大野原幸雄

大野原幸雄

マガジン

  • 【長編連載】吸血鬼だって殺せるくせに

    連載小説  怪物を殺すのが嫌いなモンスタースレイヤーの仕事の記録。 モンスタースレイヤーのジェイスは、祖国の宰相から命令を受けて酒と金が潤沢な国フュリーデント公国へ向かった。 ジェイスはチャラい悪魔を旅のお共に、様々な人ど出会い、怪物と対峙していく。 しかしジェイスはこの旅の終わりが来ないことを望んでいた。

  • あなたを少し変えられるnote

    少しだけでも変わりたいと思っている人に向けて。

  • 幸雄のゲームレビュー

    プレイしたゲームを完全に個人の感想100%で書くレビュー

最近の記事

【連載小説】 吸血鬼だって殺せるくせに 8.5話

馬の悪魔と花の天使 次の目的地であるフィジールは、イーストレア村から相当離れた場所にあった。 長旅に備え、ジェイス達は遠回りして、リドルナ―ドという街で長旅の準備を整えようと立ち寄ることにした。 リドルナ―ドはあらゆる商路の中継地点としても使われる街。 領主の城と教会を中心に、円形に発展した街並みは圧巻で、公国の中でも大きな都市のひとつだった。 立派な市場を見て回ると、本来の目的以上に色んな物が欲しくなるもの。 ジェイスは宿をとった後、色々と見てまわることにした。

    • はじめまして。大野原幸雄です。

      ■自己紹介しますはじめまして、大野原幸雄です。 おおのはらゆきお と、読みます。 noteの使い方はほとんどわかりません。 お金のためではなく、趣味としてはじめました。 所謂アラサーに区分される年齢層ですが、気持ちはまだまだ中二です。 音楽が好きです。好きなアーティストはレッチリ。ジェイソンムラーズ。 中学の時、カッコつけて洋楽を聴いてるうちに、本当に好きになってしまいました。 あの時、カッコつけていた自分に、今はとても感謝しています。 ゲームが好きです。 趣味で小

      • 【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 8話

        ディページはオロバスという悪魔である。 オロバスという悪魔を表現する時、古の魔術師はこんな言葉を用いた。 『百の魔法を使い、万の悪魔を率いて、億の言葉で人を騙す』 優れた魔力を持ちながら巧みな話術で人を騙し、混乱させ、壊す。それによってもたらされる不幸や死を楽しむ悪魔。 オロバスは、ある意味で最も悪魔らしい悪魔と言える。 … ディページに踏みつけられて粉々になったオルゴールは完全に音がやみ、破片がむなしく回転していた。 「あんたみたいな悪魔……大っきらい☆」

        • 【連載小説】 吸血鬼だって殺せるくせに 7話

          イーストレア村南東の森を抜けると、大きな岩で溢れる岩石地帯にでる。 昼過ぎということで見晴らしもよく、森からでてきたシカが日光浴をしているようなのどかな場所だった。 ジェイスの腕には小さなゆりかごが抱かれている。 中にはサラの娘、アンナが眠っていた。 当然、移動には馬の姿になったディページに乗ってきたのだが、ディページは寝起きだったこともあり、いつも以上に揺れた。 しかし、そんな中でもゆりかごで横になるアンナは、動じることなくすやすやと無防備に眠り続けていた。 デ

        【連載小説】 吸血鬼だって殺せるくせに 8.5話

        マガジン

        • 【長編連載】吸血鬼だって殺せるくせに
          10本
        • あなたを少し変えられるnote
          1本
        • 幸雄のゲームレビュー
          1本

        記事

          起きられないあなたをベッドから脱出させる 5ステップ

          おはようございます。 ぐっすり眠れましたか? 起きなくちゃいけないのに、なかなか1歩が踏み出せない。 ならば、これから私の言う通りにやってみてください。 それではゆっくり読んでみて。 1.まずはうつ伏せになりましょう うつ伏せの人はそのままに、それ以外の人はうつ伏せに。 寝返りを打って、「ふぅ~」と休憩しちゃいましょう。 目を閉じながら軽く呼吸を整えて。 2.脚に力を入れてみて このまま眠ってしまいたい。 だけどもダメダメ。起きなくちゃ。 ならば起きるための第一歩

          起きられないあなたをベッドから脱出させる 5ステップ

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 6話

          プルーシェ村長はその日の夜すぐに村の集会を行うため、村人達に召集をかけた。 そして集会をの時間を待つまでの間。 ジェイスとディページ……そして村長は、サラからの話を聞くことにする。 アンナの父親、つまりは…この物語のはじまりについて。 「彼と関係を持ったのは2か月前……森で怪我をしてしまった私を、彼が助けてくれたのです」 …  …  … … その日、私は朝から木の実を摘みに森へ行ったんです。 2時間ほどでしょうか…カゴいっぱいのを摘み終えて帰ろうとしたとき、私は

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 6話

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 5話

          episode2 淫魔より淫らなモノ ダルケルノ村を発ってから、5日後。 ジェイスとディページは、イーストレアという村に到着していた。 ダルケルノよりもずっと小さい村で、畑と簡素な放牧場が面積の大半を占めていた。 大きな建物はなく、木造りの家が立ち並ぶ良い雰囲気の村で、行商人も多い。 2人は村の露店が立ち並ぶ広場へ向かうと、保存の効く干し肉や飲み物、そして馬鞍を買った。 馬鞍のない馬に乗った長旅はジェイスでもかなりきつかったようで、村についてからずっと腰をさすって

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 5話

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 4話

          ジェイスは『神狼様』の墓をつくった。ディページが深く穴を掘り、そこに枯れ木をさしただけの簡素なもの。 枯れ木に短剣でフュリーデント公国の紋章を掘る。 これは「生まれ変わってもまたこの地に戻ってこれるように」という願いを込めた、フュリーデントのまじないだった。 「シエルの地へ辿りつけることを願わん……どうか安らかに」 永遠の安息があるシエルの地。『神狼様』が迷わず辿りつけるよう、ジェイスは追悼の言葉を簡潔に述べる。 そしてすぐに立ち上がり、白馬となったディページにまた

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 4話

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 3話

          寒気がするほど美しい白馬が、モンスタースレイヤーを乗せて森を駆ける。 生き物の気配のない森に道などなかったが、白馬はまるで平地を走るかのように速度を上げ続けた。 こんな森を、こんな速度で走れる馬なんていない。 見る人が見れば一瞬でその馬が『悪魔』であることがわかるものの、それを見て恐怖する人間すらそこにはいなかった。 白馬の姿になったディページは、バカラッバカラッと体重を乗せた音をたててさらに速度を上げるが、湿気の多い森の中でそれが響くことはない。 またがるジェイス

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 3話

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 2話

          森の中は異様に薄暗く不気味で、動物の気配すらしなかった。 ジェイスとディページは依頼の手掛かりをつかもうと歩きまわる。 「見てよジェイス……。またグールの死骸だ。くっさいなぁ」 「あっちにはシカやウサギがたくさん死んでた。……死骸だらけだなこの森は」 森の中はとにかくたくさんの死骸があった。 シカ、ウサギ、熊…そしてその死骸を漁りにやってくる怪物、『死体食らい(グール)』の死骸。 ディページは鼻をつまみながらグールの死骸を見て、ジェイスに言う。 「噛み傷と爪痕が

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 2話

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 1話

          Episode1 人を食わぬ人狼 ジェイスはグラインフォールに入ると、一番近い酒場に入った。 国境近くということもあってか、昼過ぎなのにずいぶんと混んでいる。 仕事前か終わりか、行商人や兵士と思われる男たちが酒と簡単なアテでわいわいと談笑している。 ジェイスはバーカウンターに座り、ガタイの良い店主へ注文した。 「いらっしゃい」 「強い酒と……何か精のつくものを」 店主は瓶づめの透明な酒をグラスにつぎ、ジェイスの前に置いた。 ジェイスはそれをクッと飲み、すぐ大きな

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに 1話

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに プロローグ

          第一章 吟遊詩人は真実を歌う やぁ、俺の名前はバージニア・フェンスター。 世界中の歴史や小話を歌にして旅をしている、しがない吟遊詩人さ。 今回はアンタにジェイスというモンスタースレイヤーの話を聞かせてやろうと思ってな。 ジェイスは俺よりも6つも年下で、ガキの頃からよくつるんでた…腐れ縁ってやつだ。 モンスタースレイヤーとしての腕は確かなもんで、いろんな国にジェイスの噂話があるくらいさ。まぁ、そのほとんどは俺が歌として広めたんだけどね。 …え?いや、まぁ少しは誇張し

          【連載小説】吸血鬼だって殺せるくせに プロローグ

          【レビュー】バイオハザードHDリマスターをネタバレ無しでレビュー!

          バイオハザードHDリマスターをクリアしました。 シリーズ作品をちゃんとプレイしたこと自体ほとんどなかったのですが、改めてクリアすると凄く楽しい体験でした。 ■キッカケは狩野英孝さんの生配信年間かなりの本数プレイする僕ですが、ホラーゲームの経験はほぼ皆無でした。 唯一『Dead by Daylight』は好きでプレイしていましたが、プレイしてる感覚はホラーゲームのそれではなく、あくまで対戦ゲームの一つと言った感じ。 演出やゲーム体験を楽しむというより、プレイヤースキルを向

          【レビュー】バイオハザードHDリマスターをネタバレ無しでレビュー!