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ひかりをとおす。

新習慣。
というほどでもないが、最近なんとなくしているのが
『耳に光を通す』という、ささやかなことで。


天気の良い朝。
さんぽの途中で、さんさんとしだした太陽に耳を向ける。
耳の穴から、耳の内に光を通すイメージ。

よく光が届くように、と首をカクカクと微妙にかしげたりしながら、角度を探る。
不思議と「ここだ」みたいなカチリ、とするポイントがあって、耳の底まで陽光が直通しているイメージが湧いてくる。耳の底が「きゅー」と目をすがめてるような。

自然と目を閉じてしまう。
じんわりとあたたかい。
シュワシュワと炭酸水が爆ぜていくような感覚。

言っても、片耳で5秒くらいの行動で、コレをすると詰まっていた鼻が通る!とかテキメンに良く眠れる!なんていう効果の実感はない。

だけどもなんとなく、耳を太陽にかざすようになった。
単に、耳に光を通している時間が心地よく。
耳の底に光を知らせるのが楽しい。
「明るいねぇ」と。


あと、不思議と味がしてくる。

4月の陽光はぼんやりとまろんでいて、耳に入れるとほの苦いような、テアニン的な甘さが口の中に広がってきた。

5月になって、陽光のボリュームが増えだすと、もっとクリアで、まさしく新茶みたいな味が口の中にしてくる。

(ような、イメージ)

*

耳の内を少し眩ませて、さんぽ道をすすむ。
「すこやかだ」なんて思う。

高架橋を登って、今日は富士山見えるかなーと西の方へ目を移す。
働く車たちが、脚元を流れていき、
登校する小学生たちのはしゃぐ声が聞こえてくる。


なんでもない朝の、ささやかなはなし。



-20230517-














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