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会計士と税理士の違い

勘違いの多い会計士と税理士の違いについて解説します


専門分野

会計士はお金の専門家で、税理士は税金の専門家です。
税金はお金の一部。
税金だけの税理士よりも、お金全体の専門家である会計士の方が守備範囲が広いです。
なので、会計士の免許を持っていると税理士の免許もついてきます。自動車免許に原付バイクの免許が、オマケでついてくるように……

偉いのはどっち?

では税理士よりも会計士が偉いか、税理士試験よりも会計士試験の方が難しいか?
答えはNOです。
税理士は税金のスペシャリストで、税金に関してかなりくわしいです。
一方の会計士はお金全般のゼネラリスト。広く浅くお金の知識を持っています。税金のことを質問しても、ある程度は答えられます。

私見ですが、資格を取るための試験内容にも反映されていると思います。
税理士試験は、地球の裏側まで穴を掘っていくイメージで、会計士試験は広い海を漂っているイメージです。

会計士は希少生物?

経営者交流会などに行くと、税理士はよく見かけますが、あまり会計士はいません。
税理士は8万人、会計士は4万人。
税理士事務所は3万社、会計士事務所は数千社。

ほとんどの会計士は、監査法人で監査をしているか、大手企業や銀行の従業員です。
監査は、上場企業の数字のチェックのことです。
今まで「会計士」という言葉や存在を知らない人が多いかもしれませんが、大きな会社の経理部の人たちにはなじみがあるはずです。

新人会計士の9割は大手監査法人に就職して上場企業の監査をしますし、会計士試験も大企業が前提の問題ばかりです。
専門分野の話に戻りますが、会計士は大企業を相手にして、中小企業は税理士の守備範囲……
そう考えている会計士も少なくないです。
会計士の独立開業率が低いのも、そのせいかも知れません。

会計士は絶滅危惧種?

「会計士制度は旧制度で、今はもう会計士はいない」というシニアの方がおられますが、おそらく「計理士」と「会計士」を混同されていると思います。
計理士という国家資格は戦前にありましたが、戦後は会計士になりました。

公認会計士と会計士の違い

同じです。
正式名称「公認会計士」、通称「会計士」。
国家資格なので「公認」とつけているだけです。

なので本来は「公認税理士」「公認弁護士」「公認医師」みたいになるはずですが、なぜか会計士だけが「公認会計士」と名乗ってます。
前述の計理士との違いを、明確にしたかったのかもしれません。

たまにコンサル系の人が、英語っぽく「CPA(Certified Public Accountants)」と言う場合もあります。

顧問を頼むなら会計士か税理士か?

私は会計士なので、会計士!
と言いたいところですが、「会計士か税理士か?」と資格で決めるよりも、「この人に頼もう!」と属人的な決断になると思います。

会計士の守備範囲のうち税金以外の部分は、会社経営のアドバイスや財務分析、資産運用など広範囲に渡ります。
そのため経営者の右腕やNo.2、参謀役のために会計士を顧問につける会社も多いです。
ですが、会計士の広い守備範囲の中でも、人によって得意分野や専門分野が異なります。
さらに税理士の中でも、自己研鑽で税金以外の部分を得意としている人も少なくないです。

結局は人間同士なので、相性で決まると思います。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございました。
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