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記憶のカイダン 4歳〜5歳

ー4歳〜5歳ー

◆ジンベエザメ号◆
作品展か何かの行事でグループのお友達と一緒に作ったもの。材料は段ボールとガムテープと絵具と紐とコロコロ(動く椅子の下にあるコロコロ)だった。
中に5人は入れる代物で、小さな体で段ボールを組み立て、青や白に塗り上げていく作業がなんとも楽しく、出来るまでの過程からとてもワクワクしていたのを記憶している。
人と協力して何かを作る。そして出来上がったそれは、園中の人気モノとなり、園の祭りでも乗せて乗せての大行列。
先生が紐で引っ張ってくれて、園庭を駆け巡る。
ジンベエザメ号は小さな丸い穴以外は全て塞がれているのでまるで宇宙船のような、冒険にいくような、そんな特別な感覚を抱かせた。

◆じごくのそうべえ◆
じごくのそうべえは上方落語を絵本にしたもの。当時、園の劇でじごくのそうべえをやることになり、笑えるしハラハラするし大好きな絵本だったのでとても嬉しかった。
その頃、目立ちたがり屋の恥ずかしがり屋というこじらせモードの私は主役は嫌だけど、花を添える役にはなりたい!あ、でも結構笑わせないといけないシーンやちょっと汚いセリフもあったりするから役選び難しいわあ…
と人知れずものすごく悩んでいた。
そこで私は途中から登場する「歯医者さん」の役に立候補した。
他の役より少しスマートで鬼の歯も抜いちゃう歯医者さん。
地獄の鬼に食べられてもお腹の中、歯医者、医者、軽業師、山伏4人で力を合わせそれぞれの得意技をもって地獄の鬼に立ち向かう。
手に負えなくなったエンマ大王さんに放り出されて生還する…というなんとも冒険心とユーモア溢れる内容で、劇の練習も小道具づくりもみんなで一緒にやることがとっても楽しかった。

◆スカートめくり◆
今、スカートめくりなんてしてる子いないよね…?当時はスカートめくりは男女とも一種の遊びのような感覚でやっていた。
人気の男子にスカートをめくられるということは一種のステータスみたいなもんで、そしてスカートをたくさんめくられるということは、その子は男子から人気がある!という風潮もあった。多分に漏れず女子の私も嬉々としてスカートを履いて通園していた。
でも女子は「もうーーーやめてーやーエッチ!!!」と心底アホで幼稚な男の子に嫌気が差している…という演技をしないといけないのだ。
恐るべし女子。

◆泥団子と初恋◆
誰もが通った道、泥団子作り。雨上がりの園庭は泥団子作りに最適。
水たまりの近くのねちゃねちゃ土を見つけては集まり、せっせとくるくる。乾いた土をまぶしてまたくるくる。だれが一番輝いているか、誰が一番ピカピカきれいな泥団子が作れるか。私も一番になりたくてそれはそれは必死の形相でくるくるくる。
最後は小山を作り団子転がし大会。
団子作り仲間の一人の男子A君。まつげが長くて堀が深く異国間漂う色気をまとったA君。THE男子!とは程遠く、前述のスカートめくり集団からは一線を画す存在。そんなA君が私の初恋の相手。
裏庭があって、自由時間に2人でさんかく座りをしてお話しする。集団の中から離れて2人きりの空間を楽しむ。クローバーの絨毯みたいな場所で、一緒に四葉のクローバーを探したり…。
そんな初恋のA君は年長になって転校していく。
漫画に出てくるようなストーリー。甘酸っぱい保育園時代の思い出。

------つづく--------

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