久しぶりに、　愛　について書こうかなと思う。

最近、心の声を言葉に落とすことが少なくなっていたから。
ただここに　ぽつり、ぽつり　と言葉を残していくだけになるかもしれないけど、心地良い苦しさを残していこうと思う。

「　愛してる　」

「愛」という言葉に、抵抗を持つようになったのは、2年半ほど前。
私の使う「愛」は　ザワつきや、叫びや、痛みを隠した先にあるものだった。

心に生じた揺らぎを、感じたものをみないふりして
それを「愛」と呼んでいた。

あの時
心と頭が乖離して、この世界を離れてしまいそうになった時、私は初めて「愛」に気づいたのかもしれない。

愛してる
愛してる
愛してる

それが私の中に入るたびに、異物を排除しようとする心と、強ばりながら受け入れたい頭に
私の体は疲れ切っていたんだと思う。

ただの「愛」を口に入れた時、そこに苦しさはなかった。
ただの「愛」が空間を作っていた時、深い眠りにつけた。
次の日、ただ私が軽かった。

あれからずっと怖かった。

自分が「愛」という言葉に触れること、
人の「愛」に触れること、
“間違った「愛」”　が自分を侵していってしまうこと。

どうでもいいんだよ。
何度自分にそう語りかけたとしても、それを「愛」とは呼ぶことができなかった。
口に出すことがどうしても気持ち悪かった。

今、愛していると言葉にすることは　まだできない。

でも、今日のあなたではなく
明日の、来月の、来年の、それからもっと先のあなたをも想う気持ちは
「愛してる」でもいいんじゃないかと　思う。

それがいつか変わったとしても、許せるんじゃないかと
今の私ならそう思ってしまうことすらできる。

今日の私が、今日の私としてしかいきられないように、
今日の私の「愛」は、今日の私の「愛」でしかないんだろう。

「　　　　　。」

「愛してる」よりもずっと、「愛してる」でいてくれることに。

穂 / 2023.4.27