「とりあえずサンプル上げてください」

今の会社に入ってよく聞くなあというワード。笑

うちはメーカーなんだけどお客さんからサンプル代を頂戴していない。まあ多いと思うけど小ロットだと対費用効果としてどうなん?ってめっちゃ思うんだよね。営業は売り上げしか見てないから気にしてないんだと思うし、お客さんもサンプル代がないから気軽にサンプル依頼してくる。(くれる)

それはいいんだけどその依頼は私が咀嚼して仕様書を起こして生地を選んで、中国の担当者が市場からサンプル着分を取り寄せ、現地のパタンナーが型紙を作り、サンプルルームにいる上手な縫い子さんが縫ってくれるんですよ。

はい、ここまで4名。釦ついてたらまた2人ぐらい増えるね。

そして運送屋のオニーチャン立ちが運んで飛行機に乗って日本に届き、また運送屋のオニーチャンが運ぶんですよ。

手間暇かかってるんですよ。10日ぐらいかもしれないけど。とりあえずで依頼していいものなのかと常々思います。

私は専門学校でパターンを専攻していた。自分で手引きで型紙を書いて、トワルを組んで、修正して、工業用パターンにして、仕様書を書いて、サンプル縫製をして(時間を計って)そこではじめてその課題は提出されたことになるクラスにいたので、この「とりあえず」のめんどくささをめちゃめちゃに知っている。毎日ヒィコラ言いながらやってたんだもの。

簡単にドロップされちゃうんだけどね。それが嫌で退職することにしたんですけどね。あほらしくて。だって私の書いた仕様書ゴミになるんだぜ?言っちゃなんだがパターン勉強してたからある程度ターゲットの写真見たらサイズ感はわかるし仕様もがんがん書くし、ファーストサンプルでファイナルコメントなんてままある。なんでドロップって「コストが~」とかでしょ。いや先にじゃあ見積とれよ。出してくれるよ。枚数出してくれたら。

飛行機の燃料費も、サンプル着分の残反だってあるし、ぜんぜんサスティナブルじゃないんだよ、とりあえずでUPするサンプル。

ファストファッションの衰退は目に見えているけど、きちんとした商品構成を考え、出来る限りドロップ品番を減らし、無駄のない商品企画をしているブランドやセレクトしか生き残れないと思っています。これはアパレル全体に言えること。そういったことを踏まえて私が退職するのは今の会社のやっている畑のビジネスモデルに魅力を感じないと思ったから。

余談だけどふたご座の私は流行りものというか時の流れにすごく敏感なのは星占い界ではよく出る話でして。退職した会社はよく廃業する。たぶんこのいまやっているロスだらけのやり方もダメになるでしょうね。誰かが大事に売りたいと思った1着、繕ってでも長く期待1着じゃないと先はないよね。

とりあえずでサンプル上げてる商品企画音痴の人はビジネス書から読んだ方がいい気がしてますヨ。インスタグラムばっかり見てないでさ。



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