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子どものお金の学び

お金を使うことって難しい。
最近初めてうちの子がお小遣いで買い物をした。
さんざん、さんざん悩んで買うものを決めた。
いろんな雑念に惑わされずに欲しいものを選んで選び抜いて、なかなか上手に買ったと思う。

我が家の小学2年生の子のお小遣いはお手伝いで稼いでいる。
それに、お年玉から預金とお財布に仕分けした分のお金がある。
お手伝いに報酬を渡すことについて、賛否両論があるのは承知しているけれど、その話はまたの機会にするとして、定額制のお小遣いは与えていない。
そして、普段から散財するタイプでもないようで、今回が本当に自分で欲しいものを選んで買った体験だと言える。

彼には、NintendoSwitchのソフトがほしいという望みがある。
だから、なるべくお小遣いは使わないでおこうという思いがあるらしい。
ソフトの値段をおおよそ知っていて、それが安くないものということも理解しているようだ。
だからこそ、今回の買い物は熟考に熟考を重ねていた。
こういう経験を積み重ねていくことも、お金の価値を理解したり、物の価値を比較したり、自分を律したり、ということにつながるのだろうと、少し距離をとって見ていた私は考えていた。


それは、旅行先の博物館のミュージアムショップでのこと。
ほしいものがいろいろあることは明白だった。
自分のお財布の残高とそこに並ぶ物の価格を比べる。
そして脳内にはゲームソフトがほしいという思いが駆け巡る。
私は彼に少しだけアドバイスをした。
「ゲームソフトを買いたいことも、ここでお土産を買いたいことも分かるよ。
でも、手元にお金を少しでも多く残そうと、安いことを一番の理由にして、ほしい気持ちを我慢しすぎて選ぶと、買ったあとに使わなくなる。
本当にほしいと思う物の中で、お財布と相談したほうがいいよ。」

彼が私の真意を分かったか分からないかは分からないけれど、どこでも売っているような物は選択肢から外したようだ。
普段からコレクションしていてよく遊んでいる物で、ここでしか買えない種類というものに狙いを定めたらしい。
それでもこれは複数の種類があるのでめちゃくちゃ悩んでいたようだけど、買うのは一つだけ、と決めて結論を出していた。


だいぶ時間がかかった。
待つのもつらいし、口出しもしたくなる。
実際に口出しをしたけど、それはあれもこれもほしいと思ってしまう自分のことを許せないみたいで、それを口にすることができてなかったみたいだから、何と何で迷っているのか本音を訊くことはしてしまった。

そうしていると、いくつか悩んでいる中で最後の2つに絞ったことが分かった。
ここでおねだりをしてこないのがこの子らしい。
正直、こういうときに駄々をこねてでも、自分の気持ちを表現してくれればいっしょに考えたり、助け舟を出したりできるのだけど、そういう機会をこの子は逃しがちだ。
最終的には、一つは自分で買って、一つはプレゼントとして夫から渡すことになった。
言ってくれればいいのに…ということもけっこうある子なので、こういう経験もありと言えばありだ。


お金は、稼ぐことも、増やすことも、使うことも、全部大事なことだ。
でも、どれもこれもいまいちちゃんと学ぶ機会がない。
そして、実際にやってみないと分からないことも多い。
私だってお金のことを正しく知っているとは言い切れない。
だからこそ、子どもにもお金についての学びの場が必要だと思うし、学びの機会を作っていきたい。
お金のことは難しいけど必ず必要なことだから、避けては通れない。

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