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村上RADIO・2023/05/28

今日の #村上RADIO はアカペラ特集でした。

ドゥワップの典型的な辺りからやるのかと思いきやフォー・フレッシュメンを一曲目に持ってくるところにもうワクワクしてしまいました。 #中村とうよう さんがかつて紹介した記事を未だ忘れずにいて、更にビーチ・ボーイズを好む僕にはもうコレしかないという、ね。

フォー・フレッシュメンとビーチ・ボーイズとの深い関係にきちんと触れ、次に『 #素敵じゃないか 』のアカペラとくる。

自分の生年に発表された『 #ペットサウンド 』が無人島の一枚であり、中でも冒頭に収録されたこの曲は数多の中でも最上の一曲として聴いてきたから、これはもう胸が熱くならない方が無理というね。

『ペット・サウンド』はジャケットにしても、動物好きにはそれだけでたまらないし、全体にとても優しい印象があるので、そうしたトータルで手元に置いておきたいアルバムなんです。


後はいつもながらの絶妙な変化球を思わせる選曲に耳を委ねていました。
つくづく #村上春樹 さんはビーチ・ボーイズ、なかんずく『ペットサウンド』がお好きなんですねと改めて思いながら。

しかしながら、僕は彼のよい読者とは到底言えなませんでした。
『ノルウェイの森』も食わず嫌いのレベルでずっと無理で。
映画化されたものは結構よい出来とは感じたのだけれど。

彼の小説で読み通したのは『 #国境の南太陽の西 』をつい最近偶々という有り様で、性がテーマであるとしたならば、その直前に読了した異才 #松浦理英子 の大作『 #犬身 』には到底及ばない印象もあったほどでした。
(この小説は文庫本でも出ていますが、単行本で読むことに醍醐味がある作品だと思います。)


あれはバブル時代の作品だから時代感覚のズレを割り引いたとしても、それでもなぁと今も感じてしまいます。

ただ、 村上RADIOをこれも偶々聴くようになり、古希を超えているとは思えない程「男らしく」はきはきとした話し方はとても魅力的に感じてきました。
そこには丁寧な印象もあり、これをセクシャルと言わずしてなんというと思わせたものです。

以前の回でただのジャズ喫茶の親父だったわけではなく、数店を切り盛りして展開していたやり手のビジネスマンでもあったとも明かしていて、その片手間で書いた小説が賞を取り作家になっていったとの経緯を知って、世界的に読まれている作家であり、音楽への造詣も相当のレベルで深いだけに留まらない彼のその才能に感嘆したものです。

しかも、そうした一切を全く嫌味なくさらっと話してしまえることもまた結構な凄いことでもあり。

村上春樹さんの小説の男性主人公が、当たり前のように女性から迫られて性行為に至るというパターンが繰り返されることについても、彼のパーソナリティをよくよく知ってみれば「まぁ、そうなりますわなぁ…」という納得の仕方をしてしまわざるを得ない説得力があるような気がします。

おそらく彼にとってはそんなに変なことではないんだろうと。

小説を読むのはかったるかったのですが、ベトナム人の #トランアンユン が監督した映画『 #ノルウェイの森 』は、キャストも時代背景への理解も素晴らしく全体的にとても出来がよいので、今でも観る価値はあると思っています。

60年代の全共闘の頃のあれこれをベトナム人監督が極めて正確に描いていることにも驚くし、意外な客演にも捻りの効いたセンスがあって、そういう点では村上春樹さんにも通じるところがあるように感じますね。

偶々作品を手にしてなんとか読み通せたなら、また僕は村上春樹さんに出会い直すんだろうけど、それがいつになるかはわからない…。
僕にとってだけでもなく、彼はおそらくそういう作家さんなんじゃないかなとも思えるのですが。

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