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impact2000

昨日、GWでファーストデイですよー!なんて書いた。
そしたらその日に日本最大のシネコンのTOHOシネマズが値上げの発表をした。
ダメだった?今日じゃなきゃ?
ファーストデイを避けようとか、GWは避けておこうとか。
そういうことは考えないのかな。
確か前の値上げのときも似たようなことを思ったんだよなぁ。
今、ネガティブなニュースを流す意味とか考えないのかな?
それとも逆に、今のうちに映画館に行こうと考えるって思ったのかな?だとしたらものすごいずれていると思うんだけどな。

業界の中で一番なのだという自覚を持って、自分たちだけではなくて映画という文化全体のことを考えるという視点がないのではないかと感じてしまって、とても悲しいニュースでした。

これはさ、あえて言えばシネコンも苦労しているってことだ。
エネルギーの高価格化どうこう書いてはいるけど、そんなこと関係なくもっと映画館にくる人がたくさんいたら大丈夫なわけだからさ。
世の中の物価が上がっているし、働いている人もいるんだという意見はわかるのだけれど、根本的な部分が何か足りない気がする。
映画館なんかいかなくても少し待てば配信で観れるのに値上げかよ!みたいな言葉をたくさん見かけたけれど、そこに真剣に向き合っているのだろうかと考えた。
実際、国によっては配信は公開から1年は間を空けるなんて決めている国もあるし、配信はともかく、映画館でしか楽しめない部分というものをきちんと伝えきれているのだろうかと。

色々と理由はあると思うのだけれど。
僕が最近感じていることは、物語偏重主義になったということ。
僕は物語の持つ力というのを嫌というほど知っているつもりだけどさ。
そういうことじゃなくて、物語さえ良ければという流れが出来てる。
実際、時短映画みたいな問題とか、ネタバレBLOG的な問題とかもそうだけれど、物語の流れさえ知っていればその映画を知ったような感じになっている。
たくさん伏線を張って、それを回収して、それが複雑であればあるほど評価されるみたいなことがある。
物語それ自体には物凄い力があることは確かだけれど、物語は作品の一部でしかないということをちゃんと伝えきれていない。

僕が十代で芝居を始めた頃は作品の中で物語の持つ地位は低かった。
よくある物語とか、先が読める作品なんてたくさんあったし、そもそも物語なんてあってないようなものな作品もたくさんあった。
あの頃、そろそろストーリーテリングの時代になるだろうという話もしていた。
だから僕も物語にはずっと注目するようにしていたよ。
でもまさか、ここまで偏重するとは思っていなかった。
あらすじさえ知っていれば、あとは映画館はアトラクション的なレジャースポットになっていやしないだろうか。
それはきっと怠慢なんだろうなぁ。誰の怠慢かって言えばもう全体の怠慢なんだろうなぁと思う。

でも物語の面白さを追求するなら漫画とか小説でもいいよ。
映画である必要はないしさ。
まぁ、あれか。配信でみるのが一番お手軽なのかも。

映画館には編成をする方がいる。
その人がその映画館のプログラムを組んでいく。
当然だけど、売り上げの予測計算なんかも必要になる。
でさ、多分、その売上予測計算の天才みたいな人はいると思うんだよ。
でもその映画館はほんとうに魅力的なのかな?その時の売上が良かったのだとしても長い目でみた時に映画という業界にとってほんとうにプラスなのかなぁ?利益追求は結果的に根源的な部分を外してしまうことって世の中でどこでもあることじゃないさ。
そういう意味では魅力的なプログラムを組む方は、多分、流行とか、世の中とか、時代とか、そういうものから少しだけズレてるんじゃないだろうか。
売上予測も当たったり外れたりするんじゃないだろうか。
でもそのズレが一貫していたらだよ。ずっと一緒だったらだよ。それは結果的にズレてないのと一緒だと思うのだよ。だって世の中の動きよりも、軸としてブレていないってことになるから。その人の視点っていう安心できる何かをいつか手にするだろうから。
その時、利益とは別の価値観が生まれているじゃない。
僕はその価値観こそが、豊かであるということだと思うの。
売れる雑誌なんか置いていない店主の好きな本だけの本屋とかさ、やっぱり豊かだなぁって思うの。

その豊かさをさ。
協会とかでも良いしさ、業界のリーダーたちが伝えなくちゃいけないって思ったよ。

硬直していると思う。
視点がさ。
夢を見ている感じがしないんだよなー。
夢がなきゃ成立しないんだけどなー。

2000円はそのぐらいインパクトがあったよ。

まぁ、僕は僕で今日、また夢が一つかなったけどな!!

映画『演者』

企画 監督 脚本 小野寺隆一
音楽 吉田トオル

「ほんとう」はどちらなんですか?

◆終映◆
2023年3月25日(土)~31日(金)
K'sシネマ (東京・新宿)

2023年4月15日(土)16日(日)
シアターセブン(大阪・十三)

2023年4月15日(土)18日(火)21日(金)
名古屋シネマテーク(愛知・名古屋今池)

出演
藤井菜魚子/河原幸子/広田あきほ
中野圭/織田稚成/金子透
安藤聖/樋口真衣
大多和麦/西本早輝/小野寺隆一

撮影 橋本篤志 照明 鈴木馨悟 録音 高島良太
題字 豊田利晃 絵画 宮大也
スチール 砂田耕希 制作応援 素材提供 佐久間孝
製作・宣伝・配給 うずめき

【あらすじ】
昭和20年春、終戦直前のとある村。嶋田家に嫁いだ3人の女たち。
血の繋がらない義理の三姉妹は男たちが戦時不在の家を守り続けている。

家長であるはずの長男の嫁、智恵は気を病んでいた。
三男の嫁、恵美は義姉を気遣う日々を送っている。
次男の嫁、陽子は智恵がおかしくなったふりをしているのではと疑っていた。

やがて魔物が再び女たちの前に現れる。
世界は反転して、演技は見抜かれる。

投げ銭は全て「演者」映画化計画に使用させていただきます。