちょこな感じですが、きちんとした土を選定して頂いたので、漏れはしませんw

めっちゃチカラ入ってるw
へなちょこw

唐津に旅行に行く時があれば、
料理と一緒に、使われているヤキモノにも興味をもってお話になると、もっと唐津が好きになるのは間違いないです!


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