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星にさほど興味がないのに双眼鏡を買ったわけ

双眼鏡を買った。

シンプルにかっこいい…

月や星を見ること、写真を撮る(スマホでささっと)は好きだったけれど、星座や占星術などはわからない。

「あーきれい」と思うことはあれど、集中して観測したり、深い興味を持つことはなかった。

そんなぐらいの人なのに、なんで双眼鏡を買ったのか…というのが、個人的に初めての購入フロー…でとてもおもしろい!

双眼鏡、毎日使って月や星を見ています。


きっかけは、Podcast

好きで聴いているPodcastがある。「マンガのラジオ」という番組。

ニッポン放送の吉田アナウンサーが、漫画さんにインタビューをするという番組。まぁ、もう…とても勉強になる。

ぼくは音楽を作る仕事をしているけれど、クリエイターという立場、職業人という考え方…おそれいるというか、こんなことを聞かせてもらっていいのだろうか…ぐらいのレアな話、生々しい話をしてくださっている。

2024年2月(今現在)のゲストは「ちばてつや先生」で、現在進行形の神回。大御所から若手まで、幅広い人選なのも楽しい。シンプルに知見が広がるし、考えさせられるし、背中を押してもらえたりする。

吉田アナウンサーは「マンガ大賞」の発起人です。

ちなみにぼくの漫画好きレベルは…普通ぐらいです。好きだけど、どっぷりではない、一般人です。なので、このPodcastで新しい作品を紹介してもらえてとても楽しい。

双眼鏡を買った経緯

Podcastを聴く
→ 「チ。」という漫画に興味が湧き、単行本をポチる
→ 星に興味を持ち双眼鏡を買う

こんな感じで、ひとつのPodcastから、双眼鏡を買って、今とても楽しいというエピソードです。

双眼鏡を買ったきっかけ「チ。」

魚豊(うおと)さんという漫画家さんを知っていますか?ぼくは知りませんでした。

2021年7月のゲストさんです。4人目かな?その前が弘兼憲史先生…島耕作シリーズの方です。

魚豊先生、当時24歳。弘兼先生の次にこの方って、その時点でとてもおもしろい人選というか、視聴者の心をとてもくすぐる。

その魚豊先生の作品で「チ。」という漫画が紹介されていました。

15世紀ヨーロッパが舞台。「地動説」がテーマです。うん、とても短い作品紹介ですが、ここまでにしておこう。

これがもう…めちゃくちゃおもしろい!発想、史実、それにプラスした良い具合でのフィクション。全8巻なので、一気読み推奨。

地動説に興味はない

と、熱く書いてみたものの、ぼくは地動説に興味はない。ぼくにとって地動説とは「興味の対象ではなく、勉強しなきゃいけないこと」なのです。勉強は苦手な学生でした。

じゃあなんでこの漫画に惹かれたのか、果てに双眼鏡を買ってしまって、毎日使っているのか。

真実を追求して「疑う」ことが進化の始まり

これまで学校で勉強してきたこと、教えられてきたことって、間違いも多い。常識は塗り替えられていく、というかそれが人類の知恵というか、進化というか。

たとえばすごく世界が狭い話になるけれど、ひと昔前は「卵は1日1個」が推奨されていた。また「三角食べ」といって、主食、おかず、汁物…と三角形のように食べることが勧められていた。

でも今では、卵1日1個じゃなくてもいいとされてるし、ベジファーストが推奨されている。

ぼくは医者でも栄養士でもないので言及はできない。でも、常識は変わるし、研究は日々進んでいる、そしてそれが立証されて世の中に浸透するのも時間がかかる、という事実を確認した。

この着眼点にくらった

「チ。」を読んで「疑うことの大切さ」について考えさせられました。もちろん、なんでもかんでも疑ってたらしんどい。でもその疑うという行動はネガティブではなくて、ポジティブに。

これ、もしかしらこうなんじゃないか…

って考えると、なんだかワクワクする。常識やルールはある程度必要だけれど、柔軟にオーダーメイドで自分の価値観や考え方、行動を変えることも大切。それを、声を大にして叫ぶかどうかは難しい判断だけれど。

双眼鏡を買ってみて

これまで月や星をなんとなく見てきたけれど「チ。」のおかげでちょっと観察してみるようになった。

でも、ぼくは視力が悪い。うん、もっと見たい。

そう思って、双眼鏡を買ってみた。今って、双眼鏡って安いんですね。7000円弱。いきさつは人それぞれだけど、とても良い買い物をしたし、娯楽を見つけたって感じです。

この景色は共有できないから素晴らしい

noteで書いておいて、これだけおすすめしても「双眼鏡で見た景色は共有できない」というのがとても良い。

良い景色を見たら、写真撮ってSNSで共有したくなる。けれど、双眼鏡越しの景色や感動は、共有できない。写真撮れないから。

もちろん、良いカメラを使えば拡大して撮影することもできるけれど、目の前の双眼鏡越しの世界は共有できない。

今の世の中は、すぐに共有することができる。それはそれで良いけれど、それに縛られすぎてしんどくなっちゃうこともある。良い景色を見たら、条件反射で「映えそう…」などとよぎることも。

だから、絶対に共有できないアイテム、感覚の物って、とても貴重なんだなと思った。ま、感想とかはバシバシSNSで呟いてるけれど。

このおもちゃ…充電しなくていい

双眼鏡は充電しなくていい。「当たり前やん」って思うかもしれないけれど、デジタルまみれで仕事したり遊んだりしてるぼくにとっては、とても革命的。現代っ子かよ。

充電しなくていいってことは、さっと取り出して、さっと使えるということ。

遊びというよりは、休憩に近い。画面見すぎたなーって時ほど、双眼鏡越しの世界が身に染みる。いや、目に染みる。あ、染みはしないか。

充電しなくてもいいデバイス(といっていい物か…?)って身近にあんまりないなぁと、本とかは別かな。

脳を休ませる特効

現代人は「マインドワンダリング」って状態が続いてる…と言われています。

マインドワンダリングは、目の前の出来事でなく、過去や未来に思いを巡らせている状態を指します。ぼんやりと心が彷徨っている状態であり、「心の迷走」とも呼ばれています。

MELON

多くの人にとって,ひとつのことに集中し続けることは難しい。授業中や仕事中,運転中でさえ,いつの間にか余計なことに思いを巡らせてしまう。私たちは起きている間の実に30 – 50%もの時間,このような思考のさまよい=マインドワンダリング(mind wandering. wonderingではないことに注意)を経験しているらしい

日本心理学会

たくさんの方がこれなんだろうなぁって思います。考えることがたくさん。

普通に生きて暮らしていても、たくさんの情報が入ってくる。YouTube見て暇つぶししよ〜って思っても、広告でめっちゃ現実見せさせられたり、物欲を刺激されたりする。

と、そこに吠えても仕方がないので、自衛するしかない。

実はこれ、すごく悩みでした。考えることが次から次へと。年齢を重ねるごとに増える。さらに、1日中パソコンやスマホを使って仕事をしている。

双眼鏡で月や星を覗くと「そこしか見えない」のです。

月しか見えない、星しか見えない…要するに、言葉は悪いけれど「邪魔者がいない」んです。目の前には星しかない。それ以外はシャットアウトされてる。

さらに、集中するから他のこともあまり考えない。だからすごく頭が休まるんですよね。これは、買ってみて体験してみて初めて分かったこと。思わぬ副産物というか、おかげさまでこのために使っている時もあります。

あ、もちろん人によると思うので「脳疲労取ろうぜ!」ってアピールではありません。

心が躍る買い物とは

買い物って、必要だから、便利そうだから買う、という行動パターンが多いと思う。広告や口コミで気になって…お店で衝動買いをして…ということも。

あるいは、ストレス発散でついいらないものを買ってしまったり。

どんな買い物も、良し悪しは決められない。それは個人で決めることです。

でも、今回の自分の買い物の行動パターンは、個人的におもしろいなぁと気付きました。だって、吉田アナウンサーも魚豊先生も、ぼくに双眼鏡を買わせるためにPodcastを配信したわけじゃないでしょう。笑

こういった、なんという巡り合わせみたいな、もうご縁に近いかも。良い体験をしたなぁ、良い買い物をしたなぁと思っています。

#買ったわけ

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