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第2期③絵本ゼミ

第2期③絵本ゼミのふりかえり 2022.11.13

第3回目の授業は、「科学絵本のつづき」と「ファンタジー絵本」!

今回の授業を受けて、改めて「科学絵本」の幅広さ・奥深さを実感。

ジャンルのテーマが身近な「動物」「植物」「鳥」「魚」「昆虫」などの生き物全般に加えて、「環境」「地球」「宇宙」「星」なども科学絵本に含まれる。

身近に実感できないことや、宇宙など目に見えないところのことは、なかなか知る機会が少ないため、「科学絵本」を通して学ぶことができるのだなぁと実感した!

「科学絵本」の授業の中で、ミッキー先生が「科学絵本とは何だと思いますか?」という質問を受講者に問いかけた。
受講者の方たちは、質問に対してすぐに応答していたので、すごいなぁ〜と感動。

私だったら今回、科学絵本を勉強して「科学絵本とは何だと思いますか?」と言われたら、なんて答えるかな〜と考えていた。

「物語がある+絵や写真+心が動く・知らなかった世界を知る」=「科学絵本」
であることはもちろん。

それに加えて、私は「文化の氷山(Culturaral Iceberg)」にも似ている感覚があるのではないかと考えた。


「文化の氷山モデル(Culturaral Iceberg)」は、異文化コミュニケーションでよく使われるモデル。
目に見える文化(その国の食べ物、服装、生活習慣)と
目に見えない文化(言語、考え方、価値観)

があり、見えている文化は全体の一部に過ぎないという考え方である。

これを絵本で、特に科学絵本に応用させて考えてみると、写真のように、普段見ることのできない世界を、科学絵本は私たちに教えてくれる!

使い方は、間違っていると思うけれど、知らなかった一面を知ることは、Culturaral Icebergと似ているところがあるのではないかなぁ〜と感じた。

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そして、次は「ファンタジー絵本」!!

絵本ゼミが始まる前日まで、図書館に行っても「ファンタジー絵本」ってどれだろう・・・。どれが当てはまるのかなぁ・・・。とずっと悩んでいた。
児童文学だと、ファンタジーの本は、魔法が使えたり、違う世界で冒険して成長して帰ってくるようなお話が多いので、魔法や違う世界が出てくる絵本がファンタジー絵本??なんて考えていた。

★ファンタジー絵本とは
・本来目に見えないものを、目に見えるように表現すること。

ファンタジーのタイプは3つあり・・・

①非現実世界(ファンタジーの世界)に行く。

モーリス・センダック『かいじゅうたちのいるところ』冨山房,1975

②非現実世界(ファンタジーの世界)から来る。

酒井駒子『よるくま』偕成社,1999

③非現実世界(ファンタジーの世界)で出来事が起こる。

作・絵:宮西達也『おまえうまそうだな』ポプラ社,2003

また、ストーリーの中には、「ごっこ遊び」や「擬人化」なども含まれるため、ほぼ全ての絵本が、ファンタジー絵本に当てはまると言えるかも?と思った。

グループの話し合いの中で、「昔話絵本」も「ファンタジー絵本」ではないかというお話が出てきた。

よくよく考えてみると、「昔話絵本」も「ファンタジー絵本」に含まれているなぁと思い、新たな発見だった。

★昔話とファンタジー絵本の類似性

①非現実世界(ファンタジー世界)がある。
昔話・・・発端句と結末句があり、「むかしむかしあるところに・・・」で架空の世界に入り込んでいく。
そして結末句で「どんとはらい」と締めくくることで、現実世界に戻ってきたことを示している。

再話:小澤敏夫 画:赤羽末吉『かちかちやま』福音館書店,1988

●ファンタジー絵本・・・本来目に見えないもの世界を、目に見えるように表現し、読者の想像力を広げる。

ファンタジー絵本で大好きなのが、宮西達也さんの『おまえうまそうだな』シリーズ(ポプラ社)

「恐竜」という、絶滅してしまい、もう現実世界にはいない動物。
社会言語学のように、社会で絶滅してしまった状況は、言語としても消滅し、言葉の変化により、使わなくなった言葉も多い。
しかし、「恐竜」は、誰もが知っていて、今でも大人気である。

それは、絵本として『おまえうまそうだな』(ポプラ社,2003)や『エルマーのぼうけん』(福音館書店,1963)などに残され、読み継がれることで、言葉が消滅せずに残っているとも考えられる・・・。

『おまえうまそうだな』シリーズは、「親子の愛、友情」がテーマとなっている。

動物界の "厳しさ" と、生き残るために "戦い・守る愛” という、情に訴えかけられるファンタジー作品!!
オノマトペも多く、リズムもあり、読み聞かせの愛着形成もあり、心がジーンと熱くなるシリーズだなぁ。

②擬人化
●昔話・・・動物と人間が話したり、カッパやひょうたん、鬼などの現実世界にはいないものが出てくる。

再話:松居直 画:赤羽末吉『ももたろう』福音館書店,1965
作:神沢利子 画:赤羽末吉『ひょうたんめん』偕成社,1984

●ファンタジー絵本・・・動物やお化けと会話をしたり、二足歩行で歩いたり、人間らしい行動をする。

作:西内ミナミ 絵:堀内誠一『ぐるんぱのようちえん』福音館書店,1966
作・絵:せなけいこ『おばけのてんぷら』ポプラ社,1976

「ファンタジー絵本」と聞くと、比較的新しい、現代の絵本が当てはまりそうな感じがしていた。
しかし、このように考えてみると、「昔話絵本」と「ファンタジー絵本」は似ているところがある!と、とても勉強になった。

私は、まだまだロングセラーの絵本しか触れていないので、今度は「ファンタジー絵本」の中でも、”まだあまり世間では有名ではないけれど、良いファンタジー絵本” をたくさん見つけていきたい!

次回は、「音としての言葉の絵本」!!

子どもの本だと、オノマトペはよく登場するが、だんだん大人の本になるにつれて、オノマトペの表現は少ない気がする・・・。
「オノマトペの多様性と発育への関係性」「オノマトペと表現力、創造力の広がり」など、オノマトペにも興味があるので、絵本を探しながら勉強頑張ります。

次回の絵本ゼミもがんばるぞ!!


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