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肺炎になって考えたこと

Introduction

肺炎になりました。

胸部X線写真を見ながら医者が「肺炎ですね、これは」と伝えられ、自分も肺炎になったんだぁ、としみじみ感慨深いものがありました。今まで肺炎にはかかった記憶が無いけれど、実はよくある病気で、中には気づかず風邪薬飲んでカイシャに行き、そんなこんなで治る人もいるという肺炎、今日は生まれて初めて肺炎になったホットな経験から、少なくとも私自身は今後に覚えておきたいことについて下記まとめることにしました。

肺炎にかかったときの法則

その1、肺炎はあとから「肺炎になっています」と言われる

なんか熱があって咳も出てという状態で医者に行ったら「今、けっこう夏風邪流行ってますからね」という言葉に続けて「ウィルス性の風邪だと思われます」という診断になって「では咳止めと熱冷ましの薬、それに頓服の頭痛薬出しておきます」となりました。このウィルス性というのはどういうモンなんだろう?が釈然とせず、インフルではなかろうか?と一応質問したら、インフルは症状が違うというような話しなので、違うウィルスなのかと安心したところでその日は診察終えて帰りました。

薬を飲んでも熱は上がり3日後には39℃を超えてきましたが、医者は土日お休み。しかたなく月曜朝にフラフラで再診したら「悪化しましたか!」とまた診察してくれ、念の為にと撮影した胸部X線写真を見て「ああ、ここだ!肺炎だ」と、発病からほぼ5日後、熱は峠の頂上を超えたかどうかぐらいのタイミングになってX線写真に「肺炎の白い影」が出て分かるんだ!!ということが今回分かりました。

発病初期段階では分からないらしいから、肺炎は後からつく病名で、風邪の強いやつみたいな位置づけらしい。

その2、「肺炎」と聞くと、みんなひく

今秋はいろいろボラ活仕事があった週だったけど、この肺炎騒動でみんなキャンセルしたけど「肺炎になったので」という説明書きを付けたら異口同音に「休んで!あとはなんとかする」と、すごく協力的で有難かったです。

ひとりも「ちょっとだけでもダメなの?」とか言う人いませんでした。それだけ病名の知名度と重大な、あたかも命にかかわるような・・・みたいなイメージのパワーが強い病気なんだと思いました。

宅配も雑談するからこちらも「肺炎にかかって・・・」と言ったら「失礼しました・・・」みたいにスグ走り去って行きました。もしかしたら肺炎は移るからヤバイ!と思われているかも?実は自分でもそんな気がしていましたが、ネットでググって知らべるとインフルエンザみたいにやたら空気感染はしないみたい。とは言っても咳するから飛沫から移るのかもしれないけど。小学校でもインフルみたいに警戒する対象にはなっていない模様です。

その3、この歳になると「それ誤嚥じゃないの」とか言われる

じっさい何で今年は肺炎になったのかまるで原因らしいものが分からないのだけど、私はきっとこれはマイコプラズマ肺炎なんじゃないか?と考えてググってみた。潜伏期が2種間ぐらい!ということはその直前にマレーシア旅行に行っていたから「あのときかぁ!!!」と、すっかりそう思い込んだ。しかし「この病気は40歳未満の比較的健康な人がよくかかり・・・反対に高齢になるとかかりにくい・・・」みたいな説明もネットにヒットしたのが少々気になったけど、たぶんこれは!と思っていた矢先、知人が「・・・それって誤嚥じゃないの?w」みたいなライン送って来て『・・・そうかも』と少し意気消沈した。マイコプラズマは若者の象徴、誤嚥は老人の肺炎という差別化がひろがりそうです。

高熱がもたらす「幻覚」は、美術館なみの作品?

これがけっこう楽しかったので書いてみます。

肺炎特有じゃないけど、肺炎は40℃近い熱が出るので、そうなると能のどこかがオカシくなって幻覚が見えるみたい。私の場合はそうで、以前のインフルのときにも見ましたが、今回の幻覚はそれよりも素晴らしいものでした。私が見た幻覚は39℃超えぐらいの高熱中に目を閉じるとスグに、勝手に想像もしないものが見えてくるもので、まさに虚像で、目を閉じるとスグに見える「夢」みたいなものではないかと思いました。

今回一番感心した幻覚は・・・みかけ中世ヨーロッパの街の裏路地、石畳の道には荷馬車があり、その横の店石造りの店には並べられた野菜がいろいろ箱に盛ってある。その上の方にある箱が傾いて中からジャガイモが、いくつもいくつもピンポン玉が跳ねるようにコロコロ道路まで転がって落ちてゆく様子がベッドで目を閉じた瞬間に半動画な幻覚が現れた。勿論そんなの見たことも無いし想像も空想もしたこと無い。驚くことにその転がったジャガイモはどこまで転がるのだろう?と思った瞬間、動画幻覚の逆戻りが始まって、ジャガイモが跳ねながら野菜の山を駆け上がって次から次へと箱に戻り、最後に傾いた箱が立ち上ってしまった。その画質?はあまり鮮明ではなくて、少し小さいサイズのテレビを見るような感じで、しかも色彩はフルカラーでもないけど、絵?の細かさは美術館に飾ってある絵画のレベルでした。

他にも、ヨーロパの鉄道の、中央駅のような大きなターミナル駅に列車が入って行くのをその列車の運転席から眺めたような、ゆっくり動く動画幻覚も鑑賞しました。これもまったく予期してものでなく、トイレから戻って寝たら始まったもので、これは線画みたいな荒いタッチの幻覚の作品。

こんなようなものがいくつもいくつも数えきれないぐらい目の前に(正確には脳内の視覚情報を処理する部分のどこか)に出現するんです。高熱が出るととても怖い夢を見ることがあるのは私は子どもの頃から経験していました。自分の真横に地球よりも大きなモノが並んでいて押しつぶされるような怖い夢なんですけど、今までそういう怖い幻覚だったものが、見て楽しく鑑賞できて、しかも全然予期していない、まさに奇想天外なものが見られることが分かりました。

昔、僧侶が山にこもって絶食して修行すると、意識朦朧で生死を彷徨うという段階で悟りを開くのは、健康極限状態での脳の特殊活動が理由ではないか?のような話しを聞いたか本で読んだかしたっことがありましたが、40℃という肺炎の熱は、そうした効果の一部が垣間見られるということかとも思いました。

またひとつ、死ぬ練習をしたことになった

10歳年上の友人から「60歳過ぎると今までやったことない病気して生死を彷徨うようなことがある、アレきっと、死ぬ練習ってことなんだろう」って最近聞いたのですが、確かに以前のインフルにかかったときはベッドの上で身動きもできないほど意識が遠のいた。これが第一回目の死ぬ練習だとしたら、それから約3年経って、今回は第二階死ぬ練習の日だったのでしょうね。

前回はベッドの上でひたすらじっとして耐える練習、今回は「眠れない夜中の過ごし方」がどうもテーマだった模様。

肺炎は咳が出るし、痰もその度に出るから、必ず起きて痰を吐きにトイレまで行かなきゃならない。咳は今も昼も夜も出っぱなし、もう咳が本格化して5日も経つのに。痰は昨日までがひどかった。だから夜中もぐっすり眠ることなんか諦めて、咳が出たらトイレ、こういう反復死ぬ練習をしていました。ほんとにこの眠れない日がいつまで続くんんだろうと思うと、生き地獄っぽいムードも漂っていました。

一方、夜の寝室は孤独な場所です。肺炎は、今回自覚したけど高熱の割に体は動ける病気なんだなぁ、と思いました。だから看病は要りません。ひとりでできます。咳が連続している時間はヒマじゃないけど、おさまってくるとまた眠ろうとするんだけど、なぜかこんどは眠れない。今眠らないと!と焦ると余計に眠れない。そういう場合は気分転換に起きるのがいいのかもしれないけど、枕を足元側に置き直して、寝る方向を逆にすると気分転換できて眠りにつける場合があることを今回知りました。足と頭を反対にするわけです。今回の死ぬ練習では、上述の2つの経験を得られましたけど、また次回の練習では別の経験があると思います。

まとめ

もし風邪ひいて熱が39℃の声を聞きそうになったら、医者で「先生、念のために胸部レントゲン写真撮ってくれませんか」と積極的に尋ねることをお薦めします。そうでないと、上述したような幻覚鑑賞会やトイレのお百度参りが長くなってしまいます。いちど肺炎の診断となれば、これはもうウィルスでななくて細菌の仕業になるようで「抗生物質」が処方されます。

これを3日間服用すれば合計一週間は体内で効果を保持するので、私の場合は2日前から飲み始めて、今日は朝から平熱で推移しています。だから、熱が出て2日目ぐらいの、肺炎が少し進行してX線写真にややハッキリ肺炎の「白い影」が写り込むだろう!という頃合いを狙って、先生に積極的に聞いてみるべきだと思います。


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