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韓国映画『子猫をお願い』際立つペ・ドゥナの存在感

テヒ、ジヨン、ヘジョ、オンジョ、ピリュの女友達5人は高校時代からの親友だ。卒業してからはバラバラになってしまうが、たびたび集まっては楽しく騒ぎ遊んでいた。

両親を亡くし、祖父祖母と貧しく暮らすジヨンは仕事も失い無職となる。希望を失う中、証券会社で働くわがままなヘジョの振る舞いにジヨンは反発し、ふたりは険悪な関係になっていく。ふたりの仲をとりもちたいテヒは頭を悩ませるが、テヒも家父長な家庭に不満を募らせ、自分の存在価値を考える毎日だった。

「子猫をお願い」とはジヨンが拾った子猫のティティのことだ。ジヨンはヘジョの誕生日にティティをプレゼントするが、今は飼えないと突き返される……。

この子猫がキーとなり、5人の女性の友情と生きる道を描いた良作である。


テヒ役の女優ペ・ドゥナの出演作として2004年に日本で劇場公開された作品で、たしか下高井戸のミニシアターに観に行った記憶がある。日本での映画出演もあるペ・ドゥナは、いわゆる韓国美人タイプではないがコミカルな演技や何かに奮闘する女性役が良く似合う、個性派と呼ばれるタイプの存在だ。近年はハリウッド作品にも出演する国際派女優になっているが、この頃から目が離せなくなるような惹きつける魅力は際立っている。「パラサイト」のポン・ジュノ監督作品『ほえる犬は噛まない』もペ・ドゥナ主演作としておすすめしたい。


『子猫をお願い』
監督:チョン・ジェウン


『吠える犬は噛まない』
監督:ポン・ジュノ


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