見出し画像

木曜日、父は危篤状態に

お昼過ぎ自分の部屋にいると母が来て言った。
お父さんの病院へ行こうと。
先生から電話があったらしい。恐らく頭のどこかで出血したようだと。人工呼吸器をつける準備をしているが、家族の同意が必要なので来てほしいとのことだった。
急いで車を出し、母と病院へ向かった。
人工呼吸器をつけると、今後一生それに依存して生きていかなければならない。恐らく「ただ繋がれいている」状態になる。
私と母の意見は一致していた。
「人工呼吸器は不要です」

父の病室へ行った。
呼吸をするのがやっとで、意識はなかった。
シアトル郊外に住む姉と姪にビデオ通話で父の状態を知らせた。
父はわかっていないだろうが、みんなで泣きながら「お父さん」と声をかけた。
先生は今晩が峠だと言っていた。
とはいえ、出来る限りのことをしてくれた。
点滴、輸血、なんだかよくわからないけど色々。。。

2022年8月、東京はコロナ感染者が激増していた。
父に付き添うために先生は病院内での届を出してくれていた。
それと同時にアメリカからこちらへ向かうための手続きが非常に厄介だった。そのための必要書類も先生は嫌な顔ひとつせず書いてくれた。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?