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海外ドラマのもう一つの楽しみ、懐かしい再会!

英語リスニングと娯楽を兼ねて、海外ドラマ鑑賞は私の日常に欠かせない。エピソードの豊富さやドラマとしての質の高さなど、海外ドラマの魅力は数多くあるが、私にとってマイナーな楽しみの一つとして、思いがけない俳優さんたちとの再会がある。

先日も「あっ!」と思わず声を上げるような再会があった。
お気に入りドラマの一つ、 "Unforgettable"で、娘を誘拐されて憔悴している富豪の父親役の俳優に記憶が反応した。
「えっ!?も、もしかして、アンドリュー・マッカシー!?」
ストーリーを追うのを辞めて、画面を一時停止。できるだけアップの場面を探して確認作業に入る。
数年、いや数十年ぶりの再会だったりすると、面影あれど重ねた年輪の深さが確信を鈍らせる。似ている。。。でも、ちょっと雰囲気が違う?ちょっと老け過ぎ?

最後の答え合わせは、冒頭、またはラストに流れるテロップの出演者名。
主演級の俳優名が流れた後、guest starring (ゲスト出演)の紹介に入ると、まばたきを止めて注視する。大物ほど後から And~で紹介されたりするので、最後まで気が抜けない。
And..Andrew McCarthy…. 先日もこの文字が目に入った瞬間、
「やっぱり!!」
記憶が正しかったことが証明されて歓喜した。そして、父親役の、渋くてすっかり年齢を重ねた彼を見て、時は流れたんだなぁ~、としみじみ。。。
アンドリューと言えば、若者たちの青春ストーリー『セントエルモスファイヤー』や、スターシップの『愛はとまらない』の主題歌でも有名な、ロマンティック・コメディ『マネキン』の、ちょっとコミカルな演技が光る、甘いマスクのイケメン。思い出をたどりつつ脳内カムバックタイムに浸る。

ザ・青春映画、”セントエルモスファイヤー”
アンドリューは1列目右端
アンドリューは左端
”マネキン”

少し前に再会を果たしたのは、ハリウッドの大物俳優アンディー・ガルシア。何のドラマだったか。。。割と重要な1話限りの脇役として登場。
彼も、すっかり年を重ねて渋い『おじさん』になっていた。それでも、私の「あっ!」は、かすかに残る面影に即座に反応した。

アンディーと言えば、小柄だけど鋭い眼光と抑えた演技で、強烈な存在感を放って記憶に刻まれている。アル・パチーノと少し重なるところがあるけど、騒々しい役柄が多かったアルより、寡黙な印象のアンディーの方が私は好みだった。キューバ系アメリカ人のアンディの、深みと神秘性あるたたずまいに魅せられた。
代表作は『アンタッチャブル』『ブラックレイン』、そして何と言っても
ゴッドファーザーPARTⅢ』。

劇場で酔いしれた、男くさい作品の数々が懐かしく脳内上映される。
あの大物アンディーが、名の知れない脇役として出演していることに、少しだけ淋しさを感じつつ、一人脳内上映会を閉じた。

”アンタッチャブル”
左端がアンディー・ガルシア
”ゴッドファーザーⅢ"
アル・パチーノとのツーショットは圧巻!

昨年、懐かしい再会を果たしたのは、私の大好きな俳優だった!
映画『メンフィスベル』で一目ぼれしたD.B.スィーニー
多分、ドラマ『キャッスル』の中で、1話限りの刑事役だったと思う。(記憶がおぼろげ)
全体的に少しふっくらしてかっぷくが良くなっていたが、すぐに彼だと気付いた。テロップでの答え合わせの後、20年ぶりくらいの再会にすっかり高揚した。

第二次世界大戦中、ナチス・ドイツに対する白昼爆撃を任務としていた米軍の爆撃機”メンフィス・ベル”の、若い乗組員たちの葛藤や苦悩を描いた実話、映画『メンフィス・ベル』は、今思い返しても、ストーリー、キャスト、すべてにおいて上質な作品だったと思う。
故郷に帰るまでの最後の任務、25回目の飛行を前に、不安におしつぶされそうになりながら、自分たちを鼓舞するために移動中のジープで全員で合唱する"ダニーボーイ”の、胸にしみたこと!
俳優として出演していたジャズシンガー、ハリー・コニック・Jr.の美しく伸びる歌声が、運命に逆らえない当時の若者たちの切なさや悲哀を、いっそう引き立てていた。

D.B.スィーニーは、この作品で初めて存在を知った。
役柄としては小心者で陰キャラでネガティブ。多分、戦地には彼みたいなビビりな青年も数多くいたに違いない。
視界が悪くても、とにかく爆弾を落として任務を終えようっ、と血走った眼で無理やりスイッチに手をかけようとして、担当の乗組員ともみ合いになる場面は、見ていて呼吸をするのを忘れるくらい緊迫感に満ちていた。
そんな彼がラストに向けて見事に人格変貌を遂げていく。。。
無事、帰還した時、私は完全に彼に恋をしていたのだった。

”メンフィスベル”
D.B.スィーニーは赤いストールを首から下げている若者

海外ドラマでの思いがけない『かつてのハリウッド映画のスターたち』との再会は、胸の奥にずっと眠っていた、星砂みたいなときめきのかけらたちと、もう一度引き合わせてくれる。愛おしくて甘酸っぱいモーメント。。。

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