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ロエベの顔Tシャツはロバート秋山さん特許の内容に似ているのか?検証してみた。

*2022.2.2 修正/追記*
<タイトル修正>
修正前:ロエベの顔Tシャツはロバート秋山さん特許を侵害しているのか?検証してみた。
修正後:ロエベの顔Tシャツはロバート秋山さん特許の内容に似ているのか?検証してみた。
<追記>
注:秋山さん特許は日本の特許権であるため、仮にロエベが外国で似た内容のTシャツを実施していたとしても、当該特許権の侵害にはあたりません。それをふまえつつ、単に「秋山さん特許の内容と比べて似ているのかどうか」という点を検証していきます。

これは…!!(左から2番目)

多くの人が、ロバート秋山さんの特許を想起したのではないでしょうか。

しかし特許権というものは、「顔付きのTシャツを裏返しにする」といった、漠然とした概念レベルの内容で成立するわけではありません。Tシャツに関して、何かしら限定された内容にて権利が成立しています。

そこで早速、秋山さんが発明者である2件の特許権を眺めながら、上記ロエベのTシャツとの関係について探っていきたいと思います。

特許第6249501号:小道具及び小道具の使用方法

J-PlatPat リンク Google Patents リンク
権利者:株式会社エース・マーチャンダイズ
発明者:秋山 竜次

特許第6249501号 図2(左)、図3(右)

そうそう、こんな図面でした!秋山さん…!

特許の権利範囲を示す【特許請求の範囲】は以下のとおりです。(請求項1のみ抜粋)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
 プルオーバー型の上衣を着用する使用者によって、前記使用者の左右の腋が露出し、前記上衣の前身頃と後身頃がそれぞれ裏返えるように裾部が引き上げられ、前記使用者の頭部の前方に、像が、前記使用者から見た正立状態で現れた後、前記使用者が両手で前記裾部を引き上げた状態を維持することで前記像が前記使用者の頭部の前方にとどまるように、前記上衣の前記前身頃の裏地のうち左右の袖ぐりの下端同士を結ぶラインを跨ぐ位置に、人物、動物及びキャラクターのうちのいずれかの顔をかたどった前記像が前記上衣の上下方向に対して倒立状態で設けられることを特徴とする小道具。

特許第6249501号より

冒頭、「使用者の左右の腋が露出し」とありますね。たしかに上図をみると、「腋36」が露出されています。

基本的には、この請求項に記載された内容を全て実施すると、特許権の侵害となります。1つでも異なる内容があると、原則としては非侵害です。

その点をふまえてもう一度ロエベのTシャツを眺めてみると・・・

腋が出ていない…!!!

胸筋は露出されているものの、腋は露出に至っていない…!!!

これはロエベが当該特許権を恐れ、意識的に回避したのかもしれません。まさかロバート秋山さんによる日本の特許権をも意識してデザインされているとは、恐るべし….!


・・知らんけど。



では、2件目も見てみましょう。

特許第6366202号:小道具

J-PlatPat リンク Google Patents リンク
権利者:株式会社エース・マーチャンダイズ
発明者:秋山 竜次

1件目は「腋」について言及されていましたが、こちらはどうでしょうか。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
 プルオーバー型の上衣の前身頃の裏地に人物の顔をかたどった像が前記上衣の上下方向に対して倒立状態で設けられ、前記前身頃の表地に、前記像が有する目の位置を示す目印が設けられ、
 前記目印は前記像の目の並び方向に延び、且つ前記像の目の並びの位置と合致した位置に設けられており、前記目印の両端はそれぞれ前記像の輪郭と対応する位置にあることを特徴とする小道具。

特許第6366202号

ふむ。表面に「目印Mk」が設けられている点がポイントのようですね。何処に顔が隠れているか分かるので、この目印を意識してシャツをまくり上げればよいのでしょう。

特許第6366202号 図2

こちらについて、ロエベTシャツはどうか・・。上記ショーにおける写真からは判定不可能ですね。実際の動画も眺めてみましょう。

(↓途中再生リンク↓)

うむむ…残念ながら表面は判定できません。表面がどの様なデザインなのか、今後の情報をウォッチしていきたいと思います。

しかし「腋」はやはり露出されていませんね。さすがロエベです!

以上、よろしくお願いいたします。
Uchida 


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