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尾道市地域おこし協力隊・石山 辰也さんに聞いた、活動内容や百島の魅力

こんにちは!
2022年10月から百島ももしま町で尾道市地域おこし協力隊を務めている石山 辰也です。尾道に移住するまでの東京生活や、地域おこし協力隊に応募した経緯をはじめ、現在取り組んでいる活動などについて振り返ってみました。船でしか行けない尾道の離島・百島での生活についてご紹介します。

●プロフィール

石山 辰也
1981年9月29日、千葉県柏市で生まれる。中学・高校6年間は卓球部として汗を流し、社会人になってからも卓球を継続中(対戦者求む)。新聞の印刷オペレーター、運送会社などの仕事を経て2022年10月、尾道市地域おこし協力隊(百島町担当)に着任し、東京から移住。現在は、マリンアクティビティの振興や百島の情報発信、獣害対策などに尽力している。@momotatsu_2022

東京では、同じ毎日のくり返しだった

尾道にやってくる前は、千葉県と埼玉県に接する東京の東部・葛飾区に住んでいました。運送会社で朝から晩まで働いて、休日はただただ身体を休めるためだけに使う。そんな生活を送っていました。

変化のない毎日を淡々と過ごしていて、「定年までこのライフスタイルで過ごしていくんだろうな」という諦めのような思いがなんとなく頭をかすめていました。

運送会社時代

尾道との出会いは地域おこし協力隊の募集を知ったことがきっかけでした。

魅力だと思うのは、なんといっても海との距離が近いところ。JR尾道駅前に降り立つと、きれいな芝生広場と尾道水道が目前に広がります。電車から降りてすぐこんなにすばらしい景色が広がっていることに、感動したことをよく覚えています。

駅前ではないですが、尾道水道と市街地の景色

ライフスタイルを変えるなら今しかない

正直なところ、最初から地域おこし協力隊になりたかったというわけではありませんでした。というかそもそも、協力隊という仕事のことすら知らなかったくらい。

そんな私が協力隊のことを知ったのは、東京に住んでいたときに知り合った友達がきっかけでした。広島県出身だった彼は、ある日広島へUターンすることに。彼のSNSの投稿から見えてくるUターン後の生活は、とても魅力的にうつりました。

ある日。私の淡々とした生活やくすぶった想いを知っていた彼から突然連絡がきて、「ライフスタイルを変えたいなら良いきっかけになるかもしれないよ!」と尾道市地域おこし協力隊の募集情報を教えてくれたんです。

最初はびっくりしました。
でもその募集を見たことで、「挑戦してみたい」という気持ちがふつふつと湧いてきました。「ライフスタイルを見直すなら今かもしれない」「家族と一緒に、自然あふれるこの町で暮らしてみたい」という思いが強くなり、応募を決意しました。

百島にいざなってくれた友人と、島で乾杯

東京都内から離島へ。地域おこし協力隊としての新たな生活が始まる

せわしない東京都内の街から、穏やかな海に浮かぶ瀬戸内の離島へ。
かなりギャップのある引っ越しだったので、環境面はもちろん「地元の人に受け入れてもらえるのか」「邪険にされないだろうか」といった不安は大きかったですね。でもふたをあけてみると百島には移住者が多く、私自身も比較的早く打ち解けられたんじゃないかなと思います。

地域おこし協力隊としての活動に関しては「人に頼るよりまずは自分自身で動こう」と決めていたので、1人でもチャレンジできることから始めていきました。ただ、何をやっているのか島の人に伝わりづらいこともあったので、「あの協力隊は何をしにきたのかね?」なんて言われ方をしたこともありましたね。

島の獣害課題と、かつてあった登山ルートの復活に奔走

地域おこし協力隊の活動では主に、情報発信、マリンアクティビティ振興、獣害対策などに取り組んでいます。

特に獣害は喫緊の課題でした。ほかの地域の例にもれず百島でも猪の被害が大きくなっていて、地域の方々も悩んでいました。しかし島に猟師の方は数名しかおらず、狩った猪を解体する場所もないため、みなさん個人宅でさばかなければいけないという場所的不利な現状もありました。

「もし猪の解体場所として百島の人が自由に使えるスペースがあったら、狩猟をしたい人のハードルを下げることができるかもしれない」

そう考え、まずは猪を解体する場所づくりを目指すことにしました。猟師の取り組みに興味を持つ人が増えれば、猪の個体数を減らすことにもつながると思い、目下、解体場所づくりに励んでいるところです。

狩猟免許に合格し、制服と帽子が届いたときの記念写真
猪の罠をしかけているところ

また百島には、軍殿山いくさんどや十文字山といった200m未満の低山があります。百島を気軽に登山が楽しめる場所にしたいという思いから、山の雑木や雑草を刈って整備活動にも取り組んでいます。30年ほど前は山どうし、尾根を伝って渡ることができたという話も聞きました。そんな昔の登山ルートを復活できないだろうかと、あれこれ考えながらトライしています。

マリンアクティビティの振興や空き家リノベなど、今後取り組みたい活動は多々

百島には、マリンアクティビティを体験しに訪れる観光客が多くいます。私自身、SUPのインストラクター資格を持っているので、今後はSUPの体験スクールを開催したり、趣味のDIYを活かして空き家をリノベーションして滞在施設が造れたらいいなと思っています。島の資源と自分の興味を掛け合わせて、やりたいこと、やってみたいことはたくさんありますね。

SUP体験

百島のことが気になっている移住希望者へのメッセージ

百島へは船でしかアクセスできないため、正直なところ交通の不便さはあるかもしれません。ですが人口密度が低く、治安が良く、住みよいところです。静かな島でみなさんとても優しく、そしてなんといっても移住者が多いので、受け入れられやすい環境が魅力です。

瀬戸内はあたたかいと聞いてはいましたが、実際に百島は10月でも海に入れるくらいとても温暖です。「海好き」「島暮らし」「自給自足」…。このどれかにビビッとくる方は、百島暮らしが性に合うかもしれません。島には宿泊・体験等さまざまなコンテンツがあります。気になる方はぜひ一度、訪れてみてください!

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\取材された記事はこちら/

●文:石山 辰也(@momotatsu_2022
●移住定住コンシェルジュ:後藤峻(@concierge_goto
●編集:アンドウ(@holiday_cloudy

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