暖簾に腕押し、あの子は遠し

中学2年生。

暖簾に腕押し、あの子は遠し

中学2年生。

最近の記事

막걸리(暑い)

私は韓国語を勉強している。 韓国語は楽しい。まず、日本人に馴染みのある外国語の中では、数少ないSOV型の言語である。S(主語)のあとにO(目的語)が来て、その後にV(動詞)がくる。本当はSOV型の言語は世界にたくさんある(らしい)んだけど、いわゆる"メジャーな外国語(日本人にとって)"の中にはSOV型はあまりない(と思う)。 あとおもしろいのは、韓国語には3つのタイプの子音があることで、その区別が日本語話者には半端なく難しい。発音することも難しいし、聞くことも難しい。でもお

    • 何もしないから少し休もうか(本当に)

      私のLINEのプロフィール画像は、マスクをした全く知らない人の顔。 なんとなく私に似ているのだけど、私ではない。 自分でも捻くれているのは理解している、つもりである。 外ではマスクを外している人を多く見かけるようになった。 そりゃそうだ。実体の見えないウイルスは、はっきりとそこにあるジメジメの前にひれ伏すしかない。 多分去年の今頃も言っていたし、来年の今頃も言っていると思うけど、夏は急にやってくる。急にやってきすぎ。急にやってくるものランキング堂々の1位。 暑くなるのは分

      • 君は刺激的〜

        ユキとカフェに行った。 メニュー表を見ながら、「この蜂蜜って国産のやつにグレードアップできます?」って言ってたのがおもしろかった。 逆だろ、アップグレードだろ。 カフェオレとパンケーキを受けとり、席に着く。 蜂蜜がキラキラと輝く。ただその輝きは国産だからでは決してない。アルゼンチン産でも輝いていたと思う。 「ちょっと待ってて」と言いながら被っていた帽子を椅子に置き、ユキはトイレに向かった。 ユキは普段からよく帽子を被っているのだけど、理由は「寝癖を直すのが面倒」だかららし

        • あけおめ松屋

          あけましておめでとうございます。 正月に松屋に行きました。 注文したやつが届いたので食べてたら、おじちゃんが食券買って隣の隣の席に座りました。でも店員さんが気づかなかったから、おじちゃんはずっと券を持ったまま座ってました。 多分、声量的に届くか届かないかギリギリの距離に店員さんがいて、おじちゃんはなかなか勇気を出せなかったんだと思う。 結局、店員さんは気づいたんだけど、ああいうときに自分から声を出せる人になりたいなと感じた正月でした。 ことよろ。

          ふと思ったこと

          「自撮り」の「自」って「自分で」って意味だけと、「自分を」と間違う可能性があるので、「自撮り」ではなく、「自で撮り」に改名すべき。

          隣の芝生が青いことに気付いてもなお

          3時間目の数学が終わった後、「頭いい人って羨ましいよねー」とミエが呟いた。 たしかに羨ましい。でも、それはその人が頑張ってるからだと思う。自業自得の逆バージョン。私が勉強できないのは自業自得。 ただミエが、 「でも勉強を頑張ってるのはすごいことだけど、ちゃんと頑張れる人間になれるかどうかって、別にその人だけの問題じゃないと思うんだよね」 と言っていて、これにも「確かに」と思った。 家で親がいつも読書しているような家庭に生まれた子どもは読書をするようになるだろうし、親が子ど

          隣の芝生が青いことに気付いてもなお

          風吹けば焼肉

          学校から200mぐらい離れたところに焼肉屋さんがあるのだけれど、そこの焼肉屋さんはとてつもない量の煙を道路に向かって排出している。いつも歩道を歩いていると、あー焼肉食いてえーってなる。 今日は風が強かったから、煙が風に乗って学校の正門までやってきた。すごく焼肉が食べたくなった。 家に帰って、「ごはんなに?」と母に聞くと、「炊き込みご飯」とおっしゃられた。 焼肉とは対極にある食べ物だけど、おいしいから結果オーライ。 ちなみに、わたしの家では、炊き込みご飯の日は必ずうどんが

          5秒ルール 2.0

          アメリカでコメンテーターや講演家として活動しているメル・ロビンズさんが考案した『5秒ルール』をご存知だろうか。 何かを克服したい時、何かを決断しないといけない時、「5、4、3、2、1、」とカウントダウンし、何も考えずに行動する、というものである。 私はとてつもない先延ばし屋である。 学校の宿題も絶対に夜中にやるし、夏休みの宿題なんかは夏休みの最終日に全部やる。 もちろん、先にやったほうがいいのは分かっている。しかし、無理。絶対に無理なのだ。 そんなときに出会ったのが、この

          葛藤

          コトミが、 「この世で1番の葛藤を見つけた」 と言っていた。 「なに?」と聞くと、 「図書館。図書館で荷物を置いて座るじゃん。で、その後に本を取りに行ってなかったことに気づくの。その時に、荷物を置いて本を取りに行くか、荷物を持って本を取りに行くか。」 と神妙な面持ち。 「私は持って行くかな」と言うと、 「でも超重いカバン持ってるんだよ。なんなら2つ。2つも重いカバン持ってるんだよ」 と、2つも超重要な情報を後付け。 まあ正直、それなら荷物は置いて行く。 コトミは、 「ま

          青信号、誰も渡らなかったら怖い

          なんか今日はミエが一日中怒っていた。 「インスタとか見てたらさ、『中3から勉強し始めればいいと思ってるあなた!大間違い!すでに手遅れかも!』とか言って私たちの不安を煽ってくる塾の広告とかあるじゃん。あれほんとムカつくんだよね。不安を煽って金稼ごうとするのってほんと愚かだよ。人間のやることとは思えない」 と、かなり怒っていた。 確かに、お金を稼ぐ稼がないに関わらず、そういう不安を煽る系の広告やツイートなどはよく見る。 「私もう一生塾なんか行かない!決めた!ていうかインスタ

          青信号、誰も渡らなかったら怖い

          美人

          週末に大阪に行った。 電車に乗ったとき、斜め向かいに座っていたお姉さんがすごく可愛かった。 美人だった。 タイトな黒のトップスに、黒のバルーンパンツ。 美人は黒がよく似合う。 「来世は美人に生まれたいですか?」と聞かれれば、「え、もちろん…」とキレ気味で答えると思う。 けど、私は特に容姿にコンプレックスがあるわけでもなく、決して可愛いわけでもない。 まあ、別にこれでいっか、というレベルである。 ちなみにミエはかわいい。 ただその可愛さをすべて無かったことにするぐらいの変

          おじぎ

          狭い歩道を歩いていて前から自転車が来たら、私は少し広い場所に立って待つようにしている。通り過ぎるときに自転車に乗っている人がおじぎをしてくれると、私も「礼には及びません」という意味を込めておじきを返す。 むかつくのが平然とした顔で通り過ぎる人。なんなら私だけがおじきしてるときもある。 ていうかもっと歩道を広くしてほしい。

          本末転倒

          お昼ご飯を食べているときにミエが、 「私、流行を発信したくて。この学校のインフルエンサーになりたいんだよね。」 と言っていた。 「流行って例えば?」 と私が聞くと、 「うーん、まあ流行語だよね。で、実はもう考えてて。なんの変哲もない、略して【なんてつ】。なんてつなトランプがあります、みたいな。」 となんてつじゃなさすぎる答えが返ってきた。 マジシャンなめんな。ていうかマジシャン以外だれが使うんだよ。 そしたら、 「それマジシャン以外使わなくない?多分流行んないよ」 と、

          〇〇音痴

          今日はユキとふたりでカラオケに行った。 私はとんでもなく音痴なのでカラオケには行きたくないのだが、ユキも私に負けず劣らずの音痴なのでOK。それに私たちは好きな歌手も似ているのでシンプルに楽しい。 歌い疲れてジュースを2人で飲んでいるときにユキが、 「なんで運動音痴って"音痴"ってワードが入ってるんだろうね。音関係ないのにね。」 と言っていた。 たしかに、と思ったので調べてみると、やはり音痴は正しい音の認識や発声ができないことという意味であったが、そこから転じて、感覚が鈍い

          三人寄っても

          ミエがお昼休みに、 「お嫁さんになりたいなー…」 と呟いていた。 「なんで?」と私がきくと、 「なんか、お嫁さんってすごくいいと思うんだよね。"お嫁さん"って響きが。奥さんでも妻でもなく"お嫁さん"。はあ、結婚したい」と答えた。 するとコトミが、 「でも"嫁"って女に家って書くんだよ?嫌じゃない?」 と言った。 「専門家かよ!!」 というよく分からないツッコミをして、ミエが笑った。なんとなく私とコトミも笑っておいた。 その後、誰が1番先に結婚しそうかという話になった。

          あの子はラジオ

          放課後にユキがラジオを聴きながら、 「昨日のメガネびいきおもしろかったね」 と話しかけてきた。 私はラジオが好きで、ユキもラジオが好き。 1年の時にユキとは同じクラスで、そのときからラジオの話をするようになった。 ユキがクラスでの自己紹介のときに、 「ラジオが好きです。ラジオの良いところは映像がないから、映像を見れないところです。」 とバカみたいなことを言っていた。 私は話しかけようか迷ったけど、意外とおもしろい人なのかもしれないと思い、話しかけてみた。 「メガネびいき