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その14 自己理解_環境理解 Will、 Can、 Must/Mission

 その13で「強み」について書きました。今回は「やりたいこと」、「できること(強み)」、「求められること」の構造について説明していきたいと思います。普段はキャリア研修の題材として取り上げるもので、多少理論的で難解な部分もあるかもしれませんが、頑張ってみます。

仕事のモチベーション
仕事に携わる上でモチベーションを高める要素には
1.   やりたいこと「Will」
2.   できること「Can」
3.   求められること「Must/Mission」
という3つがあります。
これを弁図で表すと下のようになります。(Missionは私が追加しました)

 これら要素の重なりが大きくなれば大きくなるほど、納得感や やる気といった仕事の満足感が高まります。ご自身の得意分野で、夢をかなえる。それが社会課題の解決に繋がり会社の業績にも良い影響を与えることがあれば、この3要素の重なりは大きくなります。
 適例であるか少々疑問ですが、私が担当していた防災機材の例を挙げてみます。

防災機材
 私は防災関連の既成商材を扱う中で、市場と営業効率の伸び方に閉塞感がありました。そこで、独自商材やソリューション/パッケージ開発を防災視点から模索していました。セオリー通りにお客様の話を聴き、複数のお客様に共通する課題と理想形を整理していきました。
(守秘義務に抵触の可能性がありますので具体的内容は割愛します。)
その時の私の心の内を振り返ると下のような弁図になります。中央の重なりが大きくなっています。

改めてやりたいこと「Will」と求められること「Must/Mission」
 壁への挑戦と学び
 引用した事例は、私にとって過去のことですが、ビジネス要素が詰まった内容のでした。このように構造化してみると、自分に必要な事柄が明らかになってくることがあります。例えば、Canの要素の「気象や防災に関する知識」は、学術的に勉強していたわけではありませんが、ある程度の知識があったことでお客様との会話に支障はありませんでした。
 必要と感じたら自分で学ぶ
 時系列は前後します。実は防災機材の営業活動を始めてから、気象予報士の勉強をしていました。防災関係の営業活動を進める中で、自分の知識不足に気づき、必要な知識は自分で獲得することにしたのです。

 キャリア研修で取り上げる内容ですので、教室にいるような感じになってしまいましたね。申し訳ありません。

この先は、少々キャリア理論のような内容ですので、飛ばしていただいて構いません。
 要素連携/MustにMissionを追加したわけ
 それぞれの要素の間には連携があるように感じています。例えば、「ビジネススキームの構築」は組織からの要請が私自身の「やりたいこと」に共振している様にも見えます。つまり、Willを構成する時には少なからずMust/Missionが関係していて、影響を受けているということです。だからこそ弁図として重なりを持つことができるのです。
 実は、この弁図は、エドガー・シャインさん(組織心理学、1928年-2023年)のキャリア・アンカー(「才能と能力」「動機と欲求」「意味と価値」)から遷移したものと思われます。最後の「意味と価値」「求められること」に入れ替わっています。この二つには違いがあります。「意味と価値」の主体が「個」である可能性が高い一方で「求められること」は個々人の視点によっては直截的に「組織・社会」になることがあります。

このブログでの「求められること」の趣旨は、社会からの要請に基づく個人の価値観であり意味づけであるとご理解ください。つまり3つの要素のすべてが、Mustも含めて内発的であるということです。このような思索からMustの要素の表現にはMisson(使命)を付け加えています。

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