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小学生でもわかるビジネス書要約〜FACTFULNESS編〜

こんにちは。おなつです。

久しぶりのビジネス書要約となりました。
前回:小学生でもわかるビジネス書要約〜新しい経営学編〜

今回は「世界を正しく見ることができる習慣」がつく本。
FACTFULNESSファクトフルネス(著:ハンス・ロスリング)

今更取り上げるのも野暮な名著かもしれません笑

世界を正しく見ることができる、なんていうといきなり壮大なことに思いますが、本書は人間が陥りがちな「10の思い込み」「勘違い」を例とともに提示し、事実(データ)をもとに本来の正しい情報を見る習慣をつける、という内容です。
日常生活や仕事など身近なことにも活きる視座を得ることができます。

さらにFACTFULNESSは
・ビル・ゲイツが、2018年にアメリカの大学を卒業した学生のうち、希望者全員にこの本をプレゼントした
・オバマ元大統領も絶賛
・世界で300万部突破
・日本では「中田敦彦のYoutube大学」で紹介後、85万部超と約28パーセントを占め、世界でトップの部数となった
など、国内外で確固たる評価を得た書籍ですね。

著者について

スウェーデン・ウプサラ市出身の医師、公衆衛生学者。
世界保健機構やユニセフのアドバイザーを務め、スウェーデンで国境なき医師団を立ち上げたほか、ギャップマインダー財団を設立した。
TEDトーク(あらゆる分野のエキスパートたちによるプレゼンテーションを無料で視聴できる動画配信サービス)は延べ3500万回以上も再生され。タイム誌が選ぶ世界で最も影響力の大きな100人に選ばれた。
2017年に他界。人生最後の年は本書の執筆に捧げた。

要約

FACTFULNESS :「事実に満ちている」 + 「状態」= データを基に世界を正しく見る習慣という著者の造語です。

第1章:分断本能 〜 「世界は分断されている」という思い込み 〜

分断本能とは、「世界は分断されている」という思い込みを生む本能です。

著者は何度も本書の中で簡単な3択クイズを出してきます。ちなみにチンパンジーの正解率は33%。
そしてどのクイズも、世界のエリート層の正解率はチンパンジー以下です。

たとえばこんな質問があります。

質問:世界で最も多くの人が住んでいるのはどこでしょう?
A.低所得国
B.中所得国
C.高所得国

ファクトフルネス 質問2

こちらの正解は….「B.中所得国」
ほとんどの人は「A.低所得国」と答えました。

日本や欧米などの高所得国は「先進国」。アフリカ・東南アジアなどの低所得国は「後進国」。人は様々な物事を2つのグループに分けたがります。
これが「分断本能」です

世界は「先進国」か「発展途上国」ではなく、4つのグループに分かれていると著者は言います。以下の図は2017年の所得ごとの世界の人口分布です。
1人のイラストあたり10億人を表しており、横軸はひとりの1日あたりの所得(USドル)となります。

4つの所得レベル

世界の人口を70億人とした場合、ほとんどの人が中間層にいるのです。

レベル1:1日2ドル未満【およそ10億人】
レベル2:1日2~8ドル【およそ30億人】
レベル3:1日8~32ドル【およそ20億人】
レベル4:1日32ドル以上【およそ10億人】

ファクトフルネス 質問3

ちなみに日本人はレベル4にいることになります。

《まとめ》
ここでは物事や人々を2つのグループに分断して理解しようとせず、大多数がどこにあるか探すことが大切、としています。

第2章:ネガティブ本能〜世界はどんどん悪くなっている」という思い込み〜

人間は物事のポジティブな面より、ネガティブな面に注目しがちです。

質問:世界の人口のうち、極度の貧困にある人の割合は、過去20年でどう変わったでしょう?
A.約2倍になった
B.あまり変わっていない
C.半分になった

ファクトフルネス 質問3

正解は「C.半分になった」。

極度の貧困率の推移(本書より引用)

長期的に見ると良い進歩が見られますね。

でも、ニュースやネットを見ていると、世界は悪くなり続けている、という思いになります。 ネガティブ本能により、悪い出来事の方がニュースになり、広まりやすいからです。

《まとめ》
ここではネガティブ本能をおさえるために、ネガティブなニュースの方が話題になりやすいと覚えておくこと・「悪い」と「良くなっている」は両立することに気づくことが大切、としています。

これは日常生活でも活かせそうですね。
「悪いニュースや出来事の方が広まりやすい」、と頭の片隅に置いておくだけでも日々の不安を軽減できそうですし、いらずらに混乱せず冷静に世情・世論を見つめることができそうです。

第3章:直線本能〜「世界の人口はひたすら増え続けている」という思い込み〜

Q:15歳未満の子供は、現在世界に約20億人います。国連の予測によると、2100年に子供の数は約何人になるでしょう?
A.40億人
B.30億人
C.20億人

ファクトフルネス 質問5
2100年の世界の子供の人数は?

正解は「C:20億人」。
1950年から上がり続けているグラフを見ると、私はAの40億人になる?と考えてしまいました。
これが真っ直ぐになるだろう、と思い込んでいた「直線本能」です。

なお、国連は、増え続けている世界の人口についても、2100年頃にはは横ばいになり安定すると予測しています。

《まとめ》
ここではグラフが真っ直ぐになるだろう、という思い込みに気づくことが大切としています。
直線のグラフはむしろ珍しいという事実を知っておきましょう。
S字カーブ・すべり台・コブの形やでこぼこのグラフもあります。事象を正しく見極めるには、直線本能による思い込みを振り払う必要があります。

例としては私の身長もそうですね。高校生までは右肩上がりでしたが、161cmからは一切伸びることはなく今に至ります。

例として適切か疑わしいグラフ

第4章:恐怖本能〜危険でないことを、恐ろしいと考えてしまう思い込み〜

人は「恐怖本能」を持っています。これは世界は実際の姿よりも恐ろしく見えてしまうという本能で、人間が進化する過程では重要なものでした。
恐れるものがあれば、自然と身を守ることができるためです。

ですがレベル3や4の国に暮らす人は、生活に余裕があり、自然の過酷さに身を置くこともないため、進化の過程で重要だった恐怖本能が足を引っ張ることがあります。

質問:自然災害で毎年亡くなる人の数は、過去100年でどう変化したでしょう?
A.2倍以上になった
B.あまり変わってない
C.半分以下になった

ファクトフルネス 質問7

私が選んだ答えは「A.2倍以上になった」。
これは日本という地震・災害大国に住んでいるからかもしれませんね。

でも世界の回答を見ても正しい答えはわずか10%以下。チンパン以下。

正解は「C.半分以下になった」。
100年前と比べると半分どころか25%、もちろん人口は100年で約50億人増えているので、ひとりあたりにすると6%となりました。

ですが、この変化についてメディアが報じることはありません。
むしろ、自然災害が起こるとニュースになったり、今は世界のどこにいてもSNSを通じて現地の状況を目にできるため、恐怖心が掻き立てられます。

他にも2015年に起きたネパール地震では10日間に9,000人が亡くなりましたが、同じ10日間で同じ9,000人が汚染された飲み水による下痢で亡くなっています。
この事実はトップニュースになりません。多くの人間にとって汚染水は危険なのに、わたしたちの恐怖本能が反応することもありません。

《まとめ》
ここでは「恐ろしいものには、自然と目がいってしまう」ことに気づくことが大切としています。
恐怖本能をおさえるにはリスクを正しく計算することが必要です。
「リスク = 危険度 × 頻度」と覚えておきましょう。どんなに危険なものでも、その頻度が低ければ、リスクは決して高くないことがわかります

第5章:過大視本能〜目の前の数字がいちばん重要だ」という思い込み〜

ユニセフによれば、2016年には420万人の0歳児が亡くなったそうです。
420万人の赤ちゃんの亡骸を想像してしまい、私はこの一文だけで衝撃を受けました。
でも著者は続けます。前年の2015年は440万人。2014年には450万人。1950年には1440万人。
もちろん0ではない状況に喜んではいけませんが、この変化を見ると世界はより良くなっている、ということがわかります。

2007年のダボスでおこなわれた世界フォーラムにてEU加盟国の環境相は「中国やインドは二酸化炭素の排出量を増やしている。現時点でアメリカや欧州よりも多い。」と言いました。
インドや中国の人からすれば、まあ腹の立つ物言いになります。
インドの論者はこう言いました。「100年以上にわたり石炭を燃やし、湯水のように石油を使ってきたのは高所得国の皆さん(アメリカ・欧州)です。地球温暖化の引き金を引いたのはあなたがたです。」と。
そして最後に「これからはひとりあたりの二酸化炭素排出量について語り合いましょう」と言いました。

そもそも国全体での二酸化炭素排出量で見ているのが間違いだったのです。
上記の環境相の言い分が正しければ、人口が500万人しかいないノルウェーの国民ひとりあたりがいくら二酸化炭素を排出しても許されてしまいます。

ひとつしかない数字を見かけた時はこう問いかけましょう。

・この数字は、どの数字と比べるべきか?
・この数字は、1年前や10年前と比べたらどうなっているか?
・この数は、似たような国や地域のものと比べたらどうなるか?
・この数字は、どの数字で割るべきか?
・この数字は、合計するとどうなるのか?
・この数字は、ひとりあたりだとどうなるのか?

ファクトフルネス 第5章

私が感じた身近な例だと、2020年から続く新型コロナウイルスの感染者数の情報。ニュースでは「今日の東京の感染者数は10,000人、先週より〇〇人も増えました。」といった伝え方をしていました。
日々増える数字に怯えていましたが、いつしかこう思うようになります。
「感染者とは別に、検査した人は何人いるのだろう?」と。
感染者( = 陽性者)がいるということはコロナの検査をした人がいます。

以下のように、同じ感染者数1万人でも検査数によって結果に大きな差が出ます。ですが、ニュースは検査数を日々報告することはありませんでした。

コロナ感染者の割合

この章では、ただひとつの数字が、とても重要であるかのように勘違いしてしまうことに気づくことが大切、としています。
過大視本能を抑えるには比較したり、割り算をしたり、さまざまな切り口で数字の意味を見出して見ると良いでしょう。

第6章:パターン化本能〜「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込み〜

パターン化本能とは、一つの具体例が他の全てのものにも当てはまるという思い込みを指します。パターン化は生きていく上で必要な思考ですが、これは誤った思い込みを誘発します。

パターン化の例としては「日本人は真面目だ」「女性は涙脆い」など。
最近の世論はむしろこういった偏見に反発的になりましたね。

当然、日本人には真面目な人もいれば、そうでない人もいます。
女性でも泣かない人もいれば、男性でもよく泣く人もいます。

「ひとつの例がすべてに当てはまる」という思い込みは物事への理解を妨げるだけでなく、重大な機会損失にもつながります。

著者の言葉がグサリと刺さりました。

そんな勘違いをしてしまうのは、頭の中「あの人たち」という分類があって、そこに人類の大半を押し込んでしまっているからだ。その分類にいる人たちの生活を、どんなふうに思い描いているだろう?(中略)
ニュースで見かけた極度の貧困をもとにして、人類の大半をステレオタイプに押し込んでしまっている。

ファクトフルネス 第6章より

《まとめ》
この章では、ひとつの集団のパターンを根拠に物事が説明されていたら、それに気づくことが大切、としています。
パターン化本能を抑えるには、今の自分がしている分類方法が正しいか疑ってみるとよいですね。

第7章:宿命本能〜「すべてはあらかじめ決まっている」という思い込み〜

宿命本能とは、持って生まれた宿命によって、人・国・宗教などの文化の行末が決まる、という思い込みです。
例えば「アフリカはこれから先も近代的な社会は作れない」。

余談ですが、私も物事が上手くいかないとき、「どうせ自分なんて」「こういう運命なんだ」と考えてしまいます。
これも同じ宿命本能です。

他の本能と同じく、この宿命本能は人間の進化の過程では必要でした。
違う環境に次々と身を移すより、今いる環境に慣れ、それが続くと考える方が生き残りには適していました。

ですが現代では、新しい知識を取り込むことをやめてしまうと、社会の変化に気づくことができなくなります。

質問:世界中の30歳男性は、平均10年間の学校教育を受けています。同じ年の女性は何年間学校教育を受けているでしょう?
A.9年
B.6年
C.3年

ファクトフルネス 質問10

なんとなくこの章まで読んだら「A.9年」だろうな…と思いました。
正解はその通り「A.9年」

アフリカやアジアでは学校教育をまとも受けられない少女がいる、というイメージが先行しているせいか、ヨーロッパでは正解率が20%以下でした。

《まとめ》
この章では、いろいろなものが変わらないように見えるのは、変化がゆっくりと少しずつ起きているからだと気づくことが大切、としています。
ゆっくりとした変化でも、変わっていることを認識できれば、宿命本能を抑えることができます。
毎年でも少しずつ変化していれば、いずれ大きな変化が生まれます。
知識をアップデートするために、自分とは違う世代の人と話をしてみるのも良いでしょう。

第8章:単純化本能〜世界は一つの切り口で理解できる」という思い込み〜

世の中のさまざまな問題にひとつの原因とひとつの解答を当てはめてしまう傾向を「単純化本能」と呼びます。

人間はシンプルなものの見方に惹かれる傾向があります。
例えば「平等」というシンプルな概念も、「格差」が問題の元凶であるという単純な考え方につながります。どんな場合でも格差はよくないし、資源の再分配によってなんでも解決できると思い込んでしまうでしょう。

シンプルに見えた結果すべての問題は一つの原因から生まれている、と勘違いしてしまいます。

もちろんひとつの切り口から見れば、あれこれ悩まなくて済みます。
でも、理解を深めるためには、ひとつの答えに賛成・もしくは反対するだけでなく、自分の考えに弱みはないか確認したり、自分の専門分野以外の情報をすすんで受け入れたり、意見が合わない人と話してみるのが良いのです。

著者は「子供にトンカチを持たせると、なんでもくぎに見える」ということわざを例に挙げています。
専門知識を持つと、誰しもそれを使いたくなりますよね。仕事でも、努力して得た知識・スキルに固執してしまう場面はあるあるではないでしょうか。
でも、専門知識だけで考えてしまうと、実際に効果のある解決法が見えなくなる時があります。専門知識だけでない、さまざまな目線が大切です。

《まとめ》
この章の最後にはなんでもトンカチで叩くのではなく、さまざまな道具の入った工具箱を準備しよう、と伝えています。
知ったかぶりをせず、自分の考え方を常に検証し、目の前の数字に疑問を持ち続けることが大切です。
この章を読んだとき、自分は常に、謙虚であるべきだ、と感じました。
自分の経験だけでなく、様々な分野の人の意見を聞き、物事を正確に見ていきたいものです。

第9章:犯人捜し本能〜「誰かを責めれば物事は解決する」という思い込み〜

何か悪い事が起きたとき、単純明快な理由を見つけたくなるのが、犯人捜し本能です。

例えばパイロットの睡眠不足が原因で飛行機事故が起きてしまった場合、パイロットの責任にしても次の事故は防げません。
問題解決には、睡眠不足を起こした原因、それを引き起こしたシステム全体を見直さなくてはなりません。

「会社が悪い」「国が悪い」「あの人が悪い」なども同じです。
また、「誰かのせいにしたい」というのは物事がうまくいっている時も、悪い時も働く本能です。

著者が「ガイジン病」という見出しで上げていた例。
近代医学が発達する前、人間の中で最悪の皮膚病は梅毒でした。
見た目も症状も悲惨なこの病気は、国によって呼び名が違いました。
ロシア:ポーランド病
ポーランド:ドイツ病
ドイツ:フランス病
フランス:イタリア病
イタリア:フランス病
その病気を持つガイジンがひとりでもやってきたら、みんなはよってたかって罪をなすりつける。犯人捜し本能は、国レベルでもあったのですね。

ガイジン病(梅毒の例)

《まとめ》
この章では誰かが(人じゃなくても)見せしめとばかりに責められていたら、それに気づくことが大切、としています。
犯人ではなく、物事の原因を探すこと、良い事態の時にも、ヒーローではなく、それを機能させてくれている仕組みに目を向けることが大切です。
優秀なリーダーだけでなく、その周囲に「普通の人」がいるからこそ今日の社会基盤が築かれている、と考えれば自ずと感謝の気持ちが生まれますね。

第10章:焦り本能〜「今すぐ手を打たないと大変なことになる」という思い込み〜

人間は目の前に危機が迫っていると、すぐに動きたくなるものです。
この焦り本能は、遠い昔は人間に必要なものでした。

現代の生活にはその焦り本能が、我々の理解を妨げる原因となり、プレッシャーとなり、時には正しい判断をできなくさせてしまいます。

質問:グローバルな気候の専門家は、これからの100年で、地球の平均気温はどうなると考えているでしょう?
A.暖かくなる
B.変わらない
C.寒くなる

ファクトフルネス 質問13

2009年当時、元アメリカ副大統領のアル・ゴアは、みんなが震え上がるような情報で地球温暖化を伝えないと、と考えていました。
著者は民衆の恐れを煽るのを嫌がり断ったそうです。

答えば「A.暖かくなる」。
地球温暖化は避けては通れない課題ですが、不安を煽り正確な判断を鈍らせるのではなく、正しいデータを見て適切な行動を取ることが大切です。

著者は問題から目を背けるべきではない、とも伝えています。
本書では心配すべき5つのグローバルリスクが挙げられています。

  • 感染症の世界的な流行

  • 金融危機

  • 世界大戦

  • 地球温暖化

  • 極度の貧困

特に1つ目の感染症についてはまさに的中です。
本書が出版されたのは2018年。新型コロナウイルスが流行したのは2020年からでした。
また、3つ目の世界大戦について。現在ロシアがウクライナへ侵攻してから1年ほどが経ちました。多くの国々がロシアへ経済制裁をおこなっています。

なんでもかんでも深刻に捉える必要はない。でも、何がいちばん深刻かわかっていれば少し冷静になれるかもしれません。
計測と評価を繰り返し、過激な行動に出ることはせず、でも、上記の5つのリスクには目を向けつづける必要があるとしています。

《まとめ》
この章では「いますぐに決めなければならない」と感じたら、自分の焦りに気づくことが大切、としています。
焦った時は深呼吸。データを見た上で、過激な行動・対策には注意しましょう。焦り本能は結果的に他の本能も抑えが利かなくなり、正しい分析や判断ができなくなるため、10の本能のなかでも特に注意が必要です。

最後に、10個分のファクトフルネスのルールを記載しています。

ファクトフルネスの大まかなルール(本書より引用)

本書を読み終えて

ただものごとをポジティブに考えるのではなく、データをもとに人間が陥りやすい思い込みを正し、ストレスや不安を軽減する、という手法が本書にはとてもわかりやすく記載されていました。

ネガティブになりやすい、良いことは感じづらい、自ら正確ではない情報や感覚を元に過度な不安を抱くことがいかに多いか気付かされました。
これに気づけるだけでも、気の持ちようがだいぶ変わると思います。

著者が伝える「世界はよりよくなっている」。もちろん、出版された頃の情勢とは大きく変わっているところがありますが、少なくとも悲観し続ける必要はないと感じられます。

著者は謝辞のページで約4ページ近くに個人・企業名を出して感謝を述べています。
私が読んだ本のうち、未だかつてこんなに多くの人への感謝を書いた謝辞はありませんでした。

謝辞の一部(本書より)

著者がすい臓癌を患い、余命いくばくもない中、命をかけて伝えたこの本は読み進めると心に訴えかけて来るものがあります。

まるで遺書のような一冊だと感じました。それも、これからの時代を生きる我々に向けた、どこかあたたかいものです。
思い込みを排してロジカルに本質的に考えようという内容ですが、逆説的に示される「世界はよりよくなっている」という内容こそ実は、著者が我々に強く伝えたいメッセージではないかなと、わたしは感じとりました。

ビジネス書として紹介はされていますが、ビジネス書の括りにするにはもったいないくらい、著者の愛を感じる一冊です。

さて、今年もペパボは採用を強化しています!
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ホスティング事業部は本拠地の福岡の他に私もいる本社のある東京・渋谷、最南端は鹿児島からのメンバーがいます。
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以上、おなつでした。
2023年もよろしくね。

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