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魔法使いチャイコフスキーとその魔法

新年のご挨拶

 あけましておめでとうございます。
 今年も音楽同攻会を何卒よろしくお願いいたします。

 音楽同攻会の再建が開始されてから、およそ1年が経過いたしました。1年間、試行錯誤の繰り返し、上手くいったこともあれば、なかなか上手くいかないこともある1年でした。新生音同も2年目に突入です。昨年中は大変お世話になりました。

記事のご紹介

 年明け一本目の記事は、今回初の寄稿の会員によるものです。学生オーケストラに所属する会員が、昨年にあったチャイコフスキー特集演奏会で感じたこと・考えたこと・回想したことを書いてくれています。是非、ご一読ください。

魔法使いチャイコフスキーとその魔法

私はオーケストラのサークルに入っており、バイオリンを弾いています。そのサークルで行う12月の演奏会で、「オールチャイコフスキープログラム」を行うこととなりました。演目は、交響曲第5番、眠りの森の美女の抜粋、くるみ割り人形の抜粋です。私は昔バレエを習っていたこともあり、幼いころからバレエとともにチャイコフスキーの音楽に慣れ親しんできました。私の好きな二つのチャイコフスキーのバレエ作品を今回演奏会で実際に自分が演奏することができることに喜びを感じています。チャイコフスキー自身は「くるみ割り人形」を失敗作だと感じていたようです。しかし、子供のためのバレエであれだけすぐれた作品がほかにあるでしょうか。子供だけでなく、大人も子供の持つわくわくした気持ちを思い出させてくれる、そんな作品だと思います。「くるみ割り人形」の冒頭部分の音楽から、観客はクリスマスのわくわくした雰囲気に引き込まれます。「くるみ割り人形」を見る観客はチャイコフスキーの音楽の魔法にかかってしまうのです。それほどこの作品は魅力的だし、これからも魅力的であり続けるのだと思います。「眠りの森の美女」のローズアダージオの部分は、これでもかというほどに優雅です。くるみ割り人形の舞踏会のシーンについてもそうだし、眠れる森の美女についてもいえることだと思いますが、チャイコフスキー自身が裕福な育ちだからこそ、きらびやかなバレエの世界を表現することができるのではないかな、と考えました。

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 いかがでしたでしょうか。
 元オケ団員としては、オールチャイコフスキープログラムは羨ましく思います。個人的には交響曲第5番も好きなシンフォニーのひとつで、いつかは乗りたい曲目のひとつです。
 「くるみ割り人形」の醸し出すクリスマスの高揚感はもはやチャイコフスキーにしか出せない味のひとつであると私自身も思います。筆者の会員には共感の言葉しか語りえません。「眠れる森の美女」のローズアダージョについても言及されていました。会員は「優雅」と表現していましたね。似たようなムードとして、やはり交響曲第5番の第3楽章が挙げられることでしょう。当該楽章のワルツは、聴衆を舞踏会に招き入れるような錯覚をもたらしてくれます。まさにチャイコフスキーの「魔法」と呼ぶべきものでしょう。チャイコフスキーの上品な調べが、きっと筆者の胸を打つ温もりだったのでしょう。そしてきっと筆者は演奏しながら、チャイコフスキーに魅了されながら、チャイコフスキーが催す舞踏会へと招かれていたのでしょう。

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