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「1階革命」(田中元子著) ハード・ソフト・コミュニケーションのデザイン

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私設公民館としての「喫茶ランドリー」を作った方の本。いわゆる地域活性化やまちづくりの文脈で、公共空間づくりの本って結構あって、わりとちょこちょこ読みます。

この本も著者の田中さんが手がけた場所の紹介とともに写真があって、どれも居心地のよさそうな雰囲気でした。

自分の地元にもこんな感じの場所があったらいいなあと、ちょうどいい感じで本が読める場所とかあったらいいのにとよく思います。

というか、実は、一度そういう場所を作ろうと思って、地元で私設図書館を開設して半年くらいやったことがありました。

沼津の図書館さんかくを参考に本棚オーナー制を参考にしました。

開設当時は、うれしいことに賛同してくれるかたが結構いて、一番多いときは20人くらいの本棚オーナーさんが集まりました。1時間以上遠くから来ていただいた方もいました。その時、開いた読書会も本当に楽しかった。

しかし、継続的な運営をうまく続けることができませんでした。別の活動をしていたパートナーと場所を共有して、家賃を折半していたのですが、なかなか足並みが揃いませんでした。

本業の合間でやりながらで片手間になってしまうとどうしても難しかった。やってみると想定していない大変なことがいろいろあることもわかりました。それを楽しめるだけの余裕があったらよかったのですが。

そんなこんなで傷が広がる前に撤退を決めてしまったのですが、そのときに知り合った方々とは、今までにない接点を持つことができました。今でも交流させていただいる方もおり、そういう意味でもいい経験でした。そして、どういうところがダメだったのかということもよく分かった笑。

場所は、駅前の1階でわりといい立地でした。

しかし、たまたま近くを通りかかったと人が立ち寄るということがなかなかない。一日いても来るのが一人くらい。なんというか、外から見ると入りにくいだろうなという雰囲気がしてしまうのです。外から覗いている様子だけど入るのは勇気がいる感じ。のぼりとかボードみたいなのを置くのですが、その何とも言えない入りにくい感じはどうしても脱却できなかったんですよね。立地がいいからと言ってそれだけで人は来ないというのがよくわかりました。

本書は、ハード、ソフト、コミュニケーションの3つの観点からデザインを紹介しています。考え抜いているというか、ただ理詰めではなくて堅苦しさと緩やかさのところまで含めて考え抜いて作りこんでいる。
いや、ほんとすごい。そういう場所が近くにあったら行きたくなる。全然デザインが足りなかった。

本書のタイトルは「1階革命」ですが、本当に起きつつある革命は、人間自身の革命だと思います。人間は、わたしは、どうありたい生き物なのか、そうなるためにどんな「今」を選択しながら存在しているのか。わたしたちは、生きるということへの根源的で個人的な問いに対して、これまでにない向き合い方をしていると思います。1階はメタファーとしても捉えられます。世界の1階、社会の1階、今現在の1階、あなたとわたしの地平である1階とは、どうなっていることがよりよいでしょうか。よいってどういうことでしょうか。より良いほうへ歩み始めるための革命のきっかけこそ、壁の内側や画面の中でなく、まちにあれば、1階にあれば。見ようと意識していなくても、ある日ふと目に入ったり、偶然手に触れたり、不本意にも出会ってしまうようなところに。

1階革命 田中元子著 あとがきより

こういうのを読むとまた何らかのかたちで、いい感じの半公共空間づくりにチャレンジしてみたくなるかも。やっぱり自分がそういう場所に行きたいので。ただあまりにも何も考えずにやると、大変にことになる(笑)ということがよくわかったので、次やるなら、もっとハード・ソフト・コミュニケーションのデザインを考えてみよう。

今日は、そんな田中さん本人の講演があるので時間をつくって行ってみようかなと思っています。

そんなわけで、「今日一日を最高の一日に」

起床時刻5:40

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