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地域に根付くサードプレイスビジネス

今回僕は松本に来て、栞日というブックカフェに来ている。

ここは松本にあるおしゃれなカフェであり、変わった本屋であり、スペシャリティ溢れる宿でもある。

松本の人にとってサードプレイスになってほしいという想いで始めた栞日だが、サードプレイスとしてビジネスを回すことも難しさを飲食店を経営している僕も痛感している。

居心地の良い空間を作ると回転率が悪くなるし、常連さんだけで新規の人が来にくくなる。
そんな中で中途半端なサードプレイスを作ってしまうと廃業への道まっしぐらになってしまうが、どうすればサードプレイスビジネスとして成り立たせることができるのだろうか?

今回は、栞日に来て感じたことをまとめてみました。

■サードプレイスビジネスに必要な要素
①スピンオフできる多層なストーリー
②独創的な調和的なデザイン
③パワーパーソン

■スピンオフできる多層なストーリー
マーケティングにおいてストーリーの重要性を語られることは多い。感動的で没入度の高いストーリーが人の気持ちを動かす。サードプレイスビジネスにおいてはそのストーリーの多様性と関係性が重要になってくる。

店主のストーリーが魅力的であることは当たり前である。しかし、そこからさらにスピンオフ作品を作れるくらいの豊潤さが必要だ。物件が持ってるストーリー、コンセプトが持ってるストーリー、商品が持ってるストーリー、遊びに来る人が持ってるストーリー。

どこを掘り下げても新しい物語が生まれるその世界は、気づけば没入してしまう魅力に満ちている。ストーリーが差別化になり、それぞれが持つ魅力をアップデートしてくれるのだ。

■刺激的な調和的なデザイン
人がサードプレイスと認めるようになるには居心地の良さを避けて通ることはできない。そして居心地の良さで重要になってくるのが空間デザインだ。

ただ安らぎだけを求めた空間でもダメである。安らぎと刺激、その両方を調和させた空間デザインである必要がある。さらにリノベーションの場合は元の変えられないものと新しく作るものの調和も必要になってくる。

栞日はどちらもできている。
壁面の多くを占めるモルタル壁はどことなく冷たく感じるが、凹凸から生まれる光の反射が、無機質なのだがどことなく生命的なものを感じる。

これは入り口側が前面窓貼りにしてあるおかげだろう。

また什器には古い物件に合うようなアンティークのものが使われている。しかし、あまりみないようなデザインのものが多い。これが刺激的でおもしろい。「これって何だろう?」とついつい見入ってしまう。

こうした刺激的で調和的なデザインが多くの人に居心地の良さを与えるのではないか?

■パワーパーソン
最後に、圧倒的なパワーパーソンである。
一番お客さんと接点を作ることができる店主が与える影響は大きい。

人を魅了するストーリー性、話しやすい雰囲気、また会いたくなる人間性など求めるものは多くなってしまうがそれほどまでにお店を背負って立つ人の責任は重い。

■最後に
以上三点が栞日に来て感じたことである。
この3点を抑えてサードプレイスを作ることができれば、余計な後方にお金を使うこともなく、常連さんと、その口コミ、まだメディア取材などで人が人を呼ぶ形となり経営が成り立つのではないかと思っています。

ありがとうございます!引き続き頑張ります!