夕飯の材料を買ってセルフレジで決済しようとしたところ、クレジットカードがないことに気がついた。財布の中のカード入れを見たが、いつもあるはずの銀色のカードがない。長財布のいつものカードポジションにないのだ。どこかに差し間違えたか、それとも落としたか。不安になったもののお店は混んでいるからずっと探しているわけにもいかない。いったん現金で払い、袋詰めした商品を車に運び、運転席に座って改めて財布の中をカード差しをくまなく確認する。やはりない。

家に帰って、今度は財布からレシートの束を引きずり出し、クレジットカードが挟まっていないか確認したが、やはりない。どこかのレジ端末で、カードを差しっ放しにしてしまったか。以前にもこうやってクレジットカードを紛失したことがある。1回、もしくは2回かもしれない。ただ、どちらもお店の人が保管してくれていたことをいいことに、わたしはきっと懲りていないのだろう。今回も親切な店員さんがカードを保管している可能性にかけることにした。最終利用はどこのお店だろう。カード会社のマイページで利用履歴をみるとホームセンターだった。買ったときのレシートをみつけて電話してみたが、「カードの落し物はございません」という結果だった。みんな結構カード取り忘れて、1日一件ぐらい落し物が…、と考えていたがどうやら違うらしい。しかも、電話口の方はなぜか「申し訳ございません。」と丁寧にお詫びをしてくれた。あっけなく見つかることを期待してしていたことが伝わってしまったのだろう。

となると、このお店の後にカードを使ったはずだが思い出せない。最悪の場合を考えてカード会社の紛失した場合を調べたところ、カード利用を見つかるまで一時停止にすることはできず、紛失として再発行されるようだ。カード番号も変わるらしく、となると各カード引き落とし会社への連絡が必要になるため非常に面倒になる。でも、カードで大金使われてしまったらどうしよう。不正利用はカード会社が保証してくれるが、カード会社に紛失の事実を速やかに伝えないと保証してもらえないらしい。電話しようか。迷いながら、それでも手がかりがないかと机の上にあるレシートを探すと、ホームセンターで買い物した同日夕刻に発行されたレシートがあった。「フェアで70スタンプ集めるのははなかなか難しいよね。」「いくらかかる？」と話のネタにしていたあのコンビニだ。思い出した。レジに購入商品を置いて、ポイントカードを財布からだして、ピッして財布にしまって、その後クレジットカードをだして決済端末でタッチ決済している間に、「袋につめなきゃ」と買い物袋を慌てて出して、7品ほど買った食料品を袋に押し込んだ後、レシートを受け取った。あの時、クレジットカードから手を離して決済端末の上に置き忘れたんだ。後ろに次の人の気配を感じて急いでいた。どうやら、「早くレジから立ち去らないと」というプレッシャーに弱いらしい。前も同系列のコンビニで忘れたことを思い出した。昼、たくさんの人がレジに並ぶコンビニだった。

お店に電話すると、「カードのお忘れ物がございます」とのことだった。カードを無くしても冷静に問い合わせしていくのに、レジ待ち客のプレッシャーには弱いんだな、私。新しい発見だった。