『月』日本映画

森の奥深くにある施設
隠されるようにひつそり
重度障害者施設がある

実在の殺傷事件がモデル
そう想起させる映画
出演 宮沢りえ
存在感がズバ抜けてる

そこで働くスタッフは親切で
思いやりが溢れてる
だが、違う
そこに反発やジレンマもある

ひとりの男性スタッフ
簡単に云えば、
上手くいっていない
成功できてない

自己肯定できない
受入れられない現実もあるが
みんなは、自分で
消化している

何をしていいのか
わからない
そんな時は、誰にでもある
諦めるしかないのか

教職を目指してた
だけど無理
入れ墨をいれた

寝たきりの意思疎通が
できない重度障害をもつ人達
生産性がないと決めつける
人間の価値はカネを稼ぐことや
社会的地位や何かを生み出すこと
ではないはずなのに。
教職を目指したひとの思考とは
とても乖離してる発想
究めて短絡的で、決めつけ

否定された人間が
別の、自身より弱いひとを
蔑視してもそこに希望は見い出せない
他者をバカ呼ばわりしても
自分の価値は上がらない

誰もが息苦しい時代だからこそ
認めあって支えあいながら
生きてくはずなのに。

ラストに向かう場面までは
観てるもの全員の
喉元に凶器を突きつけてる
気がする
教養とか資格とかは
自らのためではなく
誰かのためのものでなければ
ならないのに。

虐めあって叫びあう
空間のなかで違和感をもてば
排除されてしまうのか
バイオレンスを持ち込んだ
結果に得られたものとは何か
今度は社会が、彼に
突きつければ
それで終わるとは、思えない

生産性やカネを生み出す力が
なくても生きてるだけで
素晴らしい


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