知財マンガ「AIと知財」大樹七海

第1回

「AI(人口知能)と知財」

今注目のAIについて、知財の観点から、現在何が問題となっているのか取り上げてみました。

現在、世界各国でAIの開発競争が激化し、技術の進化は法が前提としている状況を遥かに超えるものとなっています。※1

その結果、現在の法制度では、AI創作物の法的保護が未整備※2であることへの国際競争力低下への懸念が示される一方、保護を求める動きには、AIが人間の創作活動を逼迫していく恐怖に対する反発が起きています※3。

先ほど5月25日に政府の知的財産戦略本部「知的財産計画2016」※4にAIが盛り込まれ、6月2日の日本・米国・欧州・中国・韓国の5大特許庁(IP5)長官会合※5においても各国で協調していく旨の宣言が行われました。

今後も、AIの技術発展に伴い、世界的に起こりうる知財の問題について、私達はどう考えて行けばよいのか、機会があれば、取り上げていきたいと思います。

参考

※1 AI創作物の事例

音楽:オルフェウス(明治大学 嵯峨山研究室)

小説:きまぐれ人工知能プロジェクト 作家ですのよ(公立はこだて未来大学 松原 仁教授他)

絵画:Inceptionism Google

※2 AIが自立創作する「創作物」について

知財保護の在り方が議論されるもので「AI」自体は特許等で保護されます。

※3 JASRAC、知財計画の権利制限柔軟化に警戒感

AI創作物は「発展見守る」(日経情報ストラテジー)

※4 「知的財産計画2016」PDF(知的財産戦略本部)

※5 「五庁共同声明 2016」 PDF(東京声明 経済産業省)


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