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余り③ -余白をデザインする

こんにちは。
OneSelFの佐藤です。

2週連続の台風も過ぎ去り、さらに秋めいてまいりましたね。

金木犀の香りを嗅ぐとグッと秋が深まりますね。

金木犀の香りは私の統計では6:4でやや苦手な人が多い印象です。
#佐藤統計調査2022

私自身はこの季節産まれということもあり、この匂い、結構好きです。

そして、この匂いを嗅ぐと急に焼き芋を焼きたくなります。

#焼き芋と金木犀

では今日も本題に入ってまいりましょう。

振り返り

前回、前々回と綴ってまいりました「余り」シリーズ。

効率化・標準化の歴史から余りを考察し、余りを分類したりしてみました。

現代は余りの中でも「余白」「無駄」「不足」よりもピッタリの方が求められているようです。

このピッタリ、無駄がなく、効率的でゲシュタルト的にも気持ちが良い。
#ゲシュタルト的という新語

一方で、余裕なく、人が介入する余地がない、むしろ思考停止を助長している可能性もあるな、と。

ということで、今回は、敢えてデザインする余白、をテーマに綴ってみたいと思います。

余白のメリット

まず余白をデザインする前に、余白のメリットを整理しておきます。

余白のメリットを挙げるとするならば、以下の3つの順序かと佐藤は考えます。

自由→思考→主体的

ではその流れを簡単にさらっていきます。

自由

まず余白が生み出すものは「自由」です。
特に選択の自由は大きなところかと。

例えば空間的な余白があったとして、そこに物を配置するのか、そこを空間として空けておくのかは、自身がやりたいように選択できます。

例えばスケジュールに余白があったとして、そこに仕事を入れるか、ゴルフを入れるか、ゴルフを仕事と呼ぶかは自由なわけです。
#最後は関係ない

この自由は個人に裁量を与えます。

逆に言えば、空間的な余白がなく、ここは”絶対に”机、ここは”絶対に”椅子、ここは”絶対に”テレビと決められていれば、そこに個人の裁量はないはずです。

もちろん、最初から全てが決められていた方が楽ですよね。
考えなくていいですし。

ただ楽と楽しいは違うんですよね。

人間、楽な方に楽な方に流れたくなります。
これはエネルギーを温存する遺伝子が関連していると言われていますが、実は楽なところは意外と楽しくなかったりします。

それは自分に裁量がなく、選択権もないからです。

思考

先ほどの空間的な余白に物を配置しようと思ったときに、何を配置したら良いだろう、誰が喜ぶだろうと考えることができます。

これこそが余白の魅力かと。

大変ですけどね。

大変ですけど、個人の行動特性が出るのはこの部分です。

この部分がなくなってしまえば、いわゆる「誰でもできること」になってしまう。

これは意外と面白くないものです。

「誰でもできること」はテクノロジーに任せたいところです。

そして思考して選択して実行した先には、責任が生まれます。

意識しようがしまいが、その選択をしたのは自身なので。

主体的

責任と聞くと何か嫌な印象があるかもしれません。

責任を押し付けあったり、責任から逃れたり。

なんか押しつぶされそうな印象ですよね。

でも、意外と悪者ではないんじゃないかと佐藤は考えます。

責任が取れる、ということは、どうにかできる力があることと同義かと。

自身ができること、影響を及ぼせる範囲が増えることを意味しますよね。

だから、責任をとって辞める、は責任をとってないんではないかと思います。
ま、今の世の中は許容されないケースが多いので。
#寛容

そんでもって、色んな制約や影響がありますが、自身の人生の責任者はあくまでも自身でいたいものです。

こうして自身の裁量権を拡大することで、主体性は拡大されるのではないかと思います。

OneSelFはその社名通り、主体性を非常にとてつもなく大事にしています。
一方で、「主体的になれ」とは決して言いません。
その言葉によって、主体的は殺されてしまうので。

実は主体的かどうかは、その人自身より、その環境に余白があるかによって変わってくるのかもしれない、と佐藤は考えています。

余白をデザインする

さて、では実際に余白をデザインしていきましょう。

「余白なんてデザインするものじゃないんじゃね」と思われる方。
確かにそうです。

が、ピッタリが奨励される現代では、余白は自身で導き出さなければならないケースも多々生じているかと。

なので僕が思う余白のデザインポイントをあげていこうと思います。

と、その前に余白の定義についておさらいしておきます。


「余白」

空白の量- 多い 空白の感じ方- 丁度えぇ

空白はある程度多いんですが、その空白の感じ方が丁度えぇ量です。

この余白は伝えたいことを強調することもできますし、自身の考えも尊重され介入できる猶予も生み出せすことができます。

そして、人によっての丁度えぇが異なるので、バランスが難しい、という特徴も持っています。

白でもなく、黒でもなく、グレーです。

結論から言うと、個人的にはこの「余白」が空白におけるベターな在り方だと思います。


というのが、僕の定義でした。

余白をデザインする、とはつまり「丁度えぇ」を創る、ということかと思います。

そして、この「丁度えぇ」は個人差があるので、デザインするのは実はとても難しいです。

個人個人にパーソナライズすればベストですが、もはやパーソナライズはピッタリを目指してるやないか、と矛盾していきます。
#思考の堂々巡り

なので、僕なりの解は「柔軟性をあげる」ようにデザインしていくことかと。
つまりはある程度の幅を持たせて、そこに個々の思考の余地を産むことが大事かと思っています。

では、そんな余白をデザインするポイントを3つ。

量を調整する

器を大きくする

強調する


具体例

少し分かりづらいので、具体例を交えながら綴っていきます。
結構課題点なんかも赤裸々に綴ります。

僕自身はマネージャーなので、場やシステムをデザインすることが多いですが、今回は余白が出やすい場やシステムをデザインしていきます。

今回は「予約枠」という視点から。

僕たちの会社では、ユーザーとある特定の時間に約束をして、トレーニングを提供するというサービスを主に提供しています。

つまりは時間の過ごし方に対して対価をいただく、というようなビジネスモデルです。

なので、結構この時間の捉え方は重要です。

単位時間あたりの質を如何に上げられるかが、直接ユーザー満足度につながります。

そんな時間を約束するのが予約枠です。

僕たちの予約システムが通常のトレーニングジムと異なり、少し独特のシステムなので簡単に解説すると、僕たちのサービスはカウンセリング&カラダチェックとトレーニング指導の2つに大きく分かれています。

そして、その2つにそれぞれ役割分担してスタッフが配置されています。

順番としてはカウンセリング&カラダチェックの後にトレーニング指導役の人に引き続くといった流れです。

このカウンセリング&カラダチェックの時間で予約を取るのですが、現状は15分間隔で予約を取っております。

そしてカウンセリング&カラダチェックの所要時間は15分です。

はい、ピッタリです。

この間隔では1時間あたり4名のユーザーにご活用いただけます。

そしてこれ頑張ればいけるんですが、結構余裕がありません。

カウンセリング&カラダチェック役のスタッフはカウンセリング&カラダチェックに、トレーニング指導役のスタッフはトレーニング指導に徹する感じになります。

お互いがやっている仕事も見えにくいので、フォローし合うことが難しいケースも出てきます。

このケースでは「思考」する余裕がなく、今に集中することに精一杯な状況です。

いかがでしょうか。
現状のサービスをより良くしていくためには、少しの「余白」が必要そうです。

ということで、1時間あたり3枠、ユーザー一人当たり20分に調整しました。
これで一人当たりのユーザーに対するカウンセリング&チェック時間15分に対して5分の余白ができました。

この余白を活用して、お互いの仕事を把握し、思考することで、相互フォローが促進され、サービスの質向上を図っていこうとすることです。

これが一つ目のポイント、量を調整する、です。

一方で、1時間あたりの枠数を減らすと、ユーザーと約束できる時間数が減ってしまいます。

これでは本当の意味でサービスの質向上と言えるかは疑問です。

ということで、今度はスタッフの人数を増やすことにしました。

そうすることで枠数の減少を補うことができます。

これが2つ目のポイント、器を大きくする、です。

一人で背負わなくて良い、ということですね。

これにより一人ひとりに「思考」の余地が生まれ、その中で自由に選択できる幅が生まれました。

ただあくまでもビジネスです。

枠数を減らして、人を増やすことは当然コストが上がります。

そうすると料金設定を変更しなければなりません。

結構シビアな問題です。

サービスの質と対価は絶妙なバランスで保たれているのがベストです。

サービス過多になれば事業者の、対価過多になればユーザーの負荷が大きくなります。

このバランスを保つために事業者は色んな想定を踏まえて、試行を繰り返し、絶妙なバランスを模索します。

そして、これらを考えたときに、最終的にたどり着くのが
「僕らが何を大事にしたいのか」ということです。

僕たちは馬鹿高い高級なトレーニングを提供したい訳ではありません。
#高級なトレーニングとは
かといって、素人に毛が生えたトレーニングを提供したい訳でもありません。
#素人に毛が生えたトレーニングとは

僕らは専門的なトレーニングを、もっと身近にして欲しい訳です。
その上で最高の自分史を刻んでいって欲しい訳です。

それが実現できる範囲で絶妙なコストバランスへと改定する必要があります。

このように余白には本当に大事なことを強調できる特性があります。

何が重要なのかを強調すること、これが余白のデザインのポイント3つ目です。

いかがでしたでしょうか?

具体例を交えて綴ってみましたが、そんなに難しいことを綴っている訳ではなく、至極当然なことかと思います。

余白をデザインする、という難易度はそんなもんかと。

ただ簡単だからこそ、やるかやらないかで、生活の中での窮屈感や余裕は大いに変わってくるんじゃないかと佐藤は考えます。

『それ、本当に必要ですか?』

余白とはまさに『選択と集中』なのかもしれませんね。

終わりに

余りを3回にわたって考えてみました。

現代では余り、特に余白がどんどん無くなってます。

標準化・効率化が進む世界では「余白」はこれからさらに貴重になります。

自身の介入する余地を残すことが、今後の人の価値そのものを上げていくことにつながるかもしれません。

是非、あなた自身の丁度えぇを。

最後までお読みいただきありがとうございました。

OneSelFの佐藤でした。


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