おおやぶりょう

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熱帯 佐藤哲也

「小さな多々礼島の住民には過酷な夏をやりすごすために夏眠を取る習慣があっ た。初夏までに体重を増やして脂肪を貯え、盛夏は泥の下に潜って眠るのである。父祖伝来の秘技であり、この技によって多々礼島の人々はおよそ五百年にわたって夏を生き延びてきたという。(中略)隣の多々朗島に住む業つくばりな連中が海を渡って多々礼島の人々の真上に稲を植えるようになったからである。稲は夏眠中の人々から容赦なく養分を奪い取った。」(熱帯P5より抜粋)  これが、物語の始まりです。もうなんなんだろう、こ

    熱帯 佐藤哲也