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岸田内閣のサラリーマン増税。税制調査会の資料を確認してみる

(※今日の記事を音声で楽しみたい方はコチラ↓)
https://voicy.jp/embed/channel/660/573075
※大河内薫マネリテラジオVoicy 2023年7月21日放送より

どうも、大河内薫です。
都内で税理士をしながら、お金の教育を日本に根付かせるために日々頑張っております。

さて、今日のテーマは『増税』ですね。
岸田内閣は『増税』が好きですよね。
これは裏を返せば『財務省の言いなり』なんですよね。
財務省はとにかく増税したがるので、このまま受け入れてしまうとずっと『増税』が続いく事が、とある資料にありありと見えてきました。
特に、サラリーマンに対しての増税が多く含まれているんですよね。
この『とある資料』には、いろんな税金の話が書いてあるんだけど、今日はこれについて解説していきたいと思います。


■10倍になった『中期答申』

『税金』について議論・検討するのは『政府税制調査会』と言う所なんですけど、そこが今後の税制の在り方を示す『中期答申』って言う物をまとめました。
実はこの『中期答申』がまとめられたのは4年ぶりなんですよ。
まずびっくりするのが、全文260ページに及んでいるんですけど、4年前の物に比べて10倍近い分量になってるんですよね。
つまり4年前の『中期答申』は3~40ページくらいだったんですよ。
税金についてはいろいろと議論しなきゃいけないと思うんですけど、そんなに分量増える?って言う所も非常に興味深いですよね。

僕はこれまでにVoicyやYoutubeでお話してきましたが、岸田首相は本当に増税が大好きなんですよ。
なので今回の政府税制調査会の『中期答申』にも増税について、いろいろと書かれているって言うところですね。
一点補足しておくと、この『中期答申』に記載されたからと言って、直ちに増税されるわけではないです。
この『中期答申』を踏まえて、どの施策を打ってくるかと言うのは岸田内閣次第と言う事になります。

■税金のこれからが決まるのは12月の『税制改正大綱』

税金について検討・議論を経て、最終的に決まるのは12月に発表される『税制改正大綱』で『今回の改正案はこんな感じになります』とまとめられます。
そして『税制改正大綱』に基づいて、翌年4月とか9月からスタートしょうと言う流れになります。
『中期答申』がまとめられた次の流れとしては、12月の『税制改正大綱』をターゲットとして情報をしっかり取らなきゃいけないですね。
ただ今回の『中期答申』に載っている内容が、すぐさま今年の税制改正大綱に載るかと言うと、現時点では『議論のテーブル』にいろいろと並べられたと言う感じなので、サラリーマン増税改革をがっつりとしていくとすれば、来年の税制改正大綱になるんじゃないかなと、個人的にはなんとなく肌感として持っています。
サラリーマン以外を対象にした税の検討もされるのですが、今回は『サラリーマン増税』にスポットを当ててお話ししていきます。

■サラリーマン増税

まずは退職金の増税について。
いろいろな情報を見ているとわかるんですが、ここについては『ほぼ確定』なのかなと思います。
今までは『終身雇用』を前提にしていて、すなわち会社員として長く働いている人ほど退職金の税制優遇があったんですけど、その優遇部分が薄まった感じですね。退職金だけならまだよかったんだけど、『小規模企業共済』とか『ideco』とかも退職金の一部として受け取る扱いにして、税制優遇を受けられたわけですが、これも含めて増税となるので、ここはかなり怒っていい所だと思います。
国民が現状の税制をきちんと理解・解釈し、それに則った形で長年に亘って勤務をして、ようやく退職金の税制優遇が受けられるわけじゃないですか。
長年に亘って積み立ててきたidecoも退職金の一部として受け取り、そこは税金安くなるんだよねと思って、老後の資産形成をしてわけじゃないですか。
色々踏まえて人生設計をしているわけですよね。
その人が色々と考えた退職後の人生設計を壊してしまう事になるので、ここはちょっと疑問が残りますよね。

法律とか条例と言う物は、絶対に過去に遡らないんですね。
例えば『タバコを路上で吸っちゃダメですよ』と言う条例がありますが、それができたからと言って、過去に路上喫煙をしていた人に注意する事って絶対にないじゃないですか。
なので、法律・条例って言うのは過去に遡らないんです。
でも『退職の時まで積み立てしたら税金が安くなるんですよ』と言う前提だった『税制優遇』のはしごが外されちゃうのは、実質的に法律・条例を遡って適用されていると言う事に近いんじゃないかと思っていて、これは本当にひどい改正ですよね。

岸田首相じゃなかったら、こんな話は突っぱねてるんじゃないかなと思うんだよね。
この税制調査会の中期答申に反映されている内容と言うのは、財務省の意向が色濃く出ているので、内閣はここをどれだけ跳ね返す力があるかだよね。
岸田首相は本当に財務省の言いなり感がめちゃくちゃあるので、彼が内閣総理大臣にいる限り増税のスピードがめちゃくちゃ早い気がしています。
これはもう本当に岸田首相に早く降りてほしいなって思いますね。

『退職金増税』と言うのは話題にもなっていたし、ひょっとしたら今年の12月の『税制改正大綱』に載るかもなと言うところですね。
他に現時点で議論のテーブルに上がっているのが、『配偶者控除』『扶養控除』『生命保険料控除』とか、あとは『通勤手当』『社宅の非課税部分』とかについて、どうするかと言う話になっている様です。
検討・議論なのでプラスもマイナスもあると思うんだけど、基本的には減税はないですね。
現状維持か増税かの検討・議論になると思います。

『通勤手当』と『社宅』については、非常に分かり辛いので説明したいと思います。
通勤手当と言うのは、会社から支給されるお金として所得税がかからないんですね。
僕たちは、会社から給料をもらう時に通勤手当も上乗せしてもらいますが、給料には所得税がかかっていますが、通勤手当は月15万円までは非課税なんですよ。
ここについて『これってどうなの?』と言う議論になっている。
つまり『ここも税金を課した方がいいんじゃない?』って言う話になっていると言う事です。

勘違いされる事が多いんだけど、『何々手当』と言う名目で給料に上乗せして会社から支給されますよね?
基本的に『通勤手当』以外の手当には全て所得税が課税されます。
つまり『資格手当』とか『住宅手当』とか『管理職手当』とかありますが、これは手当と言ってるだけでただの給料です。
ただの給料なので所得税がかかっています。
その中で特例があって、それが『通勤手当』と『社宅の非課税部分』なんですね。

会社が保有している物件を社員が借りて、賃料を会社に支払うパターンの場合ですと、この時の賃料設定は近隣相場よりかなり安くなっている事が多いので、結果的に実質手取りが増えているわけなんですね。
なので『住宅手当』が課税されている以上、この場合においても『ちょっと考えなきゃいけないんじゃないですか』と言う話になっているわけです。

あとは生命保険料控除ですね。
ここもなかなかな事が書いてあるんですけど、生命保険料控除も『廃止』もしくは『増税』の方向ですね。
上限額を下げていく方向になりかねない事が書いてあって、実質『金融商品』と同じですよねと言う考え方があるわけですよね。
財務省としては、金融商品を増税したい傾向にあるので、『NISAは永久的に非課税』と言う部分以外の金融所得課税を上げる事が念願非願になっていますよね。
岸田首相も内閣総理大臣になる前から『金融所得課税を上げます』と言ってますから、もう上げたくてしょうがないんだよね。
その流れもあって『生命保険も実質金融商品に他なりません』みたいな事を言って、増税のテーブルには上がっているわけです。
『扶養控除』とか『配偶者控除』も縮小傾向にしましょうって流れがあるので、これが全部実現してしまうと、サラリーマンの手取りはめちゃくちゃ減りますからね。相当しんどくなるだろうなって思います。
皆さんにも直接的に影響してくる部分も多いと思いますので、これらの議論がどうなるのか、12月に発表される『税制改正大綱』には注目しておくといいと思います。

■お知らせ

さて最後にお知らせです。
本日21日(金)の夜、メタバースの中で子供たちに向けて授業します。
『子供たちに最高の教育を』と言う理念で運営されている『ニンジャ寺子屋』と言う所でやります。

僕は1年くらい前にこの『ニンジャ寺子屋』で授業をしたんだけど、今回も縁あって夏休みの集中授業と言う事お金の授業をします。
今回は、いつもの感じで『お金とはこう言うものなんだよ』と言うお話に加え、お金を時間に置き換えて『時間を消費してる』『浪費してる』『投資してる』と言ったお話もしていきたいなと思います。
こちらに授業のURLを貼っておきます。
メタバースまで来ないと聞けませんが、この授業は無料で聞けますので、気になる方は本日20時に『ニンジャ寺子屋』に来てくれたら嬉しいです。
本日も張り切っていきましょう。

それでは、素敵な1日を。
最後まで読んでくれたあなたに、幸あれ✨じゃあね!

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