A市役所で国際結婚届け出

2022年10月初旬、A市役所に婚姻届けを提出した。予想通り、毎度のことながらスムーズに事が進まなかった。
8月にオーストラリアで結婚(夫はオーストラリア人)し、婚姻届けは既にオーストラリアで提出済。今回の帰国の最大目的は配偶者ビザ取得手続きで、日本でも婚姻届けを提出し、夫の名前が反映された戸籍謄本の英訳が必要なのだ。
日本に戻ってから「実はあの書類が必要だった」の事態は避けたいので、帰国前に私の住むA市役所市民課(戸籍担当)にメールで確認を入れた。回答が(予測の結末だけど)まず上から目線。5日も待たされた上に、内容が婚姻届(市役所にある書類に記入する)の提出にあわせて「婚姻証明書原本の提出と夫(オーストラリア人)のパスポート原本の提示」だと。なんでよ。
オーストラリアで婚姻証明書の発行そのものに$40(高い!)、エクスプレス発行(帰国までの時間がなかった)かけたので、その料金もあわせて総額$100、これはこちらの都合だけれど。それをそのまま「提出すること」てのが解せない。で、夫のパスポートの「原本」を持っていく?ダメでしょ。
イラっとしつつも、メールで説明する心と時間の余裕がなくて、国際電話。電話に出たK川という男、受け答えがメールそのまま。
「原本証明コピー」…日本では馴染みがないけど、「このコピーは、間違いなく原本そのものをコピーしたものです」とオーストラリア政府に認められた権限保持者の署名入りのコピーがある。その提出をしたいと説明したが「は?何ですかそれ。聞いたことないんで」の塩対応。少なくともパスポート原本を本人以外が国外に持ち出すのはアウトでしょ、とその確認もしたけど「婚姻届は、基本両名が揃って窓口に来るものなので」だと。そんなわけあるか。
結局、パスポートと婚姻証明書、2点について「課として協議しなければなりませんので、ここで回答はできません」。市役所のこういうところが、本当に嫌いなのよ。で、「回答が出たら電話しますので、電話番号を」と問われ「国番号が61で…」と話し始めたら「え?日本じゃないんですか⁈」いや、さっきからオーストラリアからだと言ってただろうよ。何聞いてんだよ。
で、K川「国際電話はかけてはいけないことになっているので、メールします」と来た。はぁ、そうですか。とにかく帰国日まで時間がないし、いざ日本に戻ってからの不備発覚は困るので「早急に回答をお願いします」で一旦電話を切った。
で、翌朝、早速メールが来た。珍しく速いじゃん市役所。なのに「課として協議した結果、結論が出ました。つきましては電話で説明するので電話番号と、都合の良い時間を“日本時間で”お知らせください」って。いや、昨日は国際電話ダメって言ったじゃん。課長の許可でも出たんか、国際電話。即リプライしたが、指定した時間にかかってこない。イラっとしてまたこっちからかけて、K川を呼び出した。結論「パスポートは原本証明コピーとかいうもので構わないが、婚姻証明書は原本を提出すること、どうしてもイヤなら、領事館で手続きしてください」だと。いかにも「対応したくない」空気満ち満ちている。
これ以上食い下がるのもイヤなので「夫とも相談して、どこで手続きするか決めます」で切った。夫に説明すると「面倒だから婚姻証明書そのまま持っていけばいい。むしろオーストラリア国内なら原本証明コピーを置いておけば何かの時でも安心だから」と言ってくれた。ご理解感謝します、夫どの。
さて、パスポート、婚姻証明書のほかに夫の出生証明書と市民証も原本証明コピーを用意、全ての日本語訳も準備した。
果たして帰国の翌々日の朝、時間もあることだし咄嗟に「今日、手続き行こう」と思い立った。で未だ釈然としない市役所の回答をスッキリしようと法務局に電話した。国際結婚のそもそもの所管が法務省だとわかったので。A市にある地方法務局は、ありがたいことに今でも電話がすんなり繋がる。かけてみるとT中さんという女性が対応してくれた。経緯を説明して「婚姻証明書の原本提出が必要である理由を市役所から得られなかった。法務省としてはっきりとした根拠を示してもらえれば納得できるのですが」と問うてみた。この段階でT中さんの声のトーンは明らかにこっち寄り。「なぜそのような説明になったのか、念のため市役所に確認してみますので、いったん電話を切らせていただきます」。はい、お願いします。市役所担当課と担当者の名前を伝えた。
ものの10分も経たないうちにT中さんから電話、「今、担当のT中さんという方(K川は研修のため席にいなかったらしい。図らずも同じ名前、市民課のT中)と話しましたが、婚姻証明書のコピーでいいそうです」はぁ?一般市民には「原本必須」で法務省から確認入れると「コピーでいいです」って、どういうこと?市役所? さすがにここまで食い下がられるとは思わなかっただろう市役所。一般市民なめんなよ。
で、市役所窓口。例によって若い女性(間違いなく臨時職員)が対応に出て来た。「オーストラリアの方とですか。すみません、ほとんどないケースなので」と言いつつ書類の確認をしてくれる。で、いちいち奥の正規職員に確認に行くんだよね。その人、T中じゃないの?と思う。私がT中だったら法務局からの電話のあと即情報シェアする。「この後今日か数日中に、オーストラリア人との国際結婚の届出手続きに来る人があるはずだから。来たら私につないで」と。ところが絶対に、ガンとして窓口に来ない、T中。腹立つわ。敢えて原本証明コピーじゃないカラーコピーの婚姻証明書を提示する。あれこれ確認して「はい、これで手続き完了です」と。意地悪するつもりはないが、ここで初めて「婚姻証明書はコピーでいいんですか?」と聞いた。「え?これ、原本じゃないんですか?」と驚く担当女性。で法務局とのやり取りを説明した。「後になってやっぱり受理できません、の事態は避けたいので、絶対に間違いないなく完了してほしいです」と念を押した。ここまできてもまだT中は出てこない。担当女性が可哀そうになってくる。奥と窓口を何往復させるのか、T中。結局原本証明コピーにある署名部分まで邦文訳をさせられて再度しつこく念押ししたうえで受理。やっと婚姻の届出が完了した。
しかし、どうなのよA市役所。人の手間と時間を何だと思っているのか。何より上(法務省)に滅法弱くて下(一般市民)に横柄、てのが嫌い。

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