見出し画像

「花火」と「お盆」が紡ぐ鎮魂の夏

この8月は、祖霊を迎えて家族の時間を過ごす「お盆」の季節。
多くの地域では8月13日から15日の月曜日までを「お盆」の期間としています。

「お盆」とは、古来からの日本の祖霊信仰仏教の盂蘭盆会うらぼんえが融合した、先祖の御霊みたまをお祀りする行事

「みたままつり」特別御朱印のテーマである「みたままつり」も、漢字で書くと「御霊祀り」。故人の遺徳を偲び、霊魂を慰めることを指します。

「精霊迎え」や、「五山の送り火」など、この季節には "祖霊を迎えて様々な形でもてなし、一族で共に同じ時間を過ごす" ことが何より大切にされています。

また、「みたままつり」特別御朱印にも描かれていますが、この時期の目玉といえば、夏の夜を彩る花火大会!
​今夜空に咲く大輪の花火は江戸の頃から人々の心を元気にしてきました🎇

そんな花火大会、実は最初とされる花火大会の目的は「鎮魂」、それに「悪疫退散」だったのだそう…🙂



日本最古の花火大会

花火大会の最古として歴史的記録が残っているのは、例年テレビで中継も行う東京の夏の風物詩「隅田川花火大会」です。

実は「隅田川花火大会」という名称は、昭和53年からと意外と新しいもの。その前は「両国の川開き」という名称でした。

今から約300年前、江戸時代・享保17年(1732)の大飢餓で多くの餓死者が出て、さらに起こった疫病の流行により国は多大な被害と影響を受けました。

時の8代将軍吉宗は、翌年に人々の「鎮魂と「悪疫退散」を祈って水神祭を行い、その際に両国周辺の料理屋が幕府の公許により花火を上げたことが今日の花火大会のはじまりなのだそうです🎆

令和5年の隅田川花火大会はなんと約100万人を超える人出があったそうです。
いかに日本人がこの期間、花火やお祭りを楽しむ機会を待ち望んでいたかがうかがえますね🎆


夏は祖霊をまつる“鎮魂の季節”

そして「夏」で「鎮魂」といえば「お盆」です。

「お盆」とは、古来からの日本の祖霊信仰仏教の|盂蘭盆会《うらぼんえ》が融合した、先祖の御霊みたまをお祀りする行事
故人の遺徳を偲び、霊魂を慰めることを指します。

各地で行われる「盆踊り」も、霊魂を慰めるために行う盆行事から生まれたものですし、東京の夏の風物詩・靖国神社で毎年7月に行われる「みたままつり」も、お盆の時期に合わせて鎮魂を祈るお祭りです。

「精霊迎え」や、「五山の送り火」など、この季節には "祖霊を迎えて様々な形でもてなし、一族で共に同じ時間を過ごす" ことが何より大切にされています。

花火にお盆。暑い夏は“鎮魂の季節”でもあるのです。


家を守る「ご先祖様」

「祖霊」というのは、その家の「ご先祖様」のこと。
家を守護し血族を守る、誰にとっても直接的な繋がりを持つ存在です。

故人の魂である御霊みたま「祖霊」から、大神のお護りとお導きを頂きながら子孫の追慕ついぼをうけ、家の守り神である「祖先神」となり、時間の経過と共に清まって“神”の位に昇られ、日本の国をも守る「八百万の神々の一員」となります

お盆の時期に一族で集まり、自らのルーツに思いを馳せ、きずなを深める豊かな時間を共に過ごす。

厳しい暑さが続きますが、無理のないよう時間帯を選んでお墓参りをしたり、祖霊に感謝し家族で過ごす時間を持ったりすることで、長年紡いできた「日本のこころ」を絶やすことなく繋いでいきたいものですね。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?