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予感っぽい冬の終わり

春の気配に耐えられなくなって空気清浄機を買った。目と喉がいがいがするし、起き抜けに鼻血が出る。花粉症って本当に意味がない。その分、体がつらいことがそのほかの病気を上回ってみじめ。小さいけど12畳くらい清めてくれるらしい。なんだか空気の張りが違う。それで楽になるなら別にプラシーボ効果でもいい。親が絶対に必要なのに買おうとも思っていないもの第一位の空気清浄機を買ったので、次は食洗機、その次はドラム式洗濯機を買って、みんなでなんだか生活が楽しくなったという気になりたい。

生活、たのしいけど、べつにたのしくなくても今はつらくないだけでありがたいっていう、か。病気が、ほとんど完治しつつある上に、オフィスという場所でかろうじて社会人の顔をして働けていることが奇跡だなと思う。なんだか、自分が何を言ってもニコニコ楽しそうに笑ってくれる人たちに囲まれて仕事をしていて、あこがれるようなかっこいい年上の人も何人かいて、自分が一番年下で、守られていて、すこし遠ざかったけど自分の好きなものの近くにいながらお金をもらって、家族と食事を食べていて、新しい好きな人がいる。こんな毎日が一年後の自分にあるなんて去年の自分は思わなかった。都合がよすぎて、すこしこわい。

新しい好きな人ができると、それまでの恋をまるで悪い夢でも見ていたみたいに忘れてしまう。(私も誰かにとっての悪い夢であるかもしれない。)この人といるときは穏やかに笑っていたいと、できるだけ目をまっすぐに見ていたいと思ったことを夢じゃなくて現実のことだったと振り返れる自分になってみたいから、早く遠くに時間が過ぎていけばいいのにな。


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