長野県だったら、のんびりと暮せると思ってないだろうか?
雪解けの田んぼの中からの緊急レポートである。
長野県への移住を考えているあなたは、この現状をよく考えて、賢明な判断をねがいたい。
あなたは長野県に移住して、のんびりと暮したいと思ってないだろうか?
田んぼに囲まれて、のんびりした生活ができると思ってないだろうか?
そんな、あなたには、真実をお伝えしなければならない。
田んぼにのんびりなど、大きなカン違いである。
そりゃ、恋愛だったらいい。
カン違いは恋愛の調味料、とも言われる。
いわれない…?
うむ…
少なくともだ。
葛飾区新小岩の『スナック・バンビ』のママは言っていた。
いや、このレポート(駄文)の論旨はスナックではない。
つまりだ。
恋愛だったらカン違いもいい。
しかし、長野県の移住にカン違いはしてはならない。
こんな吹きっさらしの田んぼの真ん中に、カン違いしたまま移住したものなら命にかかわる。
田んぼを美化してはいけない。
人はいう。
「実るほど、頭を垂れる稲穂かな」と。
が、私からいえば、そんなものは詩人のたわごとである。
田んぼで稲を育てている人が謙虚になるのかというと、まったくの逆である。
育てれば育てるほど、無粋なしかめっ面になっていく。
噓だと思ったら、長野県を車で走ってみるがいい。
クラクションをビービーと鳴らすのは、ほとんどが田んぼの帰りの軽トラであることに気がつくだろう。
稲などは、それなりに植えれば素直に育つ。
さして難しいことはない。
では、田んぼで何が難しいのか?
それは、その土地土地に雑草のようにして存在している農家の老人群なのだ。
正直いおう。
雑草よりも、老人たちのほうがはるかに難しい。
傍若無人な老人に比べれば、雑草など可愛いものである。
かくいう私も、田んぼによって難しい人になりかけている。
今年の正月と、去年の正月と、神社にお参りをしたときだ。
そのときに「今年こそは食糧危機が訪れますように!」と真剣に祈ってしまったのである。
そうではないのか!
農作物は高く売れてほしい!
もし食糧危機となれば、軽トラックに農作物を積んで東京まで走り、新小岩あたりの駅前まで乗りつけて売りさばいて暴利を得るつもりだ。
いや、暴利は人心に反する。
そのため『スナック・バンビ』で還元したい。
それにしてもだ。
もともと私は、そんな酷いお祈りする人間ではない。
現代のブッダ、と言われたことも度々だ。
『スナック・バンビ』での支払いのときだけだが。
いや、もうスナックはどうでもいいではないか。
つまりは、長野県に移住したら、そんな酷い人間になってしまったということだ。
とはいえ、そう決めつけるのは早計である。
私の情報網(近所)によると、当地では、善人ではあるが外面がよくない人もいる、との一報は受けている。
腹黒いけど外面はいい、という東京のようなパターンは少ない傾向も見出される。
しかしだ。
円滑で快適な社会生活を保つためには、後者の人たちがいいに決まっているだろう。
実際に、東京はそういう人たちで問題なく成り立っている。
こう述べると、移住をしたがっているあなたは、1人1人への理解が必要というのかもしれない。
心と心のふれあいが大事というのかもしれない。
寄り添うことが大切というのかもしれない。
わかった。
この際、はっきりいわせてもらおう。
あなたね!
移住してまで無料カウンセラーになるんですか!
のんびり過ごしたいのではなかったのですか!
いかに東京での生活が円滑であったか思い知りますよ!
いいですか!
長野県人とは関わりを持たないのが1番に快適なんです!
まあ、とにかく落ち着いてほしい。
力説してしまったが、対人関係については、優秀なあなたは当然にして理解していると思われる。
つたないレポート(駄文)をお許し願いたい。
まさか長野県への移住を考えておきながら、いまさら「やっぱ、人間関係が大変そうだなぁ」といってるような、大マヌケな方ではないはず。
いずれにしても、これらの極秘レポートによって、私の身辺には危険が迫りつつある。
長野県を仕切っている農業委員会老害一派から、集落引き回しの刑を下されるときは、刻々と近づいてきている。
それでも私は、移住希望者の不幸をくい止めるために、長野県の実態をレポートしなければならない。
ぜひ、その意気を買い、調査費用として1,280円ほどのサポートをお願いする次第である。
なんなら、キリのいいころで2,000円でかまわない。
誤解がないように申し添えるが、決して『スーパー ニシザワ』でビールを1ケース買いたいがための金額ではない。
なんにしても、長野県に移住するのは、私のレポートを読んでからでも遅くはない。
とんでもないことになる。
レポートの続きを待たれよ。
大俵一平
レポート作成に使わせていただきます。 ありがとうござます。