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(公務員の仕事)予算要求の枠組み

これからいくつかの投稿では、令和6年度当初予算の要求作業を、順に振り返ってみたいと思います。
まず昨年10月頃、翌年度予算の要求指針が示されました。それによると、、、

島根県の場合は、予算が3つの枠に分かれていて、取り組みたいことを、この3つのいずれかの枠で予算要求をする仕組みになっています。
※他にも細かい枠ありますが、省略します


1.創生枠(島根創生推進重点経費)
 しまね創生計画という総合計画に基づいて、主な施策が行われています。
この創生計画に関連する重要な施策は、この創生枠で要求します。商工労働部では、産業振興策や観光振興策の多くが含まれます。わりと制約なく要求できますが、1案件ずつ査定されるので、必ずしも予算がつくとは限りません。

2.特別枠(特別需要経費)
 大規模な施設整備だったり、何年かに一度のイベントだったり、を行うとき、通常の予算ベースでは対応できないので、特別に要求する枠組みがあります。この枠は、この枠で要求してよいかどうか、実際の要求作業が始まる前の8月頃、事前に協議し決定されます。

3.部枠(部局調整枠)
 それぞれの部局にあらかじめ配分されている枠です。いわゆる「枠予算」の仕組みが取り入れられていて、この枠については各部局に基本的な権限があります。毎年必要となるような、施設維持のための予算や、一般的な旅費などもこの枠に含まれます。補助金やイベントなどのための予算も、多くはここに含まれます。枠の範囲であれば、既存の事業をスクラップしたら、その分、新しい事業を組み立てることができます。

4.作戦をたてる

 今年度と比べて、来年度の、新しい課題は何で、それにはどんな対応をするのか、などを考えて、

・それぞれの枠ではどんな要求をしていくか、決めていきます。

・特別枠は、多くの人が、確かにそれは特別な事情があるよね、と思うような事柄なので、どちらかというと議論の余地は少ないです。

・創生枠には、県庁の目玉事業がならぶイメージなので、部内でしっかり議論して、ふさわしい事柄を出します。

・部枠は、前例踏襲主義でやってしまうと、下手すると何も変えずに要求してしまうこともあり得ます。恒常的に必要な事業のための予算が存在するのも事実であり、それはいじれません。
 ただし、枠が与えられていて、各部の各課が自分の権限(裁量)で、事業の構築をできるというメリットがあるので、工夫のやりがいがあります。ちょっとした事業改善にための予算増など、この枠の中で、対応するイメージです。

こんな感じで、いろいろ考えながら、上司にも相談して判断してもらいながら、それぞれの枠に向かって予算要求していきます。

枠予算については、前回の投稿でも紹介した今村さんがいろんな記事を書かれてるので、ぜひ読んでみてください。

https://note.com/yumifumi69/m/m3128398729c9

最後に、島根県庁のサイトから枠の説明が書かれた個所を貼っておきます。

予算要求枠
1.個別調整経費
(1) 島根創生推進重点経費
令和5年度当初予算額(一般財源)相当の範囲内
ただし、新たな課題に対応する必要があり増額が必要な場合は令和
5年度当初予算額(一般財源)相当の10%増の範囲内

(2) 特別需要経費
部局調整枠で計画的に対応することが難しい大規模かつ臨時的な経費等で、別途認める事業については、所要額
なお、エネルギー価格・物価高騰対策については今後の状況や国の予算の内容を踏まえ、所要額


2.部局調整枠
令和5年度当初予算額(一般財源)相当の範囲内
ただし、賃金引上げに伴う労務単価の上昇などにより、物価が上昇していることを踏まえ、スクラップ・アンド・ビルドが困難な経常経費等については、令和
5年度当初予算額(一般財源)相当の3%増の範囲内

島根県庁サイト「令和6年度当初予算編成方針の概要」より



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